第一生命 D.LEAGUE 23-24 ROUND.8!Legitの進化が見せた今シーズン初のスウィープ勝利。MVDはTAKUMI。
CyberAgent Legit 【D.LEAGUE】
1st Match :KADOKAWA DREAMS VS dip BATTLES(5-1)
2nd Match:LIFULL ALT-RHYTHM VS Valuence INFINITIES(1-5)
3rd Match:CyberAgent Legit VS Medical Concierge I'moon(6-0)
4th Match:avex ROYALBRATS VS Benefit one MONOLIZ(3-3)
5th Match:KOSÈ 8ROCKS VS SEGA SAMMY LUX(5-1)
6th Match:DYM MESSENGERS VS SEPTENI RAPTURES(3-3)
「言葉を超え感動を与える」原点回帰がもたらした進化と勝利
LegitはHEARTSTRINGS-心の琴線-をテーマに、特徴的な琴のようなストリング音をキーサウンドにして、繊細な心の動きを表現する。
空間ごと揺らぐような太くスローなポッピンから始まり、ハードヒットとクリアなバイブレーション、ボディーウェーブで会場を沸かせる。サイファーラウンドに登場したJENESに影響されたためか、音へのアプローチの引き出しが圧倒的に増えているように感じた。
見どころも多く、BBOY SHOSEIの三点倒立に合わせたルーティーンは軸となるSHOSEIの柔軟性と筋力の両立が必要だ。そしてアローバック(を応用した旋回)の引き立て、独自性の高いシンクロ、カノンと3つの要素を十数秒に密に埋め込む。
バウンス(はね返る音どり)の気持ち良い1chのソロ、揃えるのが難しいコブラやロールもしっかり揃え、TAKUMIのソロでは「止める」ではなく「揺らぐ」ことをメインに据えたことで空間の歪みがより大きく見える。
CyberAgent Legit 【D.LEAGUE】
メンバーのHarukaは1年半ぶりの復帰戦、SPダンサーとしてディレクターのMIZUEも参戦し、思い溢れるドラマが起こる準備はできていた。
ショーはG-FUNKの曲を用いた、いわゆるウェッサイと呼ばれるHIPHOPの作品。衣装はカラーギャングを意識し色を統一、C-WALKをはじめとしたステップやジェスチャーをサンプリングしたかと思えば、JAZZで鍛えられたフォーメーションの揃い方にはI’moonらしさが見て取れる。
Medical Concierge I'moon 【D.LEAGUE】
TAKUMIは試合後のインタビューで「改めて原点に返って、言語を超えて感動を与えられるというダンスの魅力を追求した」と語っていた。
SPダンサーは一発屋ではなかった。
レジェンドと呼ばれ、Blue Printの主宰としてダンス、振付、舞台と現役で幅広く活躍しているJUNをはじめ、加賀谷 一肇、碓井 菜央の3名のSPダンサーを起用し話題を集めたALT-RHYTHM。
LIFULL ALT-RHYTHM 【D.LEAGUE】
KOSÉ 8ROCKSは、トリッキングチームにも所属するムーブメントアーティストRikubouzをSPダンサーに迎え、コンテンポラリーな世界観を展開する。武器である高いシンクロ率のダイナミックなフロアムーブだけでなく、HarukaとRikubouzのコンタクト・インプロヴィゼーションからの軟体フリーズ、雷鳴のようなスポット照明をはじめ衣装、メイクと様々な演出による工夫を凝らし、ブレイキンを脱構築し新しいアプローチに挑戦し続けたことが結果につながるようになってきた。
KOSÈ 8ROCKS 【D.LEAGUE】
Benefit one MONOLIZ 【D.LEAGUE】
見慣れた顔のDリーガーの出場枠を一つ削ってそこにSPダンサーを配置することはそのラウンドの勝敗だけを考えるとハイリスクハイリターンな選択だ。
SPダンサーを起用しながら結果が出ない場合、噛み合いがうまくいかなかった、と思うファンもいるかもしれないが、SPダンサーの役割はインパクトのあるスキルだけではない。
長年そのスタイルと向き合ったキャリアや経験値、考え方、哲学、そうした精神的なものも練習を通してDリーガーにシェアすることで、レギュラーダンサーたちの表現の幅が広がり、新しいアプローチが生まれる。
同じ技やステップを繰り出すにしても、フォーメーション、流れ、間の取り方や照明などいろんな要素を変えることで見え方が180度変わるのだ。
強み、追加点、音楽
こうしたダンスに追加点となる+αを加えることは難しく、このチームはここが強い、というベースが伝わっていなければ成り立たない。だからこそ、そのチームがどこで追加点となる難易度の高い構成を入れているか探してみるのが楽しい。
例えばINFINITIESはステップやフットワークの中に膝から先をくるっと返す小技を用いてターンをさらにダイナミックなものにしている。
体の関節をバラバラに動かすことをアイソレーションと呼ぶが、RAPTURESは音にインパクトを与えるための独自のアイソレーションの色を確立しつつある。チームがまとまりRAPTURESアイソレーションとでもいうべきスタイルが共有されてきたからこそ、アレンジひとつで追加点が狙える。
SEPTENI RAPTURES 【D.LEAGUE】
DYM MESSENGERSは国内を代表する稀代のビートメイカーBudamunk & 東京最高峰のMC仙人掌とコラボし、令和のB-BOY STANCEと言わんばかりのメッセージをドロップ。歌詞に合わせたスローな6ステップに会場中のダンサーたちは痺れた反応を見せていた。
DYM MESSENGERS 【D.LEAGUE】
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