【ラグビー/NTTリーグワン】後藤輝也が見据えるのは、10年目の最多トライゲッター<NECグリーンロケッツ東葛>

【©ジャパンラグビーリーグワン】

ホストゲーム開幕戦で31-28と浦安D-Rocksを下したNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)が、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とのビジターゲームに臨む。リーグ戦での連勝となれば、ジャパンラグビー トップリーグ時代の2018-2019シーズン以来となる。

つまり、それだけ結果の出ない時期をGR東葛は長く過ごしてきたことになる。

「本当に勝負どころだった」

初戦をそう表現し、振り返ったのは後藤輝也。山梨学院大学を卒業した2014年に加入して、今季で10年目を迎える。リオ五輪に7人制日本代表としても参加し、GR東葛の歴史もよく知る経験豊富な31歳。彼は、トップリーグ開設の2003年からGR東葛が過ごし続けたトップディビジョンに返り咲くために、開幕戦の勝利が大きい意味をもつことを深く理解していた。

「元々みんなの仲が良く、一体感はありました。自分はずっとここにいるからほかのチームとは比べられないんですが、加入する選手たちは『居心地がいいよね、環境もいいし』と言ってくれますね」

後藤自身、後輩のクリスチャン・ラウイが「めちゃくちゃ優しくて、お兄さんみたい」と慕うように面倒見が良く、GR東葛らしいアットホームな雰囲気作りに寄与している。そんな後藤が実感しているのは、チームに起きている変化だ。

「以前に比べてプロ契約の選手が増え、日本人のプロ選手も加わりました。食事面や、コンディションの自己管理、オフの日の過ごし方など、彼らのプロ意識をマネする選手が増えて皆の意識が高まっていると感じます」

上昇志向が高まったチームに、ウェールズ代表を率いて欧州制覇を達成したこともあるウェイン・ピヴァック ヘッドコーチが勝つための戦術を伝える。後藤も「カテゴリBからAに変わった選手もいて、よりパワフルになったし、全体のレベルが上がった」と目を細めている。

ヘッドコーチは「バックスがスピードを出してゲインすること」(後藤)を目指しており、レメキ ロマノ ラヴァや、ウイングを務める後藤にもチャンスが巡ってきそうだ。「毎年、狙っているのはトライ王(最多トライゲッター)」という後藤本人も、その目標に近づけるだろう。

「テルさん(後藤)のいいところは、自分がいいと思うことを思い切りやり切っているところ」とクリスチャン・ラウイ。自らが信じる道を突き進み、鋭い感覚でトライを奪う後藤のもう一つの特徴は、ディフェンス面にある。「守備もアタックだと思っている」と言い、「周囲とコネクションしながら、いかにギリギリまで前に出て止めるか」を意識する。前節で8トライを挙げたS愛知の突破を止めた上で、後藤が得点の匂いを嗅ぎつけてゴールエリアに楕円球を置くとき。GR東葛にとって5年ぶりのリーグ戦連勝が見えてくる。

(田中直希)
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ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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