【ノルディックコンバインド】ノルディックスキーの聖地ホルメンコーレン大会 葛西春香選手は無念の転倒に「もったいないことをしてしまった」

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【ノルディックコンバインド】ノルディックスキーの聖地ホルメンコーレン大会 葛西春香選手は無念の転倒に「もったいないことをしてしまった」

 ノルディックコンバインドのFISワールドカップは3月7日からオスロで女子個人戦1試合、男子個人戦2試合が開催されました。

1か月ぶりのワールドカップとなった女子の個人第14戦は7日にジャンプ、9日に5kmレースの変則日程で行われ、葛西春香選手(早稲田大学)はジャンプで4位につけたもののクロスカントリーで転倒のアクシデントに見舞われ7位。葛西優奈選手(早稲田大学)はレースで2つ順位を上げて9位、中村安寿選手(株式会社ショウワ)は5人を抜いて12位でした。
今季個人戦は残すところ男女とも17日の最終戦(ノルウェー・トロンヘイム)のみとなり、女子ではオスロでシーズン8勝目を挙げたイダマリエ・ハーゲン選手(ノルウェー)が初の総合優勝を決めました。春香選手は総合3位に惜しくも届きませんでしたが、自己最高となる総合5位以内を確定させています。
葛西春香(7位)
「4位争いをしていたけれど2周目で思いっきりクラッシュしてしまった。一番勢いがつくところで転び、6位の選手にも抜かされてしまった。最後も頑張ったけれど追いつけなくてちょっと悔しい。もったいないことをしてしまった。ジャンプは納得のいくものではなく、もう少し飛べたかな。いい感じで走れていると思ったけれど、転んだのが大きく響いた。いい勉強だと思って次につなげたい。オスロに残って練習するので、今のいい感覚を持ち続けたまま最終戦で表彰台に上がれるように」
葛西優奈(9位)
「ジャンプは練習が良かったので少し悔いはあるけれど、後半で順位が上げられたので良かった。前に速い選手が多くいたので、2周目で落ちてくる人を抜かそうと思ったけれど1周目から追い抜いていけたので、内容は悪くなかった。シーズン前半は苦しかったが、後半は状態を上げられたので自信につながった。総合10位以内でシーズンを終われるようにしたい」
中村安寿(12位)
「モチベーションが上がらず逃げ出したくなるくらいの中で、100%を目指してやってみてもやっぱりダメだったので、昨日より1%でも成長できればいいと思い、順位はあまり気にせずに粘り強さを生かせればいいなと思って走った。途中で抜かれて自分の力ではダメかなとも思ったけど、今季初めてラストスパートをかけられたので少し成長できたかな。昨季は最後の試合で調子が上がって表彰台に立てた。絶対に(表彰台は)無理と思うこともあるけど、巻き返してやるというパワーも持っている」
男子の個人第19、20戦には、渡部暁斗選手(北野建設SC)と、山本涼太選手(長野日野自動車SC)、弟の侑弥選手(早稲田大学)のお母さんも駆けつけ、渡部家、山本家と同じ兄弟選手である地元ノルウェーのオフテブロ選手の家族らと観戦。
観光スポットとしても人気のノルディックスキーの聖地ホルメンコーレンは、目まぐるしく変わる風で大荒れになることも珍しくないジャンプ台。運も試される中、日本チームは当たりを引けず。さらに1日目の後半レースはスキーのワックステストを行った日とは全く違う天候になったこともあり、全員が順位を上げた前週のラハティ大会のようにはいかず、ハードな試合となりました。

男子の結果と2戦目後のコメントは以下の通り。
渡部暁斗(第19戦:30位、第20戦:17位)
「集団を引っ張るのは僕しかいなかったので、いい練習だと思って自分のペースでどれくらい走れるかを確認しながら走っていた。走りは結構良かったんじゃないかなと思う。スキーも昨日よりはるかに滑っていい感じで走れました。去年だったら前に出ることすらできなかったので、前を引っ張れたのは夏場の練習を少し変えた成果が出てきているのかなと思う。今シーズンの反省を生かして来年の夏うまく取り込めれば、またトップレベルの走りに戻ってこられるんじゃないかと思いながらやっている。トロンヘイムは気持ちのいいジャンプと気持ちのいい走りをして、気分よくシーズンを締めくくりたい」
山本涼太(第19戦:22位、第20戦:25位)
「途中で集団から離れたのが良くなかった。ぐしゃぐしゃでぬかるむ雪があまり得意ではなく、力を使いすぎてしまう。他の選手が一歩進むのに50%の力だとしたら、僕は100%ぐらいの力で踏み込んでいる。(体が)小さい分、余計に動かさなければいけないという気になってしまった。課題が見つかったのでこれを生かせればいい。10人ちょっと抜かれたけれど、それなりの順位でゴールできているのは去年に比べたら成長なのかな。ただ、成長が小さいですね。来週は、まずは気持ちのいいジャンプしたい。そろそろ(緑のバーチャル)線のないところを飛びたい。食らいついて最後まで粘れるよう、一番いい状態に持っていけるようにベストを尽くしたい」
木村幸大(中央大学/第19戦:51位、第20戦:46位)
「今季ずっとジャンプで悩んでいて、試合しか直すチャンスがないので思い切ってチャレンジしているけど、今日は上手くいかず失敗につながった。やったことが失敗だと分かったので引き出しからは捨てて、トロンヘイムではまた違うことをできたら。試合続きで練習ができず、試技と本番で試すしかない中で失敗してもいいという気持ちで思い切ってやっていても、失敗するとガクッとくる。ここを変えないと目標のトップ争いに行けないので、我慢してやらないと。(来季の出場枠獲得に)最終戦で30番くらいに入れればいいんですけど…。神頼みもしつつ思い切ってやる」

山本侑弥(第19戦:45位、第20戦:45位)
「最初にいた集団についていければよかったけれど、ガイガーとヘロラがいて厳しかった。もちろん体つきもあるが、2人ともスキーがそんなに上手くなくても速く走れる。体力が全然違う感じがする。単独走でそこまで落ちずに走れたのは成果だと思う。ジャンプは手応えがあっていいところを見せられたかなと思うけど、今季はクロカンが良くない。最終戦はジャンプを気持ちよく飛べるように。全力で走ることは変わらないので、ジャンプでK点を超えたい」

今季最後となるトロンヘイム大会(3月16、17日)は、男女各2選手で組む混合団体と個人戦が行われます。

ホルメンコーレンのジャンプ台と山本侑弥選手 【【全日本スキー連盟ノルディックコンバインドチーム】】

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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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