【スキー】アルペンスキー男子、W杯屈指の難コースで今季初の2本目進出に期待!
加藤聖五、小山陽平、若月隼太が新年最初のレースに挑む
「Snow Japan」日本チームは1月6日のGS第4戦に加藤聖五選手(野沢温泉SC)と若月隼太選手(GALA湯沢SC)、7日のSL第3戦に加藤聖五選手と小山陽平選手(ベネフィット・ワンSC)が出場します。
昨年クリスマス前のアルタバディア2戦では1回目56位と42位で2回目に進めなかった加藤聖五 【写真/Alessandro Trovati】
一昨年34位、2回目進出まで0.40秒まで迫っているコースの攻略については、
「スタートから急斜面で、スキーのラインと(ターンの)タイミングを合わせていくことと、コース中盤の(いくつかの)起伏と(スキーの進行)方向が変わるところを頭に入れながら攻めたいです。そして最後の落ち込み(超急斜面)はスピードがなくなるので(滑走する)ラインを高くして入ることに気をつけます」とし、「ここまで調子そのものは良いので、そのパフォーマンスを出せれば、2回目には残れると思います」と意気込みを語ります。
河野恭介チーフコーチは「ここまでレースで結果は出ていませんが、レースでの内容、パフォーマンスは悪くなく、昨シーズンよりも成長していることは感じ取れます。確実にレベルアップしてきているので、今後も期待してください」と前向きに話します。
アルタバディア2戦ともに途中棄権に終わった若月隼太 【写真/Gabriele Facciotti】
「事前にひいた風邪の影響で体調に不安がある中でしたが、自分の思っていたよりも攻撃的な滑りができ、スロープに対してもそれほど難しさを感じませんでした。初めての(アルタバディアのW杯)コースでしたが、『違う世界』とは感じなかったです」と前向きです。
アルタバディアの後、ヨーロッパカップGSに2戦出場、クリスマス休暇を経て28日から4日間のGSとSLの練習、年明けは2日間のGSの練習をこなしてきました。
アデルボーデンは初出場ですが、「ウェーブや細かい斜面変化の多いコースなので常にいいポジション(体勢の前後バランス)でいることと、(難しいコースで)誰でもミスをするコースなので、ミスをしてもトライして積極的にスピードをつなげることを意識したいです」と話します。
自身最高8位となっている得意のコース、マドンナ・ディ・カンピリオ、「カナロネ・ミラモンティ」でしたが、小山陽平は1回目39位で2回目に進めませんでした 【写真/Gabriele Facciotti】
「幸い、家族ともすぐに連絡をとることができ、家屋の倒壊やライフラインの断絶などからも免れられました。石川でも南の方で海からも離れているので、避難をすることもなかったようです」と、遠く離れた欧州の地で安堵しています。
一昨年、26位となったアデルボーデンは、「毎年、インターバルが広めに立つ(スピードが上がる)セットで、息が上がった状態でゴール前の超急斜面に入ることになるので、しっかり堪えて(スキーの滑走)ラインをキープして攻めたいと思います」と攻略を語ります。
年明けは3、4日と2日間SL練習をして臨む2024年最初のレース、先月罹患した風邪も完治し、万全の体調で臨みます。
河野恭介チーフコーチは「年明けはオーストリアのW杯チームと合同練習を行い、その(オーストリアの)コーチが日曜日のSLのポールセッターなので、練習に近いセットが立つと思います」と準備に自信をのぞかせます。
スイス、アデルボーデンはチューリッヒからほぼ南に車で2時間ほどの山あいの小さな町で、1967年W杯創世期の10年以上前からアルペンスキー国際大会が開催されている歴史ある会場です。
コース名「チュニスベルグリ」は右肩下がりの痩せた尾根つたいに、斜面変化が連続する中急斜面主体の、「GSの聖地」と名高いW杯屈指の難コースです。
GSは大本命、マルコ・オーダーマットが2022、2023年と連勝中で、3連覇なるか、GSコースの中盤からスタートするSLは、マドンナの勝者マルコ・シュバーツがボルミオ滑降での怪我による戦線離脱で、本命不在。混沌としていますが、クレモン・ノエルとマヌエル・フェラーにダニエル・ユールが絡む展開と予想します。
日本選手は過去、2004年のSLで佐々木明選手7位が最高成績ですが、加藤聖五、若月隼太、小山陽平の3選手にGS、SLともに今シーズン初の2回目進出を期待します。
文:田中慎一郎
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