第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.11!CyberAgent Legit がチャンピオンシップ進出確定のスウィープ勝利!RAISERZ、8ROCKSもスウィープ勝利。MVDはYU-KI。残り枠をかけた戦いはさらに熾烈に!
KOSÉ 8ROCKS 【D.LEAGUE】
1st Match : FULLCAST RAISERZ VS DYM MESSENGERS(6-0)
2nd Match : SEPTENI RAPTURES VS KADOKAWA DREAMS(2-4)
3rd Match : Medical Concierge I'moon VS LIFULL ALT-RHYTHM(2-4)
4th Match : CyberAgent Legit VS dip BATTLES(6-0)
5th Match : Valuence INFINITIES VS avex ROYALBRATS(5-1)
6th Match : Benefit one MONOLIZ VS KOSÉ 8ROCKS(0-6)
CS進出確定!LegitのHarder, Better, Faster, Stronger
Valuence INFINITIESはシンクロ率の高さを武器とするaRBに対し、自分たちの弱点である揃える力をパワーアップするためにSPダンサーMAiKAを召喚。RUSHBALLとして世界規模で活躍する、男勝りなパワーと繊細な揺らぎを両立できる稀有なダンサーだ。
コンタクトインプロビゼーションで始まり、MAiKAのソロ以外ほぼユニゾンやルーティーンで揃えるという構成だ。前半で照明と揃えを重視した空間作り、後半でシルエットや遊びで個性を出しながらも空間を膨らませていくINFINITIESらしさもしっかり出し、新しい渋さを感じさせるショーであった。
Valuence INFINITIES 【D.LEAGUE】
ダンスの活動量を例えるなら100m走の全力疾走状態をショーの時間中ずっと続けている、というとわかりやすいだろうか。それを6連続で踊るというハードな練習の話を聞いた他のチームからは驚きの声が上がった。
そして今シーズン負け知らず、勝率80%という脅威の記録を更新し続けるCyberAgent Legit。今回の作品は1chがディレクションに手を挙げたという。
「大きな魚(FISH BOY)を釣り上げます」と挑発するdip BATTLESに対して、無我夢中で踊り、汗が蒸発するほどの情熱を表現するというLegit。
情熱を表現するストーリー作品かと思いきや、フューチャーベースに合わせて無機質なダンスを展開する。時折表情を変えるこだわりは、解釈しがいがあり要注目だ。
KANATO、BBOY SHOSEIのソロからダンサーズハイを感じさせるような1chのKRUMPソロ。ファットな音どりとメカニカルな振り付け、緻密なバイブレーションや多彩な音どり。
CyberAgent Legit 【D.LEAGUE】
本ラウンド直前にSNSでスウィープ勝利すればCS進出確定と投稿され意識したメンバーもいただろう。過剰な緊張も過剰なリラックスも音どりをミリ秒単位でずらすことがある。しかし、しっかりとメンタルコントロールをして見事に実力を出し切っての勝利となった。
ダンス表現という正解がいくつもある世界で、より早く、より良いものを並行して作り続ける環境は過酷だ。CSは短いスパンで3作品を用意せねばならず、早期に進出したことで他のチームより有利に準備を進めることができる。昨シーズンは果たせなかった優勝を今年は実現できるか、熱いドラマが続いていく。
絆の力、応援の力
楽曲は自分たちで用意しKILLA TWIGGZとSoulja Twiggzがラップを担当。それぞれのソロ、ハットトリック、大ジャンプ。説明不要の爆発力のオンパレードに、サイドフロートなど繊細な技もしっかり埋め込まれている。開幕1戦目にも関わらず横一列に並んでのラッシュで、これぞRAISERZと言わんばかりに客席のボルテージをあげていく。最後は絆を象徴するように拳を突き上げ、FAMとともに自分たちの原点にカム”バック”した姿を見せた。
KRUMPの文化では「FAM」という血のつながりを超えた絆を大事にしている。詳細な解説はKOB ent.のサイトなどを参考にしてほしいが、KRUMPを日本での一時のムーブメントで終わらせず、多くのストリートダンスに エレメントとして取り込ませ、今なお進化させ続けているRAISERZ。新体制となり、少数精鋭かつメンバーそれぞれ役割を持ち、しっかりと潜在能力を伸ばすために蒔いてきた種が、後半戦で開花してきた。
FULLCAST RAISERZ 【D.LEAGUE】
ランキングのメタファーか、階段状になったオブジェクトに対して佇むMiYUから始まり、いつものスピード感に加え太い音どりとテクニカルなルーティンで魅せていく。雄叫び、リスキーなコンビネーションとアクロバット、ノンビートのシーンではMiYUが照明の中をゆっくり歩きアニメーションのようなスローアンドクイックでKDの得意な空間演出を完全にオマージュし、さらに頭一つ抜き出ようとする真っ向勝負だ。
今シーズン培ったフィジカルをしっかり見せつけながら、山場をさらに2ヶ所用意し、10分くらいの作品を見ているのかと錯覚してしまうほどの高い密度で、余韻まで含め高いポイントが期待できる構成力だ。
SEPTENI RAPTURES 【D.LEAGUE】
冒頭の10秒以上を贅沢に、行進だけに使うという構成で、世界観をしっかりと伝えてくる。衣装の編笠は、首の動きが効果的に見える分、頭のぶれが目立ってしまうリスクを背負う。首の動きのオンオフまでしっかり神経を使い、ボディコントロールとアイデア勝負が得意なRAPTURESを意識して、さらに頭一つ抜き出ようとする真っ向勝負だ。
クイックなルーティーン、4人での同時ロンダートバク宙、4連続バク転からフリーズと三点倒立、エアウォークと高難易度な技を魅せていく。
コンセプトの強いダンスは最後まで貫けるかが大きな採点要素となるが、最後のラッシュではしっかりと笛を和太鼓のばちとして使い、鈴の音でのスローモーションで余韻までみせきった。
KADOKAWA DREAMS 【D.LEAGUE】
リスクを越えてKOSÉ 8ROCKS初のスウィープ勝利へ
ブレイキンをコアにする8ROCKSは常に両方のリスクに晒されながら、乗り越えてきた。アクロバットやパワームーブなど、集中力が切れると怪我のリスクが高まるため、練習の時も集中する時間とそうでない時間と、メリハリをつけているという。
今回はMONOLIZを相手に、メインディレクションをSHUVANが担当、SPダンサーに九州男児新鮮組からSO-TAを迎え「花火」をテーマにストレートなブレイキンを見せた。
打ち上げ花火の音に合わせ始まったショーは、職人顔のメンバーが華やかにパワームーブ、アクロバット、組み技を次々と繰り広げる。膝の赤いラインがアクセントとなり、見事に火花を表現し会場からは何度も感嘆の声が上がる。
九州男児ルーティーンと呼ばれる振り回し技も、SO-TAの登場で安定感を持って成功させた。着地位置に合わせて土台役が移動するなど細かな調整が行われていた。本人たちの解説動画もあるため、どれだけリスキーかをぜひ確かめてほしい。
KOSÉ 8ROCKS 【D.LEAGUE】
また、今回I'moonに勝利したALT-RHYTHMも、確認しただけでも4パターンのリフトや抱え技をショーに盛り込みながら、全く負担があることを感じさせないハッピーな作品を展開した。人を抱え上げるリフトはかなり筋力を使うため、アクロバットとはまた違う故障のリスクが伴う。
LIFULL ALT-RHYTHM 【D.LEAGUE】
LegitがCSに進出し、CS進出は残り5枠となった。上位チームはさらにレギュラーシーズン優勝を巡って、リスクと完成度の高い作品を用意するチームが増えてくると予想される。
残り3試合、そしてCSや来シーズン以降も踊り続けられるよう、大きな怪我がないことを祈りながら応援し続けよう。
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