【JMCシリーズ】大阪マラソン展望 ~MGCファイナルチャレンジ男子第2戦~ パリ五輪・東京世界陸上 日本代表をめぐる見逃せない闘い
【フォート・キシモト】
2月25日(日)に行われる「大阪マラソン2024」も男子のMGCファイナルチャレンジ大会のひとつ。男子のパリ五輪マラソン日本代表は、昨年10月に行われたMGCで小山直城(Honda)と赤﨑暁(九電工)の2名が内定。代表枠の残り1つは、指定するMGCファイナルチャレンジ大会(男子は福岡国際マラソン2023、大阪マラソン2024、東京マラソン2024)で設定記録(男子)2時間5分50秒を突破して、なおかつ突破した選手のなかで最上位の記録を持つことが条件となる。該当する選手がいない場合は、MGCで3位に入った大迫傑(Nike)がパリ五輪の男子マラソン日本代表に内定する。
昨年12月に最初のMGCファイナルチャレンジとして開催された福岡国際マラソンでは、設定記録の突破者はいなかった。この大阪マラソン2024では、2時間5分50秒の壁を突破する選手が現れるか!?
熾烈なパリ五輪代表争い! 土方、髙久、大塚ら2時間6分台
パリ五輪代表選考レースという視点で見ると、男子招待選手で2時間6分台の自己記録を持つ選手が中心になってくるだろう。
もっとも速い自己記録を持つのが、21年びわ湖毎日マラソンで2時間6分26秒(日本歴代7位)をマークした土方英和(旭化成)だ。國學院大時代は4年連続で箱根駅伝に出走し、主将となった4年時はエース区間の2区で区間8位、総合成績は大学史上最高順位の3位と好成績を収めた。また同4年時は出雲駅伝でもアンカーを務め、トップと37秒差の4位から同校初優勝となる逆転Vテープを切った。大学卒業後、22年から旭化成に所属。今年1月の大阪ハーフマラソンで2年ぶりに1時間1分台をマークしており、2時間5分50秒突破への手応えとなっているか。
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JMCシリーズⅢも終盤戦! ランキング上位を狙う選手たち
男子はJMCシリーズで最高ランクとなるグレードS(GS)大会に指定されるため、JMCランキングという視点でも注目の大会だ。
今大会は、JMCシリーズⅢとⅣにまたがる第3期(23年4月~24年3月)内のレースとなり、シリーズⅢ男子は大阪マラソンと東京マラソンの2レースを残すのみ。シリーズⅢは男女1位から8位まで、総額3,000万円の賞金が授与されることになっており、チャンピオンには、3月25日(月)に開催する「JMCシリーズアワード」で賞金660万円が授与される。
最新の男子ランキングを見ると、昨年10月のMGCを制し、パリ五輪の代表内定を決めた小山直城(Honda)が2628ポイントでランキング2位とエントリー選手で最上位につけている。一時はトップに立っていたが、昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップになった細谷恭平(黒崎播磨)が逆転。しかし今大会1278ポイント以上を獲得すれば、小山が再逆転でトップに立つことになる。すでにパリ五輪の代表内定を射止めている小山は、パリを見据えたレース展開となるが、シリーズⅢチャンピオンの座も十分に狙えるところにいる。
さらにシリーズⅣ(23年4月~25年3月)でチャンピオン(第108回日本選手権者)になれば、25年9月開催予定の「東京2025世界選手権」のマラソン日本代表が内定するが、小山はシリーズⅣ期間内となる第3期ですでに1388ポイントと高いポイントを獲得しているため、この大会でさらに高ポイントを獲得しておくと、シリーズⅣチャンピオン、つまり東京世界選手権の代表争いに向けても大きく前進することになるだろう。
【フォート・キシモト】
21年びわ湖毎日マラソンで自己ベストの2時間7分26秒をマークした聞谷賢人(トヨタ紡織)にも上位ランクインの可能性がある。今大会1265ポイント以上で8位以内にランクイン、1380ポイント以上でトップに立つ。聞谷もJMCシリーズⅠで6位、シリーズⅡで4位と過去のJMCシリーズでも実績を残す。また、1月の大阪ハーフマラソンで自己ベストの1時間1分46秒をマークするなど、今大会へ調子を上げていることがうかがえる。
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エリートランナーでは市山翼(サンベルクス)がシリーズⅢで現在7位にランクイン。1328ポイント以上を獲得できれば、トップに立つことも可能だ。
一方、JMCシリーズのグレード2(G2)大会に指定される女子にも、上位ランクインの可能性を残す選手がエントリーしている。
前回の大阪マラソンで自己ベストの2時間25分51秒をマークした市田美咲(エディオン)がその一人。8位以内に入るには、今大会1276ポイント以上を獲得することが必要となる。1月の全国都道府県対抗駅伝では、アンカーを務めて区間7位だった。
【フォート・キシモト】
前回大会はハイレマリアム・キロス(エチオピア)が大会新記録となる2時間6分1秒で優勝。今大会、パリ五輪を目指す国内トップランナーにとっては、大会記録を11秒以上更新する記録が必要となるが、コース変更を追い風に、2時間5分50秒の突破、そして日本記録(2時間4分56秒)樹立にも期待が高まる。
「大阪マラソン2024」は2月25日(日)、車いすマラソンが9時5分スタート、マラソンは9時15分に大阪府庁前をスタートする。
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