女王の可能性 岩井明愛『目標は年間5勝だった』

チーム・協会

【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】

JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)

 岩井明愛は、周囲の喧騒よそにマイペースを貫いている。その姿は見事というしかない。プロ3年目の超進化だろう。今大会は初出場。前年、会場へ姿をみせたが、「(妹)千怜の応援。歩いてコースを見ていたんですよ」と苦笑した。

 それが今季は念願のツアー初Vを果たして、3勝。しかも、メルセデス・ランキング3位へ躍進し、年間女王獲得のチャンスまである。「すごくいい一年を送ることができたと感じます。千怜とプレーオフ、メジャーにも挑戦。来年、今年を超せるか-といわれると、考えてしまうほどです」と振り返る。

 ところが、満足した様子などまったくなし。「シーズン開幕前、目標を立てたのは5勝をあげること。もう少し、上位へ行きたい。だから…」と、さらなる飛躍を誓っている。この日、はじめてコースをラウンド。18ホールと精力的な調整を行った。特に、印象的だったのは、1番の第1打を終えると、第2打地点へ猛ダッシュ。「突然、走りたくなった。そんな気分だったから」と説明する。

 躍進のポイントは内面の成長。前年の経験、とりわけ失敗から学んでいる。「勝ちたい。勝ちたい、と思っていると気持ちばかりが空回りしてしまう。だから、無意識に楽しめばいい。そんな気持ちでプレーするようになった。今は、楽しむことができています」という。

 その少しだけのゆとりは、こんな効果をもたらした。「少し落ち着いてプレーができるようになっている。そのおかげか、気持ちを楽にしていると、コースが広く見える。去年まで、とにかく狭く映るコースが多かった」。しみじみと語っている。

【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】

 加えて終始、笑顔を浮かべながら体調も実に良さそうだ。「体力はあります。調子は悪くはない、というところかもしれないけど…。毎回、同じようにしている」と、ルーティンをしっかり守っている。

 当然ながら、気負いはなし。「1位を狙えるチャンスは楽しみのひとつ。もう、いろんなものが楽しみになってきた。最終戦だから一番、私が楽しむ-そう行きます」。公式会見では、いつものように楽しむ、を連発した。これがスタイル。目標の年間5勝には届かないものの、4勝はできる。ムードは上々だ。
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