【コラム】第2回:アメリカ各州でスポーツベッティングの合法化が進んでいる経緯

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【© スポーツエコシステム推進協議会】

アメリカ各州でスポーツベッティングの合法化が進んでいる経緯

スポーツエコシステム推進協議会(C-SEP)が、アスリートとアスリートを取り巻く全てのステークホルダーに知っていてほしい情報を発信していく本連載、第2回は、アメリカ各州でスポーツベッティングの合法化が進んでいる経緯について取り上げます。

近年、アメリカを含む世界ではスポーツベッティングの合法化が進んでおり、直近では、ブラジルにおいて2023年12月に法律が制定され、スポーツベッティングが合法化されるに至っています。
もっとも、4大プロスポーツを擁する世界最大市場のアメリカは少々他の国とは合法化に至った経緯が異なります。

実は1992年にスポーツ賭博を禁止する連邦法が制定されているのですが、この法律が合衆国憲法に違反しているとする判決を、2018年にアメリカ連邦最高裁判所が下しています。
つまり、連邦議会で可決されて誕生した法律を、26年後に最高裁は憲法違反だと断じたのです。

読者の皆さんはアメリカは日本と違い、州によって法律が違う、という話を耳にしたことがありませんか。アメリカは州の権限が強大で、必ずしも連邦法に従う必要はないのです。
スポーツベッティングに関しても、最高裁は、これを禁止する連邦法を違憲無効とした上で、合法化するかどうかを各州の裁判所の判断に委ねました。
この結果、現在は38州とワシントンDCで合法化され、今も違法とされているのはカリフォルニア州など12の州です。
アメリカでは昔からスポーツベッティングは違法とされていて、1992年に制定された連邦法は、それを明確化したにすぎません。それを覆した立役者のひとりは、NBAのコミッショナーであるアダム・シルバー氏です。
2014年にシルバーはニューヨークタイムズに論文を寄稿しているのですが、その論文の内容は、簡潔に言うと、既に4,000億ドル規模の違法市場が出来上がってしまっている。それなら合法化してルールを整備し、しかるべき組織がちゃんと監視したほうが健全になる、というものです。

次回は、アメリカ各州でスポーツベッティングの合法化が進んでいる中で起きていることについて取り上げたいと思います。

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