早大野球部【連載】春季リーグ戦直前特集『HERO』 第8回 石郷岡大成

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 田島凜星

第8回に登場するのは左翼手でのスタメン出場が増えてきた石郷岡大成(社3=東京・早実)。足を使ったプレーでチームを盛り立て、ネクストブレイクの兆しを見せている。そんな石郷岡に、キャンプの振り返りから東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)に向けた意気込みなどを伺った。

「(浦添キャンプでは)いい経験ができた」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーーまずキャンプについて伺いたいと思います。キャンプ全体を振り返っていかがでしたか

 最初は雨が多くてずっと室内での練習になったんですけど、 最後の方は晴れて外で実戦や試合を重ねることができました。そこで実戦でしか得られない経験というか感触を、早い時期から感じることができたので、 自分的には成長できたキャンプだったなっていう風に思っています。

ーー石郷岡選手のキャンプのテーマは「長所の走塁と守備を伸ばして、さらにバッティングの強化」でしたが、まず走塁と守備について、手応えはいかがでしたか

 走塁に関しては、自分は足を生かすっていうのをやっていたので、 ちょっとした隙で次の塁を狙うっていうのはできてて。それがチーム全体でもそういうムードというか、意識が高くなってるなと感じたので、個人的にもチーム的にもよかったかなと思います。

ーー守備についてはいかがですか

 特にすごい上達したなっていう感じはないんですけど、 遠くまで投げることだったり、ちょっとした時間を短くして楽をさせるっていう細かいプレーが少しできたかなと思います。

ーーキャンプ終了時点でのバッティングの成果はいかがでしたか

 実戦で打席に立たせてもらった時に、結構速いピッチャーと対戦することができて、それに対応していくっていうのを実際にできました。このぐらいのレベルのピッチャーはみんな球が速かったり、変化球のキレも良かったりすると思うので、それに対応する練習ができて、自分的にはいい経験ができたなと思っています。

ーーキャンプ中、この練習で一番成長できたという風に思うものはありましたか

 キャンプ中、特打(特別打撃)っていうメニューがあるんですけど、その時間でいっぱいバットを振って、実際にボールを打っているので、質と量両方やる上で僕らはいい練習だったかなという風に思います。

ーーキャンプで大変だったことは

 雨の日の室内での練習で、湿度が本当に高くて 蒸し風呂みたいな中での練習だったので、それはきつかったです。

ーー逆に楽しかったことは

 自分は普段1人暮らしで生活しているので、寮生活は経験したことがなくて、その中で3週間ぐらい寮生活みたいなものを経験できたことです。同部屋だった尾瀬(雄大、スポ3=東京・帝京)、田村(康介、商3=東京・早大学院)、小澤(周平、スポ3=群馬・高崎健康福祉大高崎)と、楽しい日々だったなっていう風に思います。

ーーキャンプ中に他の選手から刺激を受けたことはありますか

 同じ左バッターの尾瀬と、吉納さん(翼副将、スポ4=愛知・東邦)とかからは、どういう風に考えてバッティングしてるかっていうのを素振りの時間だったり、練習の時にいろいろ聞けて。こんなことを考えてるんだって、そういう刺激を受けました。

ーーキャンプを通して、 心構えの面で変わったことはありますか

 キャンプが進むにつれて、どんどんリーグ戦が近くなってくるので、実際にリーグ戦だったらこれは良くないとか、これは生きるなみたいな、リーグ戦を想定したプレーを意識してやっていけたかなと思います。

ーーオフシーズン全体の振り返りをお願いします

 オフシーズンはチーム全体としてのトレーニングの時間っていうのが去年とは変わってて、そこで体を強くすること、爆発的な力を出すことっていうのをやりました。そういった意味ではこのオフシーズンは有意義に生活できたかなと思います。

「出塁してかき回す」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーー続いてオープン戦についてお聞きします。 石郷岡選手はオープン戦の前半の方の試合ではなかなかヒットが出ていなかった印象ですが、バッティングで苦労した点はありますか

 今まで対戦したことないピッチャーというか、そういう(高い)レベルの速い球とか、変化球のキレだったりというのは、今まであまり経験していなかったので、 低めのボール球を振って凡打になってしまっていました。変化球のキレとかは一番大変かなと思っています。

ーー後半の試合では安打も含めて出塁が増えたという印象ですが、 前半から改善した点などはありますか

 ボール球を振らないということで、空振りをしなくなってきて、それがちょっと自信にもつながって。余裕を持ってちゃんと勝負することができたのがいい方向につながっているのかなと思います。

ーースタメン出場する機会が以前と比べて多くなったと思いますが、そのことについてはどう感じていますか

 やるからにはスタメンで出たいっていう気持ちはあるので、スタメンを取りに行って、長所の走塁であったり自分のプレーでチームの勝利や優勝に貢献したいなと思っています。

ーースタメン出場時と代打出場時で心構えの違いはありますか

 スタメンの時はもう最初から自分の出番なので、やっぱりそういう準備をしなきゃいけないですし、スタメンじゃない時はいつ行くって言われても出られるように準備をしていかなきゃいけない。そういう違いはあります。

ーーご自身の強みとおっしゃっていた走塁について、オープン戦ではどのような意識を持ってやっていますか

 点を取るためには1つでも多くの塁に進まないといけないので、自分がもし一塁にいたら1人で三塁に行けるぐらいの走塁をしなきゃいけないと思っています。隙をついたり、単純に走力勝負だったり、そういうとこで狙えるように。失敗を恐れずに挑戦っていう風にやっていました。

ーー守備についてはいかがですか

 今までずっとセンターをやっていたのがレフトになって、打球の飛んでくる感じも違って。そういうのに慣れながらも、守って勝つっていうのはチームとしてあるので、その力になれればなと思ってやっています。

ーーご自身が試合で求められているのはどのような役割だと思いますか

 ランナーがいれば次の打者に繋げたり、自分も生きながら(塁を)進めたり、どんな形でも出塁する、出塁してかき回すっていうのが自分の役割だと思っています。

ーー社会人のチーム相手と大学生のチーム相手で変わる点はありますか

 相手のバッターが、社会人の人はみんなセンター返しで、難しい球はファウルで逃げて、

ちょっとでも甘いと打つみたいな感じで全員打ってたので、大学と社会人ではレベルっていうのはすごく違うのかなと思いました。

ーーキャンプ後のオープン戦で、キャンプ中の練習の成果が出たと感じることはありますか

 自分のプレーに関して全体的に少し上達することができたかなっていう風には感じていて。走塁に関しても二盗、三盗とか、次の塁を狙うっていうのが試合でできたので、そういうところで上達できたかなっていう風に感じることができました。

ーーでは最後にリーグ戦に向けてお聞きしたいと思います。現在のチームの雰囲気はどのように感じられていますか

 リーグ戦まであと1週間ぐらいということで緊張感もありつつ、リラックスできつつ、やるとこはやるみたいな形でしっかりできてて、いい状態で迎えられるかなと思っています。

ーー外野手の中のレギュラー争いについてはどう考えられていますか

 自分は今レフトで、寺尾(拳聖、人2=長野・佐久長聖)ととレギュラー争いというかスタメンだったりそうでなかったりというような形なんですけど、いい意味で切磋琢磨(せっさたくま)して底上げというか、一緒に上達できていると思います。

ーースタメンを勝ち取るためにはどうする必要があると思いますか

 寺尾とは自分はタイプが違う選手なので、自分らしさを出して。自分が負けず嫌いっていうのもあるので、やっぱり同じポジションを争う人として負けたくないっていう気持ちでやりたいなと思います。

ーーリーグ戦ではご自身のプレーのどのような点に注目してほしいですか

 かき回すプレーというか、足を使ったプレーに注目してもらいたいです。

ーーリーグ戦の目標をお願いします

 チームとしてやっぱり優勝して天皇杯を取るというのが目標で、自分もスタメンをとってそれに貢献するっていうのが1番の理想ではあるので、そうやって頑張りたいです。

ーー最後にリーグ戦に向けた意気込みをお願いします

 ここまで早稲田は優勝できていないので。去年の秋ベンチにいさせてもらったんですけど、目の前で慶應が優勝して悔しい思いをしたので、今年の春はそんな悔しい思いをしないように、全員で優勝できるように頑張りたいです。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆石郷岡大成(いしごうおか・たいせい)
2003(平15)年6月6日生まれ。171センチ。東京・早実高出身。社会科学部3年。キャンプでは日々練習に励みながらも、空き時間で国際通りやアメリカンビレッジを訪れ、沖縄を感じることができたそう。今春の神宮では、沖縄キャンプの成果を存分に発揮してくれることでしょう!
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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