【ラグビー/NTTリーグワン】近鉄一筋の鉄人が、勇ましく体を張り、 チームに初勝利をもたらす<花園近鉄ライナーズ>

花園近鉄ライナーズ 松岡勇選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

前節、三重ホンダヒートに1点差で敗れ、最下位に転落。ディビジョン1で唯一の未勝利という苦しい状況にある花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が3月24日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場でコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)に挑む。

「エナジーをくれる選手」と向井昭吾ヘッドコーチが絶大な信頼を置くチーム最年長の39歳、松岡勇が今季3度目のスタメンに名を連ねた。大阪体育大学を卒業後、2007年に近鉄ライナーズ(当時)に加入。それ以来、”近鉄一筋”のラグビー人生を送ってきた松岡は190㎝、107㎏の巨躯を生かしたプレーが持ち味だ。

後半、一時逆転に成功した第8節・東芝ブレイブルーパス東京戦でも鋭いタックルでチームを勢い付けた松岡だが、過去二度の昇格を含め、花園Lの浮き沈みを長いキャリアで経験してきた。そんな松岡の価値を語るのは現役時代ともにピッチに立ち、現在は花園Lで普及活動を担当し、今季からデベロップメントコーチも務める元日本代表のタウファ統悦さんである。

「ベテランですけど、あの人は僕と一緒にプレーしたときもひたむきにやるタイプでした。花園Lに必要な選手です」。

ツボにハマった際のアタックの鋭さは花園Lの強みだが、松岡は神戸S戦のカギをこう話す。

「一つひとつのコリジョンでコンタクトバトルに勝つこと。そこをまずベースとして出さないといけませんし、まずはフォワード陣のバトルで僕たちが勝ちたい」。

元スコットランド代表のベン・トゥーリスも負傷が癒え、第2節以来の戦線復帰。フォワードの陣容も本来の姿に戻りつつある花園Lだが、松岡はその姿勢でチームにメッセージを送るつもりでいる。

昨季、入替戦を除けば、花園Lが唯一勝利を手にした相手が神戸Sだった。この試合では昨季限りで引退した、当時35歳の樫本敦さんが勝利につながる劇的なトライをゲットした。

ただ、39歳の鉄人は自らにスポットライトが当たることを望もうとしない。

「僕がボールを持って、バンバン前に出るのは難しいところもありますけど、ディフェンスでタックルをし続けることはできる。僕は一番年上ですけど、『あのオッサンがやっているのなら』と思ってくれるチームメートがいるのなら、体を張るところを見せるべきですからね」

名は体を表す。松岡勇というラガーマンは“勇ましく”体を張り、そして未勝利のチームに“勇気”を与えてくれるはずだ。

(下薗昌記)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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