セレッソ大阪が仕掛けた“セレ女デー”、女性新規来場者が30%増加。スタジアムでの非日常、「サッカーを選ぶきっかけに」

セレッソ大阪
チーム・協会

セレ女デー特別フォトブースにて。来場者先着10,000名様に配布された日本ハムオリジナルホッケーシャツも着用 【CEREZO OSAKA】

2023年9月30日、ヨドコウ桜スタジアムで開催されたセレッソ大阪VS湘南ベルマーレ(明治安田生命J1リーグ 第29節)。18:00のキックオフ数時間前から、スタジアム周辺は一際多くの人で賑わっていた。それもそのはず、この日はセレッソ大阪が若い女性に喜んでもらえるようさまざまな企画をした「セレ女デー」が開催されていたのだ。セレ女デーは、名前を変えながら毎年若年層の女性の初来場を促す施策として実行してきたもの。今回は「可愛いが溢れるセレ女デー」をテーマに、「初めての観戦で緊張するけど、スタジアムに行ってみたい!」と思うポイントが詰め込まれていた。企画を主導した株式会社セレッソ大阪 事業部ファンマーケティンググループの生田修也さんも、「いろんなエンタメの選択肢があるなかで、サッカーを選ぶきっかけになってもらえればなと。初めての方々にこそ思い出に残るようなイベントを意識しました」と思いを語った。その効果は如実に数字に現れており、「当初目標としていた来場者数を5,000人上回った」そうだ。当日の様子と、企画の裏側に密着した。

「あの選手イケメンじゃない...?」も、サッカー観戦へのひとつの入り口

ワイルドイケメン部門1位の香川真司選手と 【CEREZO OSAKA】

特に力を入れていたのが、「推しを見つけろ!イケメン総選挙」。9月の中旬に1週間かけて「さわやかイケメン」「ワイルドイケメン」「おしゃれイケメン」の3部門で投票が行われた。試合当日は、等身大パネルの設置をもって各部門の1位を発表。この日一番のフォトスポットとして、観戦仲間と写真を撮る来場者が後を絶たなかった。「あの香川選手や!」という声から、「この人めっちゃかっこいいねんけど、誰?」と初々しい声、「全員と撮っておきたい」というサポーターまで、楽しんで撮影している様子が印象的だった。サッカー観戦のレベルはさまざまあれど、全員にとって普段とは異なる試合前の楽しみとなっていたに違いない。

さわやかイケメン部門1位の鳥海晃司選手と 【CEREZO OSAKA】

“非日常感”が、観戦体験を彩っていく

セレ女デー特別フォトブースやヘアアレンジ・ネイル・フェイスペイント体験ブースも、本企画のポイント。パートナー企業からは化粧品など女性向け商材のブースが並び、合わせて女性にとって“ちょっと嬉しい”要素を作り出していた。年6回ほど観戦に来るという女子高校生ら二人組も、「いつもと違って、フェイスペイントが楽しみです」。別のファンからは「クラブを盛り上げるためにも、こうした新たな企画はどんどん取り入れてほしいです」。サポーターにとっても、セレ女デーならではの楽しみがあったようだ。また、来場者先着10,000名様には日本ハムオリジナルホッケーシャツ、15,000名様に選手らの私服コーデオリジナルカードを配布。セレ女デーを機にサポーターの友達を交えて初めて観戦に来たという女性5人組も、「ホッケーシャツがかわいいので楽しみにしていた」。「選手からも、かわいいと好評でした。ベースボールシャツはよくあるので、特別感のある工夫を入れたかったんです」と生田さんも語る。

ベルェベル美容専門学校の学生がヘアアレンジ、ネイル、フェイスペイントを担当 【CEREZO OSAKA】

セレ女デー特別フォトブースにて 【CEREZO OSAKA】

スペシャルゲストには、大阪を拠点とするインフルエンサーのフォーエイト48と、2022年に“きつねダンス”のパフォーマンスが大流行した日本ハムファイターズオフィシャルチアチーム ファイターズガールが来場。試合前のトークショーや、ハーフタイムでのスペシャルライブで会場を盛り上げた。

日本ハムファイターズオフィシャルチアチーム ファイターズガールによるトークショー 【CEREZO OSAKA】

インフルエンサー フォーエイト48によるハーフタイムショー 【CEREZO OSAKA】

初観戦の起爆剤となった、2クラブが連携したコラボ

もうひとつ、多くの女性の初サッカー観戦につながったのがスマートフォンゲームアプリ『アイドリッシュセブン』に登場する人気二人組アイドルグループ「Re:vale」とのコラボだった。メンバーの百(モモ)がもともとサッカー選手を目指していたものの怪我で断念したという背景から、再びサッカーに関わっていることに喜ぶファンも多かったようだ。限定コラボグッズの販売に加えて、コラボビジュアルのスタンディパネル・オリジナルユニフォームの展示、スタジアム内ビジョンでのRe:valeの二人からの応援メッセージ放映が実施された。

コラボビジュアルのスタンディパネルにて 【CEREZO OSAKA】

Re:valeコラボオリジナルユニフォームの展示 【CEREZO OSAKA】

また今回は、湘南ベルマーレ側とも連携。Jリーグの試合でアウェーのチームがグッズ販売に関わるというのはなかなか見られない光景だ。「セレッソではこれまで他にも思い切った企画を実行してきました。セレッソわくわくキッズDAY(※1)でお笑い芸人の小島よしおさんに教育の講義後にパンツ一丁の正装でレフェリーエスコートをしていただいたり、ほかのアニメ作品とのコラボデーでは声優さんにグラウンドで爆走いただいたり...さまざまな話題作りに挑戦してきました。それもあって今回(代理店経由で)お声がけいただいて、ベルマーレさんもぜひという話になり、実現しました。実際、コラボをきっかけに初めてスタジアムに足を運んでくださった方も多かったので、狙い通りでしたし嬉しかったです(生田)」。参加者からは「サッカーを好きになれたらと思います」「ペンライトが振れる(※2)と聞いて楽しみにしてきました」などと、新鮮な体験を楽しみにしている様子が見られた。

※4/29 広島戦に開催したお子様向けイベント
※SAKURA NIGHT実施ゲームのみ(2023シーズンは9/30が最終日)

コラボグッズを持つ姿も多く見られた 【CEREZO OSAKA】

セレッソファミリーへ、スタジアムでの特別な時間を

「普段生活していると、日常を忘れられるような瞬間って少ないと思うんです。だからこそ、スタジアムでは非日常を感じてもらいたいですね。演出、応援の声、グルメ、場外ステージなど全ての観戦体験を通じてエンタメとして届けていきたいと思っています。サッカーのチケットを提供するというより、スタジアムでの特別な時間を提供することを大切にしたいなと(生田)」。元をたどると、柿谷 曜一朗(現・徳島ヴォルティス)や山口 蛍(現・ヴィッセル神戸)らが在籍していた2013年頃から“セレ女”という言葉が見られるようになった。上述の2名が日本代表の一員として参加し、柿谷が得点王に、山口が最優秀選手となりチームとしても優勝を手にした東アジア選手権を境にファンが急増。練習拠点である舞洲でのファンサービスにも人が流れ込んだ。「最近は当時ほど聞かなくなった言葉だと思います。SNSで選手の素顔を発信したり、女性やお子様が来場しやすい環境づくりを意識したりして、また巻き返したいですよね。試合前からスタジアムを楽しんでいただける仕掛けは、社員全員が考えております。今日来ていただいて、少しでも楽しかったな、面白いなと思ってもらえたら、ぜひまた観戦に来ていただけると嬉しいです。そうしてセレッソファミリーの輪が広がっていくように、クラブとしてこれからも取り組んでいきたいと思います(生田)」。今回の企画を機に、確実に新たな“セレ女”が増えたのではないだろうかーーー。サッカー自体が最初の入口でなくても、セレッソが好きだという気持ちに変わりはない。チームへの思いを共有する仲間と、声に出して選手を応援するという非日常的な空間。それこそがスタジアム観戦の醍醐味だとあらためて確信したセレ女デーとなった。
(文=市川紀珠 / Link Sports)

※写真は全て参加者の方に許可を得て掲載しております

特設パネルの前では多くのサポーターが記念撮影を楽しんだ 【CEREZO OSAKA】

来場者先着10,000名様に配布された日本ハムオリジナルホッケーシャツ 【CEREZO OSAKA】

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