早大野球部【連載】春季リーグ戦直前特集『HERO』 第9回 尾瀬雄大

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 本田里音

第9回に登場するのは、1年春から東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)に出場し、今春で5季目を迎える尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)。これまで、リードオフマンとして、多くの場面でチームを勢いづけてきた。そんな尾瀬の上級生としての覚悟に迫る。

「とにかく打率を残す」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーーまずは、沖縄キャンプお疲れ様でした。キャンプの疲れはありましたか

 キャンプはオフなしでずっと練習していたので、かなり疲れました。

ーーキャンプでは、「これまでつけてきたウエートトレーニングやパワーをバッティングに生かせるように練習している」とお話されていましたが、意識して練習した結果、変化した部分はありましたか

 キャンプに入ってからもバットをずっと振り込んで、スイングスピードや体のキレというのは少しずつ上がってきたかなと思っています。インコースの真っ直ぐの球や、球の速いピッチャーに対しても負けずに体のスピードが上がってきているので、良い感じかなと思います。

ーーウエートやパワーをつけるために、食事の面で気を付けたことはありますか

 普通に食べていると瘦せていくので、多めに食べるというくらいです。

ーーまた「シーズン通して自分のバッティングをやり切るパワーや体力もつけたい」とお話がありましたが、尾瀬選手の考える『自分のバッティング』とはどんなものかお聞きしたいです

 自分はホームランバッターではないので、とにかく打率を残して1試合1本、2本は必ずヒットが出るようにしていきたいなと思っている感じです。

ーーキャンプを通して、考え方や技術など新しく得られたものはありましたか

 新しく得られたものというよりかは、ずっと去年からやっていること、さっき話した自分のバッティングというものもそうですし、それをシーズン通してやり切りたいというのがずっと自分が思っていることなので、そこに対しての考え方は変わっていないかなと思います。

ーー改善したい課題は見つかりましたか

 これも去年から話していると思うんですけど、自分はずっと1番バッターで出場していて、1打席目で結果を残せるかが課題だと思っています。春季オープン戦では、なかなか1打席目に結果が出ていなくて、その1打席目に結果が出せるようにと思って練習しています。

ーーキャンプ中に、練習以外で一番印象に残っていることは何ですか

 部屋のメンバーが、小澤(周平、スポ3=群馬・健大高崎)と田村(康介、商3=東京・早大学院)と石郷岡(大成、社3=東京・早実)と仲良い3人だったので、練習から帰って来て疲れた中での皆としゃべっている感じとかがすごい思い出です。

「チャンスが回ってくるとうれしいしドキドキする」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーー続いて、春季オープン戦について伺いたいと思います。春季オープン戦をチームとして振り返っていかがですか

 全体的に投手も野手もずっとかみ合っているというか、悪くないかなと思います。

ーーJFE東日本戦では得点に貢献する左前安打、関東学院大学戦でも中前安打がありましたが、春季オープン戦を振り返って、ご自身の打撃についてどのように感じていますか

 結果としてはそんなにヒットも打ってないかもしれないですけど、凡打の内容というか一打席一打席の内容は全然悪くないと思っています。しっかり自分の形でバットを振ってその結果が野手の正面ついたりというのも結構あるので、自分の中ではしっかりとしたバッティングができているかなと思います。

ーー打撃の調子を上げるためには何が必要だと思いますか

 正直リーグ戦をやってみないと分からないので、今の状態、今の自分の形をリーグ戦でも出せるように練習していきたいなと思います。

ーー次に守備について伺います。守備において、ご自身の強みはどのような所だと思いますか

 守備範囲と球際、ダイビングキャッチをする所だと思っています。ギリギリの打球に対して、思い切って突っ込んでいって取り切るというのが自分の強みだと思います。

ーー守備についてはどのようなことを意識して練習していますか

 投手とか全員がヒットだと思った打球を、取ってアウトにしたいというのはずっと思っています。バッティング練習の守備の時は、ヒット性の打球、取れないものを追いかけていって取るというのを意識してやっています。

ーーおそらく今シーズンも1番打者として出場することが考えられると思います。これまでほとんどの試合で1番打者を任されていますが、初めてリーグ戦に出場した1年生の時、レギュラーとして出場するようになった2年生の時、そして現在と1打席目に立つ前の心境で変わった部分はありますか

 1年生や2年生の最初の時は、リーグ戦の雰囲気とかそういうのがあまり分かっていない状態でとにかく思いっきりやるだけみたいな感じで入っていました。今回は、もう大体リーグ戦の雰囲気も分かっていて、相手ピッチャーも何となく分かっている中で、自分も3年生になって1番バッターに定着してきて絶対結果を残さないといけない立場なので、そこの責任感や自覚、覚悟を持ってずっとやっています。

ーー昨秋の慶大1回戦で9回裏無死満塁で同点打を放った際、「気楽な気持ちで打ちにいった」とお話されていました。勝負所で打順が回ってきた時に、緊張しないリラックス方法を教えてください

 その瞬間を楽しむというか、ずっと良い場面で回ってきて打つことをイメージして練習しています。そういう場面で打ちたいと思ってずっと練習しているので、チャンスが回ってきて嬉しいしドキドキするので、それを楽しんでやったらリラックスできるのかなと思います。

ーー1年生からリーグ戦に出場してきて、今季は3年生として迎えるシーズンになると思います。上級生として、リーグ戦に初出場する下級生を励ますなら何と声をかけたいですか

 俺が全部やってやるから楽にやれって感じですね(笑)。

ーーチーム内でライバルとして意識している選手はいますか

 特に意識している選手はいないです。

ーー他大でライバルとして意識している選手はいますか。

 強いて言うなら東大の酒井捷(東大3年)ですね。ずっと仲は良いのですが、この前の秋にベストナインを取って東大の選手なのに(打率が)3割超えてて、同じ1番バッターというのもありますし代表合宿にも選ばれていて、そこで意識する部分はあります。

ーー春季リーグ戦の目標の数字を教えてください

 目標の数字は、打率何割だろうな…4割と言っておきましょうか(笑)。あまり数字を意識したくなくて、リーグ戦といっても10試合ちょっとしかないので、1試合ちょっと打ったらすぐ打率も上がりますし、数字はあまり気にしないで、一打席一打席をしっかりやっていければなと思っています。

ーーリーグ戦前の現在のチームの雰囲気はいかがですか

 さっきも言いましたが、投手も野手も良い感じで自分は仕上がってきているなと思っているので、開幕まで後2週間でみんなやってやろうという気になっていると思います。

ーー普段、主将の印出太一選手(スポ4=愛知・中京大中京)や副将の吉納翼選手(スポ4=愛知・東邦)とチームの調子について会話することはありますか

 お風呂で会った時とかに、話したりはします。

ーー昨シーズンは惜しくも慶大に敗れ、優勝を逃してしまいました。今シーズン、早大が優勝するためにはどのようなことが鍵になると思いますか

 個の力というのは他大学にも全然負けていないと思っているので、自分も含め1人1人がしっかりと練習してきたものを試合で出すことが大事かなと思います。

ーー最後に開幕に向けて「ここを見てほしい!」という尾瀬選手のアピールポイントをお願いします

えーー…ここの、鼻の横のほくろで(笑)。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)
2003(平15)年8月14日生まれ。172センチ。東京・帝京高出身。スポーツ科学部3年。毎取材、気さくに話してくれる尾瀬選手。チャンスで打順が回ってきたときは、その瞬間を楽しむことがリラックスできる秘訣(ひけつ)だと話してくださいました。上級生としての覚悟を持った今春は精神面でもチームを引っ張る姿を見せてくれるでしょう!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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