【週刊グランドスラム245】日産自動車九州が活動再開後初の公式戦に出場
創部2年目の1987年に入社し、15年間プレー。苅田ビクトリーズでは、コーチを経て2015年から監督を務めた。引き続き、日産自動車九州でも指揮を執る。
新人11名を加えた計30名で企業チームとして再出発したが、苅田ビクトリーズからの流れも尊重し、日産自動車以外の関連・協力企業所属の選手を含めた『広域複合企業チーム』として活動する。各社の理解により、2月末からは2週間の強化合宿を行なった。その後は午前勤務、午後から練習に励む日々を送る。オープン戦を重ね、3月25日に初めての公式戦となる福岡県野球連盟会長杯に臨んだ。
大会規定により7回制のため、延長となる8回からはタイブレークに。表のKMGホールディングスは、三塁打とスクイズで3点を挙げた。追いつきたい日産自動車九州は、合田有希の右前安打で2点を返す。なおも無死一塁とチャンスは続くが、送りバントが決まらない。ベンチからは「つなごう、つなごう」という声。しかし、あと1本が出ずに4対5で敗れた。植山監督はこう振り返る。
「6回裏に1点は返しましたが、続く一死三塁から追いつけなかった。7回に勝ち越せず、8回にはバントを失敗。ミスが続けば勝てません。守備では併殺を取るなどいいプレーもありましたが、勝てた試合を落としました」
「勢いに乗って、一気に逆転したかったのですが……。ベンチがヒットを打たせるような雰囲気、声が足りなかった。一丸となって勝ち切る思いを前面に出せれば、もっといけたはずです。日頃から実戦を想定した練習ができていたのか、など反省点も多い。勝たなければ意味がありません」
公式戦初白星はお預けとなったが、日産スターグラウンドには、平日にもかかわらず足を運んで声援を送る人々の姿があった。久しぶりに『NISSAN』と記されたユニフォームに袖を通した植山監督は、「試合中に『日産自動車九州の攻撃は』というアナウンスを聞くと、戻ってきたなと感じました」と感慨深げに語る。目指すのは、2004年以来の都市対抗出場だ。4月27日から始まる都市対抗福岡県一次予選へ向け、気力を奮い立たせる。
【取材・文=古江美奈子】
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