宇都直輝&張本天傑 中学時代の言葉を実現させ、ウインターカップ2009に出場
宇都は当初愛知県外の高校を志望していたが翻意。中部大第一の門を叩いた 【月刊バスケットボール】
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2021年の新潟インターハイで全国初優勝、ウインターカップでは2018年大会で準優勝となるなど、全国屈指の強豪校として名高い愛知・中部大第一。同校が初めてウインターカップに出場したのが2009年大会。そのチームで得点源となっていたのが3年生の2人で、多彩なプレーを見せる191cmの大型ガード・宇都直輝(富山)、198cmのオールラウンダー・張本天傑(名古屋D)だった。
2人は中学時代、都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会(※2019年大会で終了)の愛知県代表で一緒にプレーしている。当然、常田健コーチは2人にアプローチをしていた。宇都に関しては当初、県外の高校を志望していたというが翻意。「宇都ともう一人の選手と3人で“一緒に中部大第一に行こう”と話をしていました」と張本は当時を振り返っている。
「当時、県ベスト8くらいでそこまで強豪ではなかった中部大第一に行って『そういうチームを強くするのって格好いいよな』と宇都たちと話をしていたんです」
ちなみに、張本は中部大第一の練習は想像を絶するほどハードだったと語っている。
「1年生の頃は練習中に吐いてしまうなんてこともよくありました。ご飯の量が練習量に追いつかないようなイメージですね。毎日陸上部並みに走る練習が多かったですね。今考えるとよく耐え抜いたなって感じです(笑)」
張本は中部大第一の練習が想像を絶するほどハードだったと振り返る 【月刊バスケットボール】
県予選決勝では安城学園と対戦。宇都、張本が高さを生かしてリードを奪ったものの、4Q終盤に追いつかれてしまう。それでも残り1分半に張本らが連続してシュートを決め、121-119と勝利。“県ベスト8くらい”だったチームが全国の強豪へと成長するための切符を得た。
迎えた本戦。1回戦の鹿児島工戦は宇都が26得点、10リバウンド、7アシスト。張本も25得点、11リバウンドと活躍。チームもハーフタイムで25得点のリードを作り、そのまま108-82で快勝した。
2回戦では八王子(東京)と激戦を繰り広げることになる。試合開始から激しい攻防を繰り広げた両者は、86-86で4Qを終えてオーバータイムに突入。ここでステップアップしたのが宇都だった。「終盤は点を取りに行きました。マークされるのは分かっていたけど、決めるべきところで自分がやらなきゃと思っていました」と言う宇都は92-93と1点リードされていた残り44秒にファウルをもらってフリースローをきっちり2本成功。1点リードを奪うと、守り切って激戦に勝利を果たした。
宇都は恩師・常田コーチとの思い出を笑いを交えて語った 【(C) B.LEAGUE】
張本は後に「バスケット人生の中で一番成長できたのも、一番良い経験ができたのも高校時代だったと思います」と中部大第一での日々を表現している。一方、宇都は「僕は先生に言われたことを達成できないと負けた気になって、それがすごく嫌だったんです。『言われたことは絶対やり切ってやる』みたいなマインドは当時からあって、負けず嫌いの最上級みたいな性格だったと思います。例えばビハインドパスをしたとしたら『そんなパスは通らない』って常田先生に言われるんです。でも僕は何回もやります。怒られてもいいからそのパスを通すまで。そういうタイプの人間でした(笑)」と後に恩師・常田コーチとの思い出について回想している。
張本は高校時代が「バスケット人生で一番成長、一番良い経験ができた」という 【(C) B.LEAGUE】
文=月刊バスケットボール編集部
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