宇都直輝&張本天傑 中学時代の言葉を実現させ、ウインターカップ2009に出場

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宇都は当初愛知県外の高校を志望していたが翻意。中部大第一の門を叩いた 【月刊バスケットボール】

いよいよ12/23から始まるウインターカップ。Bリーグで活躍する選手たちの多くがウインターカップで活躍した。そこで、12月20日~29日まで、連載「Bリーグ選手のウインターカップ」を連日公開。第3回は宇都直輝選手(中部大第一高校/現:富山グラウジーズ)、張本天傑選手(中部大第一高校/現:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)を特集。

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 2021年の新潟インターハイで全国初優勝、ウインターカップでは2018年大会で準優勝となるなど、全国屈指の強豪校として名高い愛知・中部大第一。同校が初めてウインターカップに出場したのが2009年大会。そのチームで得点源となっていたのが3年生の2人で、多彩なプレーを見せる191cmの大型ガード・宇都直輝(富山)、198cmのオールラウンダー・張本天傑(名古屋D)だった。

 2人は中学時代、都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会(※2019年大会で終了)の愛知県代表で一緒にプレーしている。当然、常田健コーチは2人にアプローチをしていた。宇都に関しては当初、県外の高校を志望していたというが翻意。「宇都ともう一人の選手と3人で“一緒に中部大第一に行こう”と話をしていました」と張本は当時を振り返っている。

「当時、県ベスト8くらいでそこまで強豪ではなかった中部大第一に行って『そういうチームを強くするのって格好いいよな』と宇都たちと話をしていたんです」

 ちなみに、張本は中部大第一の練習は想像を絶するほどハードだったと語っている。

「1年生の頃は練習中に吐いてしまうなんてこともよくありました。ご飯の量が練習量に追いつかないようなイメージですね。毎日陸上部並みに走る練習が多かったですね。今考えるとよく耐え抜いたなって感じです(笑)」

張本は中部大第一の練習が想像を絶するほどハードだったと振り返る 【月刊バスケットボール】

 それだけの練習をこなすのだから結果も伴ってくる。1年、2年とインターハイを経験(いずれも2回戦進出)。3年時のインターハイではベスト16進出を果たしている。そして、チームの悲願となっていたウインターカップ出場を果たしたのが2009年大会だった。

 県予選決勝では安城学園と対戦。宇都、張本が高さを生かしてリードを奪ったものの、4Q終盤に追いつかれてしまう。それでも残り1分半に張本らが連続してシュートを決め、121-119と勝利。“県ベスト8くらい”だったチームが全国の強豪へと成長するための切符を得た。

 迎えた本戦。1回戦の鹿児島工戦は宇都が26得点、10リバウンド、7アシスト。張本も25得点、11リバウンドと活躍。チームもハーフタイムで25得点のリードを作り、そのまま108-82で快勝した。

 2回戦では八王子(東京)と激戦を繰り広げることになる。試合開始から激しい攻防を繰り広げた両者は、86-86で4Qを終えてオーバータイムに突入。ここでステップアップしたのが宇都だった。「終盤は点を取りに行きました。マークされるのは分かっていたけど、決めるべきところで自分がやらなきゃと思っていました」と言う宇都は92-93と1点リードされていた残り44秒にファウルをもらってフリースローをきっちり2本成功。1点リードを奪うと、守り切って激戦に勝利を果たした。

宇都は恩師・常田コーチとの思い出を笑いを交えて語った 【(C) B.LEAGUE】

 3回戦の相手は延岡学園(宮崎)。奇しくもインターハイで敗れた相手だった。夏のリベンジを果たすこと、そして目標としていたベスト8進出に向けての戦いとなったが、中部大第一には前日の疲れも残っていた。「疲れもあったし、延岡学園のディフェンスのプレッシャーがすごかった」と常田コーチが振り返ったように、序盤に大差を付けられてしまう。宇都、張本はともに1分も休むことなくコートに立ち続け、巻き返しを図ろうとしたが力及ばずに64-83で敗戦。この試合で宇都は15得点、5リバウンド、5アシスト、張本は22得点、7リバウンドをマークしている。

 張本は後に「バスケット人生の中で一番成長できたのも、一番良い経験ができたのも高校時代だったと思います」と中部大第一での日々を表現している。一方、宇都は「僕は先生に言われたことを達成できないと負けた気になって、それがすごく嫌だったんです。『言われたことは絶対やり切ってやる』みたいなマインドは当時からあって、負けず嫌いの最上級みたいな性格だったと思います。例えばビハインドパスをしたとしたら『そんなパスは通らない』って常田先生に言われるんです。でも僕は何回もやります。怒られてもいいからそのパスを通すまで。そういうタイプの人間でした(笑)」と後に恩師・常田コーチとの思い出について回想している。

張本は高校時代が「バスケット人生で一番成長、一番良い経験ができた」という 【(C) B.LEAGUE】

 バスケットボールに情熱を注いだ日々。中部大第一で過ごした時間が、両者にとって選手としての礎を築くものとなったことは間違いない。

文=月刊バスケットボール編集部
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