差し馬が2連勝中の短距離重賞の狙いは上がり3ハロン/佐賀・九州クラウンデータ分析
3月10日佐賀8レース 18時15分発走予定
佐賀競馬で主流のダート1400mでの重賞。厳密には「3歳以上」という出走条件だが、3歳3月で古馬と対戦する馬はおらず、実質的には古馬による短距離重賞との認識でいい。根岸ステークスなど重賞5勝をJRA時代に挙げたテイエムサウスダンが佐賀移籍2戦目を迎え、例年以上に注目を集める。
当レースはまだ3年目とあって、ここでは過去2回のデータに加え、同舞台の「佐賀ダート1400m」の過去3年のデータも参考に分析を行う。
4番人気以内で決着
過去2回とも差し馬2勝
他の小回りよりも差しが届きやすいコース
注目は38秒9より速い末脚!3着内率50%超をマーク
枠による極端な有利不利はなし
石川倭騎手(北海道)が佐賀を熟知
なお、下表は九州クラウンに騎乗予定の騎手のみを抽出した。
有利なローテーションは?
前者は11月下旬~12月に行われる重賞で、今回と同舞台。過去2回で4頭が出走し、1勝、2着1回、4着以下2回で、4着以下のうち22年ミスカゴシマはハナ差4着と馬券圏内まであと一歩だった。
後者は「A1・A2」もしくは「A1」表記の1400m以下のレースを1カ月以内に勝った馬。過去2年で5頭おり、2勝、2着1回、3着1回。唯一馬券圏外となったのは先にも登場したハナ差4着のミスカゴシマだった。
なお、「1カ月以内」との期限付きだが、開催曜日の関係上、前後1日も含んでデータを作成した。
データからの推奨馬は?
② 逃げ・先行馬
③ ウインターチャンピオン3着以内
④ A1・A2(1400m以下)で勝利(1カ月以内)
⑤ 差し馬なら、近走で上がり3ハロン38秒9以下の末脚を使えている馬
⑥ 山口勲騎手、飛田愛斗騎手、石川倭騎手(北海道)だとなおよし
リーチは2歳時に川崎・鎌倉記念を制するなど門別で活躍した馬。佐賀移籍後2連勝ののち、前走は姫路に遠征して兵庫ウインターカップで2着だった。鋭い差し脚が武器で、佐賀での2戦は37秒台の末脚を繰り出した。直近3戦と同じく石川倭騎手(北海道)が騎乗で、①⑤⑥に当てはまる
ジョンソンテソーロは佐賀移籍後7戦6勝、2着1回とほぼパーフェクトな成績。唯一2着に敗れたのは重賞・ウインターチャンピオンという点からも、佐賀短距離界でトップクラスだ。山口勲騎手騎乗で、①②③④⑥に該当。
馬券的に取捨を悩むのは、JRA時代に重賞5勝を挙げたテイエムサウスダンだろう。佐賀移籍初戦の前走は姫路・兵庫ウインターカップに遠征して6着。平山宏秀調教師によると、余裕残しの仕上げだったとのことで、ひと叩きされて実績馬がどこまで調子を上げているか。①に該当で、騎乗する落合玄太騎手(北海道)は佐賀初騎乗となる。
④からは同舞台の前走を勝ったアイリッシュセンス。近走では37秒台の末脚も3走続けて使えており、⑤にも当てはまる。
また、ダイリンウルフも37~38秒台の末脚を安定して使えており、⑤で、井上幹太騎手(兵庫)は佐賀で20年に2鞍の騎乗があり、2着1回。
一方で、有力が差しタイプなことから、逃げ粘りを期待するならロトヴィグラスか。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日や週末は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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