【箱根駅伝トリビア】東大の出場は?戦時中も開催?100回を簡単年表でみる

笹川スポーツ財団
チーム・協会
2024年1月2日・3日。お正月の風物詩となった箱根駅伝が、遂に「100回」を迎えます。これまでに多くの選手が世界に飛び立ちました。しかし、長年根元から「ささえた」方々が存在したからこそ、100回を数えるのです。箱根駅伝の”裏側”を辿り、100回の歴史を【箱根駅伝トリビア】として振り返ります。

※2023年12月に、笹川スポーツ財団・公式ウェブサイトに掲載されたコラムの一部内容です。

年表で見る箱根駅伝 【写真:Adobe Stock】

第1回大会から戦時中

箱根駅伝が初めて開催されたのは1920年、大正9年までさかのぼる。2月14日・15日の両日、早稲田、慶応義塾、明治、東京高師(現・筑波大学)の「四大校駅伝競走」として実施された。授業があるため、2月14日午後1時に東京・有楽町の報知新聞社前をスタート、箱根到着は午後8時半をまわり、地元の人たちはかがり火を焚いて選手を誘導した。往路のゴールに最初に飛び込んできたのは明大、しかし、翌日の復路を東京高師が制し、記念すべき最初の優勝校となった。

年表でみる箱根駅伝の歴史(第1回大会から戦時中) 【作成:笹川スポーツ財団】

参加校が徐々に増えいていく中、1925年・第6回大会で日本大学が3区に人力車夫を起用するという珍事件が起き、翌年は出場自粛となった。1928年・第9回大会では大阪の関西大学が特別招待出場している。

第二次世界大戦が激化し、1941年、箱根駅伝は初の中止となった。しかし情熱は消えず、明治神宮―青梅熊野神社往復駅伝(8区間)が1月12日と11月30日に実施されるも、回数には数えられなかった。戦時中は、1942、44、45年、戦後1946年は開催されていないが、1943年の戦時中、スタート・ゴールは靖国神社、折り返し地点は箱根神社に設け「靖国神社-箱根神社間往復関東学生鍛練継走大会」を開催。第22回箱根駅伝として数えられる。

戦後から昭和、平成、そして令和

戦後1947年・第23回大会は読売新聞社主催として開催。”復活”の箱根駅伝は明治大学が制す。1953年・第29回大会でNHKラジオが中継。この時代は、戦後1947年から東京オリンピックが開催された1964年まで、中央大学が12回優勝と圧倒的な強さを誇り、まさに中央時代であった。

年表でみる箱根駅伝の歴史(戦後から昭和、平成、令和) 【作成:笹川スポーツ財団】

その後、1966年から1983年まで、日本体育大学(9回優勝)、順天堂大学(4回優勝)、日本大学(3回優勝)、大東文化大学(2回優勝)の4校がしのぎを削る。1984年・第60回大会。東京大学が予選会を勝ち抜き初出場を果たすが、第100回を迎えるまで、東京大学の出場はこの1度きりとなっている。

1987年・第63回大会で日本テレビが生中継を開始する。往路は7時55分-10時25分、12時-13時55分。復路は7時55分-9時25分、12時-13時55分という形で、1989年に完全生中継を実現した。昭和64年、平成に入る直前に箱根駅伝は大きな飛躍となる技術革新の波に乗った。

平成に入ると、1991年・第67回大会の大東文化大学が初めて大学駅伝三冠を達成する。1996年・第72回大会では中央大学が最多となる14回目の優勝を果たす。1999年・第75回大会で、最終10区のコースが日本橋経由に変更され、現在の光景となった。

2000年代に入ると01年から09年まで駒澤大学が平成初の4連覇を果たすなど、優勝は6回。強さを見せつけた。2003年・第79大会では復路視聴率が31.5%と、初めて30%を超える。2009年・第85回大会、東洋大学が67回目の出場で悲願の初優勝。翌年に連覇を達成すると、2012年・第88回大会、2014年・第90回大会も優勝、2019年まで3位以内と安定した強さが際立った。

東洋大学が初優勝を飾った2009年、青山学院大学が史上最長となる33大会ぶりの復活出場。その後、青山学院大学は2015年~2018まで4連覇。2016年・第92回大会では39年ぶりに1区から10区まで1位の完全優勝。平成は駒澤時代から東洋時代、青山学院時代となり、令和では群雄割拠となっている。2020年・第96回大会で、箱根駅伝は創設100年を迎え、翌第97回大会、復路で過去最高の平均視聴率33.7%を記録した。100回大会、駒澤大学の史上初・2年連続大学駅伝三冠の偉業が注目される。
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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