【新入団選手スカウトに聞いた!】ドラフト1位であり、背番号「21」。受け継がれる黄金の魂は新時代へ紡がれた。

埼玉西武ライオンズ
チーム・協会
11月26日に会見を終えた新入団選手たち。来季からライオンズの一員になる彼らのことをファンの皆さまにより知っていただくために、今年も昨年に引き続き担当スカウトインタビューを実施!
初回はドラフト1位武内投手!担当である十亀スカウトに、直接お話をお伺いしました!

「あー、俺、泣くんだ」 初めての担当選手の名が呼ばれた、そのとき。

【©SEIBU Lions】

ドラフト会議前から武内夏暉投手の1位指名を公表していたライオンズに加え、当日はホークス、スワローズの3球団が競合し、クジ引きの結果、松井稼頭央監督が見事に引き当てた。「よっしゃ!」と叫んだ松井監督の渾身のガッツポーズと、映像でその様子を満面の笑みで見守る武内夏暉投手の様子を見て、十亀剣スカウトは思わず涙がこぼれていた。「クジ引きになることは確定していましたが、自分が引くわけではないので正直、ファンの皆さんと一緒の感覚で見ていました。でも、いざ監督がクジを引き当ててくださったときに、なぜか急に涙が出てしまって。武内君の人生が決まる瞬間であって、決して自分のことではなかったのですが、自分が1年間やってきた中の成果という意味で、なんか急にパッと出てきて。『あー、俺、泣くんだ』と、感慨深いものがありましたね。安心感というか、緊張の糸がほぐれて、心の底から『よかった』と思いました」。

2022シーズン限りで現役を引退し、スカウトという役職に就き、第二の人生をスタートさせた。その最初の担当選手が武内投手となった。「こればかりは本当にご縁。自分自身にとっても、1年目からドラフト1位にかかるような選手を担当することができたことは、『こういう選手がドラフト1位レベルなんだ』というベースができて、非常にいい勉強になりました」。十亀スカウトにとって、生涯忘れられない選手となった。

十亀スカウトが最初に武内投手を見たのは2022年秋だ。「ゆったりしたフォームから、キレのある球を投げる」が第一印象だった。そこから1年間、追いかけ続けてきた中で、「スピードも150キロを超えてきましたし、コントロールと駆け引きの部分」に魅力を感じてきた。武内投手本人も、「左右関係なくインコースに投げ込めるコントロールが武器」だと口にしているが、同じ投手出身であるからこそ、それがいかにプロの世界でも価値のあることかを十亀スカウトは力説する。「なかなかインコースに投げ切れる選手が少ない中で、武内君はしっかりと投げ分けしてバッターを抑えてるというところはすごく印象的でした。インコースって、一番難しいところ。そこにきちんと投げ切れる。“投げられる”のと“投げ切れる”というのは違うのですが、彼は投げ切れるので、大きな強みです」。

さらに驚きだったのが、マウンド上での工夫だという。「タイミングを外したり、フォームをゆっくりにして投げたり、球種の押し引きなどをうまくやっていたりと、150キロを超える直球があればそれだけでもいいのにと思うのですが、もっといろいろなことを考えて野球をやっているなというのは、見ていてすごく好印象でした」。

また、わずか1年だったが、その間、武内投手はずっと調子が良いわけではなかったという。だが、逆に十亀スカウトにとっては、それが好印象になったとも明かす。「今年の春にちょっと状態を崩したのですが、夏には戻してきて、秋にはしっかりと乗り越えて投げていたのが素晴らしいなと。僕も経験があるのですが、ドラフトが近くなるとか、最終学年が近くなって、力を出せない選手も少なからずいるんですよ。その中で、武内君は悪いときも、そこから良くなっていくのも、両方とも見られました。今後、悪くなったときに何かアドバイスをしてあげられるという意味でも、悪いときを見られたことは、僕自身にとってもよかったなと思います」。

十亀スカウトは、現役を退いて間もない。だからこそ、自身の経験をふまえたうえで、“先輩”として武内投手に伝えたい想い、願いがある。「今、情報社会で、いろいろな媒体を通して情報が入ると思います。その中で、『あれもいい。これもいい』ではなくて、自分自身はどういうピッチャーであるということを理解したうえで、自分の芯をぶらずに、自分できちんと情報を取捨選択しながら、たくさんの技術を身につけていってほしいと思います。これから頑張って、ぜひともライオンズを代表して投げる投手になってほしいです」。

これも縁だろう。武内投手の背負う「21」番は、十亀スカウトの現役時代の背番号だ。

「毎年春季キャンプで東尾修さんに、『21番が泣いてるぞ』と言われ続けてきました(笑)。たぶん、来春キャンプでは同じように『21番が汚れないようにやってくれよ!』と言っていただけると思うので、ぜひその期待に応えてほしいなと思います。

十亀スカウトから武内投手へ
「背番号『21』が輝くように頑張ってください!」
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埼玉西武ライオンズに関する選手、イベント情報はもちろん、選手コラムやライオンズが取り組む活動についてもお届けいたします!週1〜2回を目途に公開いたしますのでお楽しみに!

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