もっとも、そのハードルは高い。今季の新潟LはWEリーグカップでも決勝に進み、現在も皇后杯を含めて6戦無敗。リーグ戦の第5節では三菱重工浦和レッズレディースにも2-0で勝利するなど、実力、勢いともに現在のWEリーグで1、2を争うチームと言える。昨シーズン、新潟Lでプレーした森中陽菜は、今季の新潟Lについて、「めちゃくちゃ強い」と第一声。「全員でハードワークできて、決め切るところを決め切って、しっかり勝ち切れるチームになっている。昨年は、守備は引いてカウンター攻撃でしたが、監督が代わって、常にボールを保持して戦うチームに変わっている」とそのスタイルの変化にも言及したが、昨季までの堅守を土台に今季はパスにも磨きがかかっており、相手を見ながら落ち着いてボールを運び、ゴールに迫る大人なサッカーを披露している。その中心にいるのが背番号10の上尾野辺めぐみ。「そこが見えているのか、というところにパスを出せて、いて欲しいところに常にいる」(森中)プレーはまさに司令塔と呼ぶにふさわしく、ゲームを支配する。そこへ今季は、経験豊富で実績も十分な川澄奈穂美が加入。プレーの質の高さは際立っており、外国籍選手のような異質の存在感でピッチに君臨。クロスから先制点を導いた前節のアシストのように、要所で決定的な仕事を果たしている。エースの道上彩花こそ負傷離脱中だが、得点力は落ちておらず、失点もここまでリーグ戦は6試合で3。チームの完成度は高い。