マイナビ仙台レディース 2023-24シーズンインタビューvol.6

マイナビ仙台レディース
チーム・協会

「アジア大会の優勝を経験。仙台でも仲間と力を合わせて、より強く結果を求めたい」 GK 松本真未子選手

【©mynavisendai】

マイナビ仙台レディースのゴール前には、今季も頼れる守護神・松本真未子選手が存在します。大きな声で味方を鼓舞し、ゴール前では素早い反応と華麗な跳躍力を披露する松本選手。アジア大会に緊急招集され、日の丸を背負う経験から、一層たくましくなって帰ってきました。WEリーグ開幕を控えた今の思いを伺いました。


――2023-24WEリーグの開幕が迫ってきました。今はどのような気持ちで準備していますか?

松本「チーム全体の底上げや自分自身のコンディションを上げていくことにフォーカスしています。開幕戦の一試合だけではなく、シーズンを通して戦っていけるということを重視しています。WEリーグカップでは本当に悔しい思いをしたので、取り返すためにも、もう一段階、二段階、チームのレベルをアップできればと思います。」

―WEリーグカップでは未勝利。グループで最下位という結果でした。本当に悔しい思いをしましたが、そこで感じたことはどのようなことでしたか?

松本「そうですね。あの結果が全てだと思いますし、一人一人が『これではまずい』と感じていました。それに気づけたのがシーズンの早い段階で良かったと、ポジティブに捉えています。その分もリーグ戦で良い結果を出したいです。」

――WEリーグカップ後に選手同士ではどのようなことを話していたのでしょうか?

松本「やっぱり、試合のデータを取っているので、できていないことは顕著に数字で表れていました。誰も言い訳はできない状況です。選手だけではなく、スタッフも同じように感じてくれています。チームとしても、もう一段階上げていこうということは共有できたと思います。」

――どういうデータが気になりましたか?

「前半に比べて、後半は運動量が大きく落ちているということです。自分自身もプレーしている中で走れていないなという瞬間が多かったですね。」

――走りという点では、今季からクラブは元陸上選手・秋本真吾さんのスプリントトレーニングを取り入れるようになりました。GKもフィールドプレーヤーと同じメニューで練習していますね。スプリントがGKというポジションで生かされる瞬間は?

松本「私たちGKの勝負は5メートル、10メートルで決まります。100%の力を地面に伝えるというところは、GKに必要なことだと思います。時間や距離のない中、その力を出さなければいけないという点では、スプリントの距離(※)よりも難しいと思います。その繊細なところにこだわってやっていきたいと思いながら取り組んでいます。」

――GKはドンッと一瞬で力を出さねばいけない、いなければいけない場所に到達しなければいけないというポジションですよね。

松本「はい。一歩二歩とか、そういうところの勝負だと思っています。」

※一般的に、サッカーにおけるスプリントは、10~30メートルの距離を時速24km以上で走った場合に数えられる。

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――今シーズンは外国籍選手が多く在籍しています。コミュニケーションはどのようにとっていますか?

松本「やはり言語の壁はあると思いますし、戦術を理解するという点は彼女たちが一番苦労しているところだと思います。だからこそ、私たちがいかにコミュニケーションを取るかとか、ピッチ上で伝え続けるということも大事だと思います。」

――GKの目の前にはナイジェリア出身のDFオケケ・チディンマ・ンケルカ選手がいたりします。どう指示を出していきましょうか?

松本「ねー、どうしましょう(笑)でも、彼女の良さを引き出していきたいというところでは、私はリアクションを取っていくという部分も多くあると思います。まだ一緒に長くプレーしていないですが、良く見て、彼女の特長やストロングポイントを見つけていきたいと思います。」

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――この秋はアジア大会中国・杭州にも緊急招集されました。グループステージの2試合目からベンチに入りました。

松本「私にとっては久々の日本代表でしたが、日の丸を背負うということは目指していたことでもありました。今の日本代表が目指すサッカーを共有できたことは良い経験だったと思いました。」

――グループステージのベトナム戦では70分から出場しました。

松本「攻められる回数が少ない試合でした。グループステージはそういう試合が多かったですが、その中で自分がいかに他の選手と関わるか、また少ないピンチをどう防ぐかという点で、コミュニケーションを取ることも求められていたのかなと思います。若い選手が多かったのですが、みんな年上の私を温かく迎えてくれました。やりやすかったです。」

――日本代表として一つになって戦って、アジア大会優勝という結果をつかむことができましたね。

松本「本当に嬉しかったですね。周りの人も喜んでくれたので、改めて『応援されているんだなぁ』と心が温かくなりました。そして、この仙台でも結果が欲しいなとということを強く思いました。」

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――結果を追い求めていく3シーズン目のWEリーグが、11月11日にいよいよ開幕します。

松本「どうなっていくのかという想像ができない部分もあります。今シーズンは本当に難しい試合になると思っています。でも一戦一戦、目の前の試合を戦っていくということは変わらないと思います。自分のコンディションを整えること、そして自分のパフォーマンスを出せていれば何かが変わってくると思うので、全力を注ぎたいです。」

――チームが大きく変わっていく中で、一番後ろには松本選手がいる。こんなに心強いことはないと思いますよ。

松本「そう言ってもらえてありがたいです(笑)」

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――開幕戦の相手はちふれASエルフェン埼玉です。アウェーでのスタートになりますが、この試合にはどのように向かっていきますか?

松本「EL埼玉もWEリーグカップで悔しい思いをしている。その思いのぶつかり合い、拮抗した試合になるかなと思います。勝つことでチームも勢いに乗れるかなと思うので、スタートダッシュをかける試合にしたいです。」

――EL埼玉にはアジア大会を共に戦ったGK浅野菜摘選手がいますね。

松本「同い年ですし、若い時からずっと一緒にやってきた仲間です。自分の中では良いライバルです。GKとGK、ピッチ上では一番離れている距離にいますが、密かに『彼女だけには負けたくない』と思っている相手です。彼女との対決でも違いを見せていきたいです。」

 日本代表に続いて、今度はチームで結果を追い求める新シーズンがまもなく開幕します。ストイックに自分を磨きながら、体を張ってゴールを守り切る松本選手の活躍。チームを大きく前進させるGKの雄姿をスタジアムで後押ししましょう。

(マイナビ仙台レディース・オフィシャルライター 村林いづみ)
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著者プロフィール

東日本大震災により休部した東京電力女子サッカー部マリーゼが移管し、2012年ベガルタ仙台レディースが発足。2017年に株式会社マイナビとタイトルパートナー契約を締結しマイナビベガルタ仙台レディースとなりました。 2020年10月にWEリーグへの参入が正式決定。2021年2月より「マイナビ仙台レディース」とクラブ名を改め、活動をスタート。選手達の熱いプレーが多くの方に届くような盛り上がりをともに作っていきます。仙台、東北から日本全国、全世界に向けて、感動や勇気を与え、WEリーグ優勝を目指し活動しています。

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