捕手陣の話
しかし、FA・助っ人・トレードと昨オフからあらゆる手段でテコ入れを行った結果、大きなプラスとまでは言わないものの以前よりもかなり見栄えのする顔触れになった。
来週にはドラフト会議が行われ、おそらく捕手も1人は指名されるだろう。その前に現在在籍している捕手8人について「今季の簡単な振り返り」と「来季への期待」を書いた。
ちなみに、リードに関しては言及するつもりはない。結局のところ「打たれたら悪い・抑えたら良い」になるし、スコアラーがデータを収集してコーチ・投手と打ち合わせしている以上、捕手だけの責任になるとは思っていないからだ。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
WBC出場のため春季キャンプで投手陣とコミュニケーションを取れなかったので今季マスクをかぶる機会は少ないかと思われたが、スタメンで29試合・途中出場でも1試合と予想以上に起用されている。
スタメンマスク時は打率.283/OPS.872と打撃に悪影響が出るどころかむしろ良い結果が出ており、肝心の守備も凄く上手い訳ではないが破綻してはいない。「1B/DHメインで3番手捕手を兼任してくれれば」くらいに思っていたが嬉しい誤算である。
▶2024年に向けて
彼が離脱すると打力が一気に落ちてしまうので、来季もまずは「健康第一」である。ただ、1B/DHと捕手の候補を比較するとどうしても前者の方が使いたい選手が多いので、40~50試合程度スタメンマスクをかぶってくれると非常にありがたい。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
今季は開幕一軍こそ果たしたものの、約2カ月半でスタメンは10試合のみと完全に控え扱い。6月8日にインプレー中にミットを外して失点を喫するという“やらかし”で翌日に問答無用の二軍落ちとなった。
それでもシーズン最終盤の9月26日に再昇格を果たすと、出場5試合のうち4試合でスタメン起用されて打率.286/OPS.643と打撃でまずまずのアピール。良い形で終われたのは良かった。
▶2024年に向けて
清水は高卒3年目の18年に札幌ドームを本拠地に86試合で7HRを放ちOPS.643、4年目の翌19年には98試合でOPS.686を記録している。最近は小さく纏まっているきらいがあるが、打撃の才能が無い訳が無いのだ。
ブロッキングなど捕手としての技術は問題ないと思っているし、守備に関する“些細な事”を突っ込まれないくらい打ち続けて欲しい。来季こそは「打てる捕手・清水優心」が見たい。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
一方の打撃では古巣オリックス相手に打率.327/OPS.800を記録したものの、他のパ4チームに対しては打率.180/OPS.450未満とボロボロ。来季は流石にOPS.550は超えて欲しいところだ。
中島卓也や谷内亮太といったベテランが二軍にいる時間が多かったため、自身も移籍1年目ながら若手のメンター役を担ってくれたのは有り難かったものの、同時にファンながら申し訳なさも感じてしまった。
▶2024年に向けて
21年は.415・22年は.324とむしろ優秀な部類だったので、しっかりケアをして少しでも戻して欲しい。今のフレーミングでそこそこ刺せれば、仮に打撃が戻らなくても何とかなる。伏見寅威と北海道で優勝したい。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
一軍では打率やOPSが低調なだけではなく、47打席/1四球/15三振とアプローチも壊滅的な数字に終わっている。昨季も108打席/8四球/23三振と良くなかったものの、それでもまだ平均をやや下回る程度に収まっていた。
ポンセとのバッテリーでは今季4勝のうち3勝が古川とのバッテリーで相変わらず相性は良かったものの、今季ベストピッチだった最終登板が清水とのコンビだったのも不安材料である。
▶2024年に向けて
今季二軍では1B/OFでも多く起用されているが、打てるなら捕手に拘る必要はないと思う。将来的にはコンバートも視野に入れて良い。上位打線を任せられるだけの打撃ポテンシャルは秘めていると思っている。
※成績は日本ハム時代のみ 【しろくま】
▶2023年を振り返り
しかし、9-10月で打率.183/OPS.452と閉幕直前に大ブレーキ。ここまで一軍で起用される事が無かったので疲労が出たか、それとも9月に入ってLFや2Bを就くなど守備の負担が増えた事による影響なのかは不明だが、最終的に平凡な打撃成績に終わったのは残念である。
とはいえ、僅かではあるがチーム平均OPS(.641)は超えているし、ボール球に滅多に手を出さずコンタクトに優れている打撃は数字以上に評価すべきだろう。現在のメンツなら松本剛と共に数少ない1番打者候補だと思っている。
▶2024年に向けて
となると、やはりセンターラインを守って欲しい…もちろん2Bではない、捕手だ。せめて3番手クラスの守備力があって週1スタメンで出られれば充分なので、まずは「1B/LFも守れるOPS.700の打撃型捕手」になって貰いたい。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
今季は二軍では投手以外の全8ポジションをこなしてチーム最多の101試合に出場したものの、捕手としての出場は3試合/7.0回だけ。一軍では途中出場ですらマスクをかぶらなかった。
一方の打撃では二軍でキャリアベストの4三塁打・9HRを放ったものの、OPSは平凡な数字に終わっている。ただ20年以降改善しているBB/Kは今季も0.56と平均以上。
▶2024年に向けて
郡といえば21年4月に特例で抹消されるまで打率.282/OPS.667を記録して1番3Bで起用されたのが印象的である。あれくらい打てれば日本ハムOBで広島や読売で活躍した木村拓也の様になれるのでは?
【しろくま】
▶2023年を振り返り
しかし、9月22日に今季初の一軍昇格を果たすと10試合で猛アピールに成功。球場が狭い鎌スタを本拠地に二軍通算977打席で3HRしか打てなかった彼が、僅か31打席で2HRを放ってみせた。
守備でも現在行われているフェニックスリーグも含めて盗塁阻止を連発(昨年は肘を痛めていたらしい)。一気に来季の正捕手候補に躍り出たと言って過言ではないだろう。
▶2024年に向けて
来春キャンプは野球人生のターニングポイントになるだろう、まず初っ端で「秋の姿は偶然じゃないんだな」と首脳陣に思わせて欲しい。狙うポジションはもちろんLFではなく捕手だ。
【しろくま】
▶2023年を振り返り
特に開幕直後は打撃が絶好調だったので、若手捕手陣では頭ひとつ抜けた存在になるかと思われたが…終わってみれば一軍での出場試合数は捕手陣で(郡と並び)最少で、この起用に関しては疑問が残る。
打撃の調子が落ちてきた頃に一軍昇格したのは実績が無いので仕方ないにしても、6月9日から7月28日の1カ月半も帯同して出場は7試合のみ。6月28日にようやくスタメン起用されて上原健太を7回無失点の好投に導いたものの、2度目のスタメンは巡ってこなかった。
▶2024年に向けて
昇格後すぐにスタメンマスクで起用された古川や田宮とは何が違ったのか…“打席での期待感”だろうか?“選手としての華”だろうか?おそらく守備では無いだろう。ひとまず彼に出来るのは、声がかかるまで二軍で結果を残し続ける事だけだ。
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