新王者が誕生か!? スプリンターズSを分析

JRA-VAN
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2022/10/2 中山 11R スプリンターズステークス(G1) 1着 2番 ジャンダルム 【Photo by Tomoya Moriuchi】

今週は日曜日にスプリンターズSが行われる。秋のG1シリーズ開幕となる一戦で、今年はナムラクレアらが人気の中心になりそう。春の高松宮記念を制したファストフォースは引退したため、本競走を勝った馬が芝短距離の新王者となる。スプリンターズSの過去傾向をJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析してみたい。

前走1着や4着が好成績

■表1 【2015年以降の前走着順別成績】

馬場改修後の2015年以降における前走着順別成績を調べたところ、前走1着が勝ち馬4頭を出すなど好走率が高かった。また前走4着の連対率や複勝率も優秀だった。基本的には前走3着以内に入っていることが望ましいが、前走4~5着でもいい成績が期待できる。一方、前走6着以下だと好走率がかなり下がる。

前走セントウルS好走馬が有力

■表2 【前走3着以内馬の前走レース別成績。一部割愛】

前走3着以内馬の前走レース別成績を調べたところ、前走セントウルS出走馬が【3.3.0.14】連対率30.0%の好成績を残していた。一方、キーンランドC出走馬は【0.1.2.10】連対率7.7%、北九州記念出走馬は【0.0.1.12】複勝率7.7%と、セントウルS好走馬に比べて明らかに劣勢だ。

内枠を引いた前走4~5着馬が好走

■表3 【前走4~5着だった好走馬】

前走4~5着だった好走馬を調べたところ、5頭中4頭がスプリンターズSで1~2枠を引いていた。中山芝1200mは枠順の有利・不利があまりないコースだが、本競走においては注意したい。

オーシャンS勝ち馬や高松宮記念連対馬は軽視禁物

■表4 【前走6着以下だった好走馬】

前走6着以下だった好走馬4頭を調べたところ、サクラゴスペルとジャンダルムは同年のオーシャンSを勝っていた。そしてレッツゴードンキとナランフレグは同年の高松宮記念で連対していた。こうした実績を持っている馬であれば、前走6着以下に敗れていても軽視はできない。

セントウルSを逃げ切った馬は危ない

■表5 【2015年セントウルS上位馬の次走成績】

セントウルSは最重要ステップレースだが、逃げ切り勝ちを果たした馬は危ないかもしれない。15年セントウルSは10番人気アクティブミノルが逃げ切ったが、次走スプリンターズSは9着に敗退。セントウルSでメンバー中3位の上がり3ハロンをマークしながらも4着に敗れたストレイトガールが次走スプリンターズSを勝利した。16年は1番人気ビッグアーサーがセントウルSを逃げ切ったが、次走スプリンターズSはまさかの12着に敗退した。

【結論】

セントウルS2着のアグリに注目

今年のセントウルSは14番人気のテイエムスパーダが逃げ切り勝ちを収めた。伏兵馬がまんまと逃げ切ったという意味では15年の同レースと似ているので、今回はメンバー中1位の上がり3ハロン(32秒4)をマークしながらも2着に終わったアグリに注目してみたい。

キーンランドC1着のナムラクレア、北九州記念1着ジャスパークローネや2着ママコチャも有力だが、勝ち切ることができるかどうか。枠順を見てから評価を下したい。

前走4~5着の出走予定馬はおらず、あとは前走6着以下だった馬の巻き返しがあるかどうか。ナランフレグやピクシーナイトは実績上位だが、G1制覇はかなり前の出来事なので勝ち負けまではどうか。マッドクールは今年のシルクロードS(3着)で高松宮記念1、2着馬と接戦を演じ、中山芝1200mの春雷S(21年の勝ち馬はジャンダルム)を勝っているので期待する手はあるだろう。

ライタープロフィール


小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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