静から動へ 上田桃子-イケイケ復活宣言
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
原点回帰。上田桃子が掲げる最大のテーマだ。自身が、公式競技とともに、「最も大切な大会」と位置付けるホームトーナメントを迎えた。「状態は、まずまずです」といい、苦笑いを浮かべながら、「きょうのプロアマ大会の18番。第2打を池へ入れてしまった。でも、明日からはそれはできません。きょうの一球だけでいい」と戒めている。
今大会は16回目の出場。ジュニア時代から慣れ親しんだ熟知しているコースだ。「今年はグリーンまわりの芝が強くなっている。グリーンはいぜんほど、カタくはない。それから、15番はバンカーが新設された。少しずつイメージが変わっていますよ」。スラスラと熊本空港カントリークラブの今を解説。「プレーする上では、ヤーデージブックがいらないぐらい」と話すホームでもある。
そんな思い出がたくさんつまったコースで、記念すべきツアー初優勝を飾った。2007年のことだ。「最終の18番で第2打をレイアップ。その結果、バーディーをとって初優勝を地元で飾ることができた。レイアップは、私らしくない。不動(裕理)さん、福嶋(晃子)さんなど、強い選手がたくさん・・・。今、考えてみると、どうしてそんな方がいらっしゃるのに勝てる、と思ったのか。飛び込んでいった-そんな表現が当てはまります」と、なつかしそうに振り返った。
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
すでに多くの勝負を経験し、いつしかベテランと呼ばれる存在になった。ただし、デビュー当時から不変なものがある。「負けることは悔しい。反省はもちろんだけど、その後に自分がどういう状況なのかを整理することが必要です。そのためには人と会って、話をする。今回の相手は、(吉田)優利さん」と明かした。
どんな内容だったのかは想像するしかない。とはいえ、表情と口調はまるでルーキーのようにも思えた。「熊本県民へ戻れると感じるようにプレーをします」。火の国の人は、大一番へ奮い立つ。
(青木 政司)
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