【サーフィン】一流サーファー大原洋人&沙莉の母、アロマで次世代支援「子と一緒に成長」
海外遠征前に洋人プロ(左)の体をアロマでケアした母由紀さん 【Chiaki Sawada】
一流選手を育て上げた経験を基に、若い世代のサーファーらの心身のケアで役に立ちたいという。
嗅覚分析とマッサージ
アロマオイルの香りを確かめる洋人プロ 【Chiaki Sawada】
AATの認定協会によると、AATには、①筋疲労の回復、②ホルモンバランスなど体内環境の調整、③ストレス、緊張などのメンタルケアを促す効果があり、女子プロサッカーのクラブチームや大学の運動部でも導入されているという。
「3週間前と全然違う」
洋人プロは、8本の小さな容器に入ったアロマの香りを確かめながら、「3週間前とこんなにも違うんだ。前はくっさみたいなのが、今日は全然そう思わない」などとつぶやく。好きな香りから嫌いな香りまでを順番に並べながら、以前との感じ方の違いに驚きを隠せないようだ。
嗅覚分析を基に洋人プロの体の状態について話す由紀さん 【Chiaki Sawada】
マトリクス図を真四角と比較した時、数値が多いか少ないかで、その時の体の状態や、改善につなげるために必要な健康法、運動法、思考、行動などが分かるという。
洋人プロのマトリクス図。特に右下の数値が低い 【由紀さん提供】
「心身の状態によって香りの感じ方が変わるから、分析は2、3週間ごとに見直すのが理想的。同じことをやり過ぎると、逆効果になる場合もあるし、対策は正しくても、朝、昼、晩、寝る前で、それを行う時間帯を間違えたら効果が出ないこともある」(由紀さん)
アロマで心も癒すマッサージを
嗅覚分析後にアロマオイルを選定する 【Chiaki Sawada】
由紀さんは「アロマを使うことで、普通のマッサージよりもリフレッシュやリラックスの作用があるはず。マッサージはプロがいっぱいいるから、その人にぴったりの香りを選ぶことで、体をすっきりさせるとか、精神にもより訴える効果があると思ってる」と話す。
「親になって初めて分かった」
マッサージ中は親子の会話も弾む 【Chiaki Sawada】
肩甲骨をほぐされながら、洋人プロが子供の頃を振り返る。
「娘ができてから分かることがある。自分の親みたいに10年間を子供のためにしか使わないとか、できるかなって。どこ行きたい、何やりたいとかあったはずだけど、毎日毎日、自分が海に入るのに付き合ってくれた。小学校の時から全部やってくれた。簡単なことじゃないなって」
親になった洋人プロは、いま、サーフィンを頑張るキッズと親の関係について、疑問に思うこともあるという。「海で、親が『なんでできないんだ』って怒ってて、子供が委縮してる。サーフィンを楽しんでいるように見えない。それでうまくなるのかなって。子供の意見を尊重してあげないといけない。ぼくは低学年のころからCT選手になりたかった。日本で育ったCT選手はいない。そのために、親が海外に行かせてくれて、コーチをつけてくれて、必死にやってくれた」
トップサーファーを育てる秘訣
いつも笑顔を絶やさない由紀さん 【Chiaki Sawada】
「自分たちも一緒になって勉強して成長したってことかなあ」
洋人プロの父剛さん(50)は、Youtubeもない時代、サーフィンのビデオやDVDを買い集め、擦り切れるぐらい見て、洋人プロにアドバイスした。由紀さんは洋人プロのライディング映像を撮り続けたという。
「洋人はプロサーファーの子じゃないから、ツテもなくて、冬に暖かい海外に練習に行くとかできなかった。代わりに寒い日本の海に入って『ライバルはいまごろ、トランクスで1日中、海入ってるんだぞ。夏にどれだけうまくなったか披露するんだろ』って鼓舞してた。どんないい成績を残しても、上には上がいるから褒めなかった」
「できなかったことを今の子たちに」
子供とともに成長する親の姿勢がトップサーファーを育てた 【Chiaki Sawada】
「この人(洋人)が子供のころにできなかったことを、今の子たちにしてあげたい。昔は根性論が主流だったから。サーフィンでも、どんなスポーツでも、筋肉疲労を改善したり、試合前でもマッサージを受けてくれたら落ち着きを与えられるかもしれない。そういう手助けをしてあげられたら。ちょっとでも私の経験を教えてあげられたら」
由紀さんが子供とともに走り続ける姿勢は今も変わらない。
アロママッサージの問い合わせは「aroma Mohara」のインスタグラムかLINE公式アカウントへ。
(沢田千秋)
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ