早大野球部【連載】春季リーグ戦直前特集『HERO』 第6回 梅村大和

チーム・協会
【早稲田スポーツ新聞会】取材・編集 梶谷里桜

第6回に迎えるのは守備、走塁、打撃と幅広い活躍が期待される梅村大和(教4=東京・早実)。これまでの3年間、東京六大学リーグ戦(リーグ戦)に多く出場したものの、シーズンを通じてスタメンに固定されたことはない。それでもたゆまぬ努力を続けてきた梅村が最後の春季リーグ戦にかける思いとは――。

「自分がやってきたことを信じてやり続ける」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーー浦添キャンプの取材時は雨も多く感覚がつかみにくいというお話をされていましたが、その後のキャンプはどうでしたか

 後半は外でずっと(練習を)できるようになって、試合も何試合かできました。そこで、今まで室内でしかやってなかったところを外でできたことによって、やっぱり自分の今の状態や感覚のずれがわかりました。自分のバッティングの状態や課題についても、 後半外でできてわかった部分はあったので、そこについては、後半はすごくいいキャンプになったなと思いました。

ーー浦添キャンプを通して得た収穫などがあれば教えてください

 一番はやっぱり守備ですかね。普段やらない土のグラウンドでやることで、イレギュラーもするので、よりボールを下から見て、わずかなバウンドの変化にも合わせていかなきゃいけないです。もちろん足も使いますし、横着することができないので。 しっかり丁寧に下から入るというところを沖縄のキャンプでできて、それはこっちに帰ってきてからでもすごく生かされているかなという風に思うので、キャンプでできてよかったかなと思う点です。

ーー打撃での収穫はありましたか

 打撃の方はキャンプ当初からは若干フォームを変えました。本当に少しですが。冬の期間と、いざ実践が始まった時では違いがあるように、練習と実践ではやっぱり若干違いがあります。そこで実践で対応していくためにはどうすべきかというところをキャンプの時からずっと考えてやってきました。そのキャンプでやってきたことは無駄じゃなかった、キャンプでやった土台があるからこそ、今のバッティングができているという風には思っています。

ーーバッティングフォームを変えたきっかけは何ですか

 フォームは別にガラッと変えたわけではなくて、冬の期間の中で、強い球を放ってくるピッチャーと対戦したときに、タイミングの取り方やバットの出方は実践をやってみないとわからない部分がありました。 そこはキャンプ中もそうだったのですが、キャンプ中もキャンプから帰ってきてからも、本当にちょっとずつ、今の自分に合うタイミングの取り方を調整しています。どこかのタイミングでガラって変えたというよりかは、今もどれが1番いいのか探りながらやっています。

ーー春のオープン戦などの試合について個人の成績を振り返っていかがですか

 結果も大事ですが、今はやっぱり内容の方を大事にしています。オープン戦前半の方は、結果としてはヒットが出なかったりしたのですが、ただ、そこであまり考えすぎてもよくないと思っていました。だから修正するところはしっかり修正して、ただ、しっかりスイングをするとか、自分がやってきたことを信じてやり続けるというところは変わらないとは思っています。 その結果、形としてはそんなに悪くないですし、(バットを)振れてはいるので、内容としてはそんなに悪くはない状況です。

ーー内容としては、自分にとって有益なオープン戦になっているということですか

 そうですね。ファーストスイングで振り遅れない、立ち遅れないことは自分の中で大事にしているので、 そこがしっかりできていれば悪くはないという基準が、1つ自分の中にあります。それは今できている状況なので、これからもっと状態は上がっていけるという風に思っています。その点で悪くはないオープン戦なんじゃないかなと思っています。

ーーキャンプでの練習試合やオープン戦では三塁や二塁を守っていらっしゃいます。今季のリーグ戦での守備位置についていかがですか

 基本的にはサードにはなると思うのですが、ただリーグ戦に入ってみてどうなるかはまだわからないです。サードと決まったわけではないので、セカンドを守る可能性もあると思います。でもそこは自分の強みでもあると思っているので、しっかり対応できるようにと思っています。

ーーオープン戦を終えて、今のチームはどんなチームですか

 投手陣に新しい戦力として入ってきたピッチャーがたくさんいて、そういうピッチャーがオープン戦でしっかり抑えてくれているので、 後ろで守っていてもすごく勢いもありますし、頼もしいなと思って見ています。すごくいい勢いのままリーグ戦に入れるのではないかなと思っているのが1つです。あと打撃の方に関しては、みんなしっかり振れている状況ではあると思うので、そこを全員継続して、さらに状態を上げていければいいバランスでリーグ戦に入っていけるのではないかなと思っています。

ーーチームとしての雰囲気について、昨年との違いや今年の特徴はありますか

 今年のチームに関しては、学生コーチや選手を含めて結構会話が多くて、コミュニケーションがたくさん取れていると思うので、そこは強みだと思います。思ったことはしっかり言うし、誰にでも言えることは言うという環境を作ってやっているので、 連携はしっかり取れているのかなと思います。あと、守備側で守っていても選手間での会話や声かけもできているなという風に感じるので、そこはすごくいい感覚だなという風に思っています。

ーー4年生はどんな雰囲気ですか

 今年の4年生はミーティングとかもちょくちょくしています。ミーティングする場を作って、みんなが思っていることをしっかり発言するという機会を設けていて、風通しを良くするっていうところは意識してやっていると思います。そこでしっかりみんなが思っていることを口に出して、それをみんなが理解して、いいものにしていくことを目指しているのでしっかりコミュニケーションは取れていると思います。 4年生は結構みんな仲がいいので、思っていることはしっかり言うし、風通しはいいんじゃないかなと思っています。

ーー梅村選手は上級生として意識していることはありますか

 練習中は特にそうなんですけど、やっぱり4年生が率先して行動していかなきゃいけないと思っています。チームとして、今は練習間の行動を素早くするとか、ダッシュするとか、返事をするとか、 そういうところに関しては練習できっちりやっていこう、妥協せずにやっていこうというように話していて、それは4年生が率先してやっていかないと、下級生がついてこないと思います。だからそこは自分たちが中心となって、そういう姿勢を見せていかないといけないなと思っているので、意識してやっています。

「安心感を与えられるようなプレーを」

【早稲田スポーツ新聞会】

ーーリーグ戦が始まるという実感はありますか

 もう本当にすぐ目の前だなという感じはしています。春のリーグ戦ということに限ったらもう最後になるので、やっぱり悔いを残したくないです。ただ、時間はどんどん迫ってきているので、やり残したことがないようにと思ってやっています。

ーー最後の春季リーグ戦ですが、今までと開幕を迎える気持ちに変化はありますか

 そうですね。4年生となると、やっぱり今までとは違う感覚があるとは思います。ただ、やることは変わらないので、別に変に気負うこともなく、力んだりすることもなく、 しっかり自分が今までやってきたことをやるだけだという風には思っているので、そこは変わらないかなと思っています。

ーー今年のリーグ戦の中でご自身の役割はどのようなものだと考えていますか

 まずは守備だと思っています。自分に飛んできた打球はしっかり全部アウトにすることです。そこでピッチャーにもそうですし、ベンチや見ている皆さんにも安心感を与えられるようにというところがまず一番だと思っています。その中でやっぱり走塁など、塁に出たら次の塁を積極的に狙っていくというところは自分のスタイルだと思っているので、そこをしっかり見せたいなと思っています。

ーー取材で何度かベストナインと目標を掲げていらっしゃると思いますが、今年の春の目標はやはりベストナインでしょうか

 そうですね。やっぱりずっと試合に出続けてベストナインを取ることは目標であるので、そこに関してはしっかり目指してやっていきたいと思っています。

ーー梅村選手にとってベストナインとはどういうものですか

 なんだろう(笑)。難しいですけど、やっぱり理想は全員がベストナインを取ることだと思っています。それができれば優勝できると思っていますし、チームとしてもそこを目指していこうというところはあります。チームの中にベストナインを取る選手がいればいるだけ、やっぱり優勝に近づいていくと思っているので、そういう選手の1人として、個人として目指すところはそこだなという風に思っています。 だから目指してやっていきたいと思っています。

ーーベストナインの獲得にも向けて、具体的な数字の目標などはありますか

 やっぱり打率に関しては、3割5分はしっかり打ちたいなとは思っています。数字を気にしてばかりではあまり良くないとは思うんですけど、しっかり自分のスイングができてきた結果、3割5分を打てるぐらいのバッティングを今作れるようにと思ってやっています。

ーーリーグ戦で対戦してみたい選手はいますか

 やっぱり法政の篠木投手(健太郎、法大4年)だとか、吉鶴投手(翔瑛、法大4年)もそうですけど、 本当に球の速い、いいピッチャーがたくさんいます。その中でも特に篠木投手はまだ対戦したことがないですし、あの速い真っすぐを打ち返したいなという気持ちはあります。

ーー全員がライバルというのはもちろんあると思うのですが、特に意識している大学はありますか

 特にはないですけど、やっぱり慶応には負けたくないです。個人、チームとしてはもちろんそうなんですけど、やっぱり同じポジションの人には負けたくないです。でもそういう風にやっていけば、チームとして結果的に上回れるんじゃないかなとは思っています。

ーー最後のリーグ戦に向けて、意気込みをお願いします

 もう思い切ってやるだけだと思っています。チームが優勝するために自分の役割をしっかりこなして、貢献して、最後の春リーグをしっかり優勝して秋につなげたいなと思っています。

ーーありがとうございました!

【早稲田スポーツ新聞会】

◆梅村大和(うめむら・やまと)
2003(平15)年1月6日生まれ。170センチ。東京・早稲田実業高校出身。教育学部4年。今年の沖縄キャンプではずっと練習をしていたという梅村選手ですが、最終日に4年生の同期と国際通りを観光したことが思い出になったそうです!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント