【ラグビー/NTTリーグワン】伸びシロは無限大。新ヘッドコーチとともに立て直す<花園近鉄ライナーズ>

【©ジャパンラグビーリーグワン】

昨季はディビジョン1で最下位に終わり、入替戦に回る苦しみを味わった花園近鉄ライナーズ(花園L)。攻撃陣にはタレントを擁しながらも、リーグワーストの失点数854という守備の脆さに苦しんだ。今季は、日本代表でも指揮を執った向井昭吾氏をヘッドコーチに招聘した。

日本選手権で3度の優勝を誇り、ジャパンラグビー リーグワン所属ではコベルコ神戸スティーラーズに次ぐ歴史の長さを持つ名門クラブの立て直しに本腰を入れている。

鉄道会社を母体に持つチームだけに、昨季からファンの呼び名を「パッセンジャー(乗客)」にあらあめた花園L。選手やパッセンジャーが一体となって上位を目指すべく、今季のスローガンは「ONE TEAM」に決定。ラグビー界の「聖地」東大阪市花園ラグビー場を本拠に昨季のレギュラーシーズン1勝に終わった悔しさを晴らしたい考えだ。

「スマートな男のチームにする」と就任会見で語った向井ヘッドコーチが着手してきたのは守備の立て直しである。

「昨年は131の被トライがあった。30点以下に失点は抑えるようにディフェンスは鍛えてきた」と向井ヘッドコーチ。伝統的にスクラムの強さには定評がある一方で、タックルや規律が今季の課題になる。

本来の強みは攻撃的なスタイルであり、要所にリーグ屈指のタレントも擁している。日本代表のシオサイア・フィフィタがトヨタヴェルブリッツに移籍したが、ウィル・ゲニアとクウェイド・クーパーのハーフ団はオーストラリア代表としてラグビーワールドカップ出場経験を持つ世界的な名手。また、リーグ屈指の快足を持つジョシュア・ノーラも将来的な日本代表入りを目指している。

また日本代表キャップを持つサナイラ・ワクァや2023年のラグビーワールドカップに日本代表として出場したセミシ・マシレワらに加えて、昨季は負傷で出場機会が少なかった片岡涼亮と木村朋也のウイングコンビもプレシーズンマッチではキレのあるプレーを披露。負傷で主力が大量離脱した昨季序盤とは異なる戦いを見せる力は十分に備えている。

U20ニュージーランド代表歴を持つジェームス・ブラックウェルやベテランの小林広人が新加入。選手層も厚みを増しているが、今季もキャプテンを務める野中翔平は「守備の組織としては積み上がってきている。ベストメンバーがハマれば強い、というのでは勝っていけない。誰が出ても同じラグビーをしたい」と気合い十分だ。

課題も多いが伸びシロも無限大――。2年目のディビジョン1で昨季とは違う花園Lを披露する。

(下薗昌記)
【花園Lの注目選手】SO クウェイド・クーパー
昨季はアキレス腱断裂でシーズンの大半を棒に振り、レギュラーシーズンの最終節で復帰し、入替戦では活躍して残留に導いた。あらためてディビジョン1に挑むことになるクウェイド・クーパーは、並々ならぬモチベーションで今季に挑む。

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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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