【ラグビー/NTTリーグワン】地元で訪れた最高の舞台。 同期の前で体現したいラグビーの楽しさ<九州電力キューデンヴォルテクス>

九州電力キューデンヴォルテクス 神田悠作選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

新年を迎えて初戦となる今節。九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)は日本製鉄釜石シーウェイブスと対戦する。舞台はミクニワールドスタジアム北九州。キックオフは1月6日13時。ともに開幕から3連敗中の両者だけに初勝利への熱い思いがぶつかり合う熱戦になることは必至だ。

北九州市出身の山田章仁がリーグ戦通算100トライに王手をかけて迎える地元での一戦。スーパースターに視線が注がれるのは当然だが、もう一人、注目すべき選手がいる。山田章仁と同じ北九州市出身の新鋭・神田悠作だ。

東筑高校を卒業後、早稲田大学への進学を目指すもそれが叶わず。2浪の末に東洋大学へと進学する。浪人中の2年間はラグビーに関わることなく、本人いわく「体はブヨブヨ」だったという。「仮に早稲田に合格していてもラグビーは高校までのつもりだった」が、東洋大学に合格後、「高校の監督や両親の『頑張ってみたら』という言葉があって」ラグビーを続行した。

しかし、2年間のブランクがあった神田にとって当時、関東大学リーグ一部昇格を目指す東洋大学の環境は「めちゃくちゃキツかった(苦笑)」という。それでも、「死に物狂いで自主練して(元の体を)取り戻した」そうだ。ただ、2年間のブランクは身体的なキツさ以外のものも与えてくれた。

「とにかく楽しかった。言ってしまえば、良くなる一方しかない状況でした。脂肪が落ちて、筋力が上がるし、足も速くなる。分かりやすい実感しかなくてそれが楽しかった」

その気持ちは九州KV加入後のいまも続いている。

「ラグビーから2年離れたからこそ、いいプレーができると『あぁ、楽しいな』って。だから、練習が苦じゃないんです。趣味が練習です(笑)」

高井迪郎キャプテンも「あいつは周りが『止めろ』って声を掛けないとずっと練習している」と言うほど、神田はラグビーに没頭している。そんな神田だが今回の舞台であるミクニワールドスタジアム北九州にはある思い入れがある。

「ミクスタの隣にあさの汐風公園という場所があって、大学生のときのオフシーズンに自主トレをやっていました。そこで『いつかミクスタで試合できないかな』と思いながら練習していました。今回、それが叶うチャンスがあってうれしいですね」

今回の試合には小学校、中学校、高校の同期生たちも観戦に訪れるそうだが、その仲間たちはすでにラグビーを止め、いまも続けているのは神田だけだという。止めるはずだったラグビーを続けてきたからこそ、巡ってきた地元での最高の舞台。神田は存分にラグビーの楽しさを表現する。

(杉山文宣)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント