【ラグビー/NTTリーグワン】「勝負の神様は細部に宿る」。 九州KVが取り組む細部へのこだわり<九州電力キューデンヴォルテクス>

九州電力キューデンヴォルテクス 松下彰吾選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)は3月10日(日)、日本製鉄釜石シーウェイブスとのビジターゲームに臨む。『東日本大震災復興祈念試合』として開催される一戦で今季2勝目を目指す。

「勝負の神様は細部に宿る」

これはサッカー日本代表監督を務めたことのある岡田武史さんの言葉だ。前々節は4点差、前節は5点差と、勝利まで“あとわずか”を突き付けられている九州KVはまさにその細部に向き合っている。

「前半戦と後半戦を比べたときにスコアが物語っている」

そう話すのはベテランの松下彰吾だ。前半戦は大量失点が目立った九州KVだが、後半戦は目に見えて失点数が減少している。松下はその要因について「前半戦は自分たちのやりたいラグビーに到達していなかった。でも、ずっとディテールにこだわってやってきた成果がいま、試合に出ている」と明かす。

細部にこだわって取り組んできたからこそ、勝利まで“あとわずか”の状況で改善について、さらに細部へと目が向くようになっていると松下は言う。

「確かに惜しい試合が続いていますが、その“ちょっとの差”が大きいんだろうなと思います。ただ、『立ち位置はそれで良かったのか?』『サポートのコースはそれで良かったのか?』など、自分たちの理想とするプレーができているのかどうか。その一つひとつを見るという観点で考えられるようになっている」

松下自身は前半戦、メンバー入りが一度もなく、第6節にしてようやく初出場。ただ、シーズンが始まったときから続けてきたことがある。それは練習のセッションの合間の声掛けだ。「ジョグで動こう!」、「ダラダラしないよ!」。そんな声掛けで練習の空気を引き締めてきた。

「みんなに声を掛けてダラダラせずにやっていく。それは試合に出ている、出ていないに関係なく、自分の役割だと勝手に思っています。練習で緩んだ空気が出るとそのあとの練習が締まらなくなる。それがイヤなので、意識はしています」

細部に目を向けて取り組んできた松下の存在はチームの成長と無関係ではない。細部にこだわり続けている九州KVにきっと勝利の神様が宿るはずだ。

(杉山文宣)
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