PV撮影ウラ話 「兜はかぶりたくない」立川理道キャプテンが心変わりした理由
クボタスピアーズ船橋・東京ベイが毎年制作するプロモーションビデオの最新作、2023-2024バージョンが完成、公開されました! 今シーズンのテーマは“戦国武将・北条氏綱の名言「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」”。昨シーズン優勝という結果に驕(おご)ることなく、常に挑戦者として勝利を、そして優勝を目指す――そんな強者としての証をプロモーションビデオで表現しています。
今回の撮影はクラブハウスやグラウンドのほか、スタジオでも行われました。10月某日、東京スカイツリーを間近に望む隅田川沿いのスタジオに颯爽と現れたのは、立川理道選手、木田晴斗選手、根塚洸雅選手、デーヴィッド・ブルブリング選手、ルアン・ボタ選手、オペティ・ヘル選手、アシペリ・モアラ選手。精鋭7人がカメラの前で奮闘する姿をキャッチしました!
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
スタジオに入って最初に目に入ったのが、この神々しい佇まいの兜。どうも見覚えがあるので確認してみると、その予感は的中しました。メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、ホームランを打ったチームメートにかぶせていた、あの“ホームラン兜”とまったく同じものだったのです! 鹿児島の「甲冑(かっちゅう)工房丸武」さんにお願いしてつくってもらったという貴重な兜を、まずはトップバッターの木田選手がかぶって撮影に挑みました。
木田選手が兜をかぶったのは子どもの頃以来2回目。撮影中は「兜がぶれたらあかん!」と気にかけていたそう
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
叫ぶ表情にも気を遣ったという木田選手。「日本の文化に触れて身が引き締まりました。先だけを見ず、目の前の試合に全力で取り組んで、今シーズンもいい景色を見られるように頑張ります」と真剣な表情で話してくれました。
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
ルアン選手は「兜だけでなく、鎧(よろい)も着たかった!」と満面の笑み。スタジオでの立ち居振る舞いを見て、モデルとして通用するのではと勝手ながら思っていました。甲冑姿もとても似合いそうです。「日本代表入りを見据えて、いつにも増して大切なシーズンになります。毎試合積極的にプレーして、リカバリーにも励みたいです」
カメラの前でも休憩中でも、常にオーラがあふれ出ていたルアン・ボタ選手
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
デーヴィッド選手は「兜はテレビや映画で見たことはありますが、特別な存在でした。実際に触れるのは今日が初めて。歴史を感じますね。今シーズンも優勝目指して、チームのために貢献します」と真摯に感想を話してくれました。
デーヴィッド・ブルブリング選手の優しい笑顔に癒やされました
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
オペティ選手は兜の重さを体感して「兜Heavy! 侍すごい! 最強すぎる!」と興奮を隠せない様子。屈強なオペティ選手でも重いと感じるとは、完全に予想外です。
つい見とれてしまうオペティ・ヘル選手の筋肉。この腕にぶら下がってみたい……!
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
アシペリ選手は「昨シーズンはケガで思うように試合に出られませんでした。今シーズンは、プレーオフ決勝戦に出てチームを優勝に導くことが目標です」と決意を新たにしていました。
カメラに向かって絶叫するアシペリ・モアラ選手、迫力満点!!
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
撮影が終盤に差し掛かったところで、根塚選手が兜をかぶって登場。すると、後ろで準備していた立川選手が「めっちゃ似合ってる! 大河ドラマで敵にすぐやられて、序盤でいなくなるキャラやなぁ(笑)」と楽しそうにいじっていました(なお、根塚選手本人には聞こえていなかったと思われます)。
ファッション誌『Safari』でスタジオ撮影経験がある根塚選手。カメラの前でも堂々としていました!
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
そんな根塚選手にコメントを求めると、「兜だけでなく、鎧もつけて戦っていた昔の人は純粋にすごいなと思いました。筋力めちゃくちゃ必要ですよね。今季は、個人としてはベストフィフティーンに入ることが目標。トライでチームに力を与えられる存在になりたい」と抱負を述べてくれました。
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
昨シーズンの王者だからこそ「勝って兜の緒を締めよ」
撮影のトリを飾ったのは、キャプテンの立川選手。実は撮影前「兜をかぶりたくない」と周りに言っていたそう。その理由を尋ねると、「単純に恥ずかしくて……。でも“勝って兜の緒を締めよ”(=敵に勝っても油断しないで、心を引き締めよ)という北条氏綱の名言もありますし、やるしかないな、と思い直したんです」と教えてくれました。
カメラ目線で兜の緒を締める立川キャプテンの姿に、みなぎる闘志を感じました
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
「オレンジアーミーにはいつも力をもらっています。天気が悪い日の試合でも、大分県など遠方の試合でも応援してくれて、僕たちの活力になっています。今季はチャンピオンとして臨む初のリーグワンになりますが、過去は過去。心新たにトロフィーを獲りに行くんだ!という心構えで、目の前の一戦一戦に集中したいと思います」
【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
この槍(やり)は、クラブハウスキーパーの佐藤和敏さん(通称:かずさん)が手づくりしたもの。立川選手は愛情のこもった“スピアー”を手にして、「かずさんを始め、スピアーズのスタッフとのつながりを感じますね」と話していました。
選手やスタッフの今シーズンにかける思いがたっぷり詰まった新作プロモーションビデオの90秒バージョンはこちら。30秒バージョンは「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24」の試合会場で視聴できます。ぜひご覧ください!
取材・文・撮影:せきねみき(ライター・コラムニスト)