JLPGA 新しいヒロイン《95期生・奥山 純菜》

チーム・協会

【Photo:Han Myung-gu/Getty Images】

おくやま・じゅんな=2002年2月9日、熊本県熊本市出身

 熊本県出身のツアープロには、永久シードの不動裕理や賞金女王の経験がある平瀬真由美、古閑美保、上田桃子、複数回優勝の有村智恵、笠りつ子ら錚々たる面々が並ぶ。その要因の一つとして、熊本県ゴルフ協会がジュニア育成に力を注いでいることは有名だ。22年にプロテストを合格した奥山純菜もその恩恵に預かったという。

 「お客さまがスタートし終えた後、ジュニアゴルファーなら無料でラウンドできるゴルフ場が多く、練習場も格安料金で利用することができました。仮に、熊本在住でなければ、ゴルフを続けていなかったかもしれません」。奥山は8歳からゴルフを始めたが、同じジュニアゴルファーが多いことで負けたくない気持ちも芽生えたし、励みにもなった。そんな環境で育てば、自然と将来はツアープロになりたいと思うことも理解できる。ただ、思うようにいかないのが人生であり、奥山も4度目の挑戦でようやくプロテストに合格できた。

 「これで通らなければあきらめるぐらいの気持ちで受けました」。まさに背水の陣で臨んだことで、本来の力を発揮できたのかもしれない。ツアープロ1年目となった昨シーズンは、シード権こそ獲得できなかったものの、貴重な経験を重ねた1年となった。JLPGAツアー10試合、ステップ・アップ・ツアーで20試合に出場することができたからだ。前者では予選通過が3試合しかなかったが、後者では17試合で予選通過を果たした。

 「自分ではもっといけると思ったんですけど、いけなかったですね。優勝できそうな試合も3、4試合はあったと思います」。

 確かに、ステップ・アップ・ツアーでは、賞金ランキングこそ21位と決して上位ではないが、最終日を首位タイで迎えた中国新聞ちゅーピーレディース(最終順位4位タイ)や第1日を首位タイでスタートした山口周南レディース(最終順位5位タイ)など、勝てそうな試合はいくつかあった。トップ10入りは6回あったものの、勝ち切れない理由を次のように分析する。

【Photo:Han Myung-gu/Getty Images】

 「自分でチャンスをつぶしたというか、最終日にスコアを伸ばし切れないことが多くて・・・」。なるほど、先に挙げた2試合はどちらも最終日にスコアを伸ばしていない。さらに見ると、結果的に2日間競技になったECCレディスでは最終日後半の9ホールで38を叩き、5位タイに終わっている。勝負ごとにタラレバは禁物だが、パープレーならプレーオフに残っていたし、1打縮めれば優勝していた。

 「緊張していないつもりでしたが、思うように体が動かなかったことを考えると、気付かないだけで緊張していたんでしょうね」と振り返る。最終日にスコアを伸ばして下位からトップ10入りした試合が3回もあったことを考えると、やはりメンタル面の問題なのだろう。

 それが分かっただけでも収穫だし、決して無駄ではなかったはずだ。QTファイナルステージに失敗したことで、今シーズンはステップ・アップ・ツアーがメインとなる奥山。精神面を鍛えると同時に、課題とする100ヤード以内の精度を上げ、ショートパットのカップイン率を高めることができれば、賞金ランキング上位も夢ではない。

 「将来は上田さんのように長くシード権を保持できるような選手になりたいです」。シード選手の平均年齢が低くなっていることを言われる昨今だが、37歳になってもまだ優勝争いに加わり、ランキング上位に顔を出す上田はいいお手本だろう。そのステージにたどり着くためにも、今年はしっかりと結果を残していく。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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