【J1雑感】サガン鳥栖vsセレッソ大阪【2024 第4節】

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チーム・協会
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【TanaLife】

Attack Momentum by Sofascore(https://www.sofascore.com/sagan-tosu-cerezo-osaka/QmbseNi#id:12004741,tab:details) 【TanaLife】

次節の対戦相手である鳥栖観察シリーズ。とりあえず最終回の相手は評判が良いセレッソ。こちらも注目しておきたいチームであるが、我が軍との対戦はもう少し先の話。今回のメインは鳥栖。前節とのスタメンの違いは鳥栖が富樫敬真、横山歩夢。セレッソはレオ・セアラが戻っている。

鳥栖のボール保持で始まる立ち位置の駆け引きが面白い。鳥栖は4-2でのビルドアップがベースと思われるが、左右非対称3-2-4-1や4-3-3への移り変わりでセレッソのファーストディフェンスを攪乱しようとしていた。セレッソは4-4-2ベースの前プレで対峙したい風に見えたけど、鳥栖の流動性に対して守備の基準点が定まらないため4-1-4-1/4-5-1で牽制したり構える形が多かった。セレッソのセーフティ寄りの守り方に隙を見出すのが難しそうな鳥栖は、ロングボールやセットプレーを使い、即時奪回を絡めながら立ち上がりからボールを握る展開となる。

セレッソはファーストディフェンスで、相手のセンバからセンターハーフのパスコースを遮断する振る舞いを行っていないように見えた。出させて狙う、もしくは出たらプレッシャーをかけてサイドに誘導して配置を代えながらユニット同士の攻防を仕掛ける。そういう意図だと鳥栖はロングボールを織り交ぜてくるため、セレッソとしては自陣で跳ね返して、如何にセカンドボール回収や、ポジトラまたは自陣ビルドアップで相手のプレスを回避できるかがポイントに思える。我が軍ならばまず遮断ありきで守るのだろうけど、こういうやり方で勝負するのかと感心する。

前半の試合の流れを変えたのは、キム・ジンヒョンをビルドアップのキャンセルに利用したことだった。そこから高精度のロングフィードが通って速攻に転じて決定機を作り出したり、3-2-5のビルドアップ→縦パスからセカンドボールまたはゲーゲンプレスからの回収ができる場面が現れる。その状況でセレッソがボール非保持でも主導権を握ろうと攻撃的プレッシングを仕掛けると、朴一圭がビルドアップ参加し始めた。本当の戦いはこれからだ感。

頭脳戦の様相になると鳥栖は地上戦を選択しがちになるのか?30分辺りには中盤をすっ飛ばすボールを織り交ぜる柔軟さは無くなっていた。セレッソの3-2-5定位置攻撃を受けるのに5バック化することが増える。受けたときの富樫の根性プレスバックや、横山や長沼洋一のカウンターをきっかけに巻き返す展開もあったが、鳥栖のネタ切れ感は否めなかった。

後半に入り、セレッソは香川真司に代えてヴィトール・ブエノを投入。この交代が的確過ぎた。前線のフリーマンとなるブエノが鳥栖の守備にバグを発生させる。セレッソはブエノ以外つまり2-2のビルドアップユニットと、5枚のアタックユニットで鳥栖を押し込むことができるようになる。自陣ブロックでの強度が不足する鳥栖はセレッソの攻撃を跳ね返しきれない。そこにこぼれ球を拾ったフリーのブエノによるスーパーなドライブシュートが決まった。必然だけどやるせなさ過ぎる。

セレッソのファーストディフェンスである4-4-2/4-1-3-2/4-1-4-1の切り替わりは終始良くできていた。そして途中出場の外国籍選手が組み込まれても安定していた。63分に両ウイングを交代して仕掛ける相手ゴールキックからのプレッシングはインプレーになった時点で既にハメた状態だった。ショートカウンターに対してボールウォッチャーとなり足が止まる鳥栖。ブエノのスルーパスにラインコントロールの判断エラーが生じ、柴山昌也が追加点を決めた。

セレッソ、ボール保持より非保持の方がエグい気がする。小菊昭雄監督とスタッフによるチームビルディングすごいのではないだろうか。J1順位予想のときに話を聞いた限りでは小菊さんちょっと微妙な評価だったのだけど、全くそんな感じはしない。このチーム普通に強い。と言ったところで試合は86分に柴山が退場するけど、セレッソがこのまま逃げ切った。

所感

鳥栖の流動的なビルドアップが効果的だった立ち上がりだったけど、適応したら盤石な強さを見せたセレッソおそるべし。鳥栖のここまでの成績は1勝3敗と苦労しているけど、敗れたチームはいずれもJ1屈指のポテンシャルを持つチームで、いまいち鳥栖がどれくらいの立場にいるのかは分からなかった。強いとも思うし脆いとも思う。

我が軍との対戦では鳥栖のボール保持の強みが活きる試合になる予感はするけど、自陣ブロック守備の脆さを我が軍は間違いなく突いていくだろう。どんな試合になるのか、鳥栖にどこまでさせないか、初対決が楽しみです。

試合結果

明治安田J1リーグ 第4節
2024年3月16日(土)15:05KO 駅前不動産スタジアム
サガン鳥栖 0-2 セレッソ大阪
48'ヴィトール ブエノ
64'柴山 昌也

晴 / 19.8℃ / 20%
主審 今村 義朗 副審 船橋 昭次、西村 幹也
第4の審判員 塩津 祐介
VAR 榎本 一慶 AVAR 中井 敏博

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