【ラグビー/NTTリーグワン】西の名門が育む、強者のメンタリティー<コベルコ神戸スティーラーズ>
10月28日に加古川運動公園陸上競技場に昨季のリーグワン王者、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)を迎えて実施されたプレシーズンマッチは、神戸Sが確かに生まれ変わろうという意思を存分に見せつける戦いぶりだった。
一つのタックルに執着心を持ち、決して相手の体から手を放さず、死に物狂いで味方のサポートを呼び込む選手たち。ワンプレーに対するこだわりは、スタンドから見ても存分に感じられた。明らかに神戸Sは成長している。そんな感想をもったのと裏腹に、新指揮官の開口一番は厳しいものだった。
「雑な部分がすごく多い試合だった」
最終的に昨季王者から白星を挙げ、観ている者にも一つの高揚感をもたらしたのが実際。ただ、歴戦の指揮官は満足感を伝えなかった。
「もちろん勝利することはうれしいこと。ただ、練習試合にトロフィーがあるのかと言えば、掲げられるトロフィーは何もない」
あくまでその視線で捉えるのはチームや個々の“成長”。トレーニングと試合のサイクルをこなしていく過程において、常に進化に矢印を向け続ける新生・神戸S。選手からも、チーム関係者からも飛び出すのは「優勝した2018-2019シーズンの雰囲気に似ている」ということ。神戸Sは強者のメンタリティーを着実に育んでいる。
S東京ベイ戦後、横浜キヤノンイーグルス、トヨタヴェルブリッツ、花園近鉄ライナーズとのプレシーズンマッチを実施。その試合と準備のサイクルに、リーグ戦での成功へ向けた貴重な成長の糧を積み上げていることは確実だ。レニー神戸が示す“本気”。今季のジャパンラグビー リーグワンは西の名門が盛り上げる。
(小野慶太)
「イヤボイ!」の掛け声でおなじみ、大型プロップ・中島イシレリ。日本開催の2019年ラグビーワールドカップで一躍時の人となった経験豊富な彼は、新たな指揮官のもとでさらなる野心を育んでいる。「今までの神戸のトレーニングで一番走っている。厳しさは代表になったときの感じです」。ハードトレーニングに真っ向勝負し、なお成長を希求する34歳。「今季、新しい神戸のラグビーはすごい面白いと思いますよ」。新シーズンへ、進化を止めない中島に注目だ。
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