ヤクルトスワローズ 23年ドラフト考察の戦力分析

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チーム・協会

【ヤクルトスワローズ 23年ドラフト考察の戦力分析】

【これはnoteに投稿された早坂 レイさんによる記事です。】

【戦力分析 野手編】

まず1番の課題として考えているのが、

3年後に控える『野手2026年問題』

村上宗隆のMLB移籍と想定されるのがこの年。

この頃には、

(*年齢は3年後)
山田哲人(34) 塩見泰隆(33)オスナ(34) サンタナ(34) 彼らが

・他と比べて優れた成績
・これまでのような成績 を残すことができない

こんな事態が十分考えられる。

山田は既にその兆候が見えかけているし、
塩見もスペが再燃&まだ実働2年半
オスナサンタナも3年後には去就不明

連覇ヤクルトを背負った打線の核である
村上含めたこの5名全員とは言わずとも、
その多くが2026年も 強打者として君臨しているか?
と言われたら答えはNoだ。

現一軍プロスペクト 中軸になり得ない

既に一軍定着をしている"ヤングスワローズ"で言うと
長岡秀樹(22)がその筆頭だが、
彼は「中軸か?」と言われると首を縦に振れない。

内山壮真(21)は将来的に中軸を打てる可能性のある逸材であるが、
彼はその前に正捕手としての鍛錬が先決なのが大前提。

捕手は丁寧に時間をかけて育てていくポジション。
小さな身体であの打撃は天才的だと思うが、
正捕手と中軸を同時に背負わせるのは気の毒だ。
(結果的にそうなってくれているとありがたいが)

【早坂 レイ】

武岡龍世(22) 並木秀尊(25) 丸山和郁(24)
現一軍のヤングスワローズたちは、
どちらかと言うと「渋い活躍をするタイプ」。

もちろんチームには必要なピースだが、
『野手2026年問題』を解決する選手としては
まだまだ打撃面では力不足と言えるだろう。

3年後の中軸候補になるプロスペクト

※以下二軍成績(9/21時点)

澤井 廉(24) 外野手(左右翼)
打率.260(300-78) 18本 出塁率.347 OPS.853

中京大学卒のドラフト3位ルーキーが
イースタンリーグで早速無双中。

積極的なフルスイングが信条のマッチョマンで、
意外と四球を獲得できるのも強み。

しかし、一軍での打席を見ている限り
一軍級の速い直球や変化球への対応には苦労していて

神宮球場で豪快なバット投げを披露しまくるには
もう一段レベルを上げる必要がありそう と見ている。

左の浅村栄斗(西武→楽天)のような成績に期待。

濱田 太貴(23) 外野手 (9/21時点一軍成績)
.238(235-56) 5HR 出塁率.295 OPS.665
※濱田は既に半一軍戦力ではある

18年ドラフトの高校生外野手→今年が5年目。
澤井・北村と同学年。

うーん...。期待はしているのだけれど。
なんとなく「外野の廣岡大志」を想像してしまう。

廣岡よりも打率は若干高いけど、
飛ばす能力や選球眼は廣岡に軍配が上がると思う。

廣岡よりも年単位の打席数は多くもらっているし、
De→中日・細川を例にして まだまだ伸びると思うが…。

いまいち確証が持てない。

北村 恵吾(23) 三,一,二塁手
打率.241(311-75) 10本 出塁率.307 OPS.696

こちらも大学卒(中央大)のドラフト5位ルーキー。

・三振が少ない ・選球眼が良い
両方を兼ね備えたヤクルト好みの右打者。

以上のことから打席の中での対応力は高く、
現時点では一軍には澤井より対応できているように見えた。

最近は小森航太郎(20)の怪我もあり
下でショートとして試合に出ていて、

そんなに見ているわけではないので何とも言えないが
ゲッツーなども含め無難にこなしているように見えたし

将来的には二,三のスタメン両にらみ なんてのも考えられる。

ただ、北村も非常に良い打者だと思うが
完成系の役割は

「長打力が少し増した宮本丈」

(宮本は代打が主戦場 出塁率や確実性が武器の打者
二外でたまにスタメンで出て渋い活躍をする)

として、今のところ想定している。

宮本丈も非常に良い打者で
重要な役割を担っていると思ってはいるが、
中軸かと言われるとまた違う。

北村も 当然ここから成長する可能性はあるが、
今のところ将来の中軸として将来を嘱望されているか
と言われたら それもまた違う。




西村瑠伊斗(19) 三塁手,右翼手
打率.180(261-47) 3本 出塁率.218 OPS.483

京都外大西高からのドラフト2位ルーキー。

打撃は天才的センスを持ち
178cmながらとんでもない飛距離を出す選手だ
と評されていた西村だったが、

1年目はその打撃でも苦しむことになった。

三振率も32.6%とかなり高い。

ただ西村に関しては、
人生初挑戦のサード守備への適応に
かなり時間を割いていると思われるので、
(高校では投手にも力をかなり入れていた外野手)

その分打撃と向き合う時間が取れずに
プロの投球に対して より苦戦を強いられた
と考えることもできるだろう。

さらに西村は
6/4には100打席近くで打率.108まで下がっていたが
その後は.240(150-36)と、それなりに上げてきている。
※独自計算ゆえ間違っている可能性あり 参考程度に

3本打っているホームランも全てチェック済みだが
やはり天才的な飛距離だった。

個人的にかなり好きな選手でもあるので
とにかく活躍してほしい気持ちもあるが、

フラットな目で見たときに
流石に将来を計算できる選手とは まだ思えない。


上記4名では まだ準備不足

澤井,濱田,北村(23) 西村(19)

現状中軸を任せる候補として
ヤクルトが抱えているのがこの4名。

逆に言えば、
濱田+22年指名した野手3名しかいない。

『野手2026年問題』を解決するうえで
この4人に賭けられるか? それは難しい。

上記4名と、
2年以内にドラフトで+2名
(外国人野手入れ替えで+1-2名)

計6名の日本人強打者候補生たち&外国人1-2名から
『野手2026年問題』対象の5名分の打撃力を
なんとか補えるよう準備しておきたい。

全員が全員戦力になるかと言われたら難しいので。

近年は外国人野手の当たりを見つけるのが
NPB全体で難しくなっているのもあるので、

いくら外国人野手を当てるのが上手いヤクルトと言えど
日本人育成も上手い球団なわけなんだから
あまり頼りすぎないようにしておきたいところ。

後述するが、外国人先発投手にお金を使いたいという面もあるし。

ヤクルトは"打ってナンボ"のチーム

これは皆異論ないだろう。

神宮球場の特性なのか,球団の伝統なのか

先発投手が育たない分 野手が打ちまくってカバーする

それで優勝していくチームだ。

(後は中継ぎが鉄壁であるのも条件の1つ)

【早坂 レイ】

投手も 当然成績上足りていないわけだが、
だからと言って野手への投資を今怠っていると

いつも通り打たれまくるし、強みの打もダメダメ
史上最弱級だった2017年の再来だろう。

得意な育成分野であり強さの源泉である「打」に
今こそ注力しておかなければならない。

流れ次第①高校生ショート

強打者を1人確実に上位で確保しておくとして、

4-5位以下で良い選手が残っていれば
高校生ショート/捕手の指名を検討しても良いだろう。

長岡・武岡の早期一軍戦力化もあり、
良い意味で二軍のショートがガラ空きに。

小森航太郎(20)が怪我がちなこともあり、
赤羽(23)北村(23)など本職でない選手たちが
8月以降練習がてら(?)ショートをやっている。

せっかくの二軍のショートという育成ポジションを
本職でない選手や中堅選手に守らせてばかりはもったいない
→高校生のショートを指名して「野手」として育成したい
と考えるのは自然な流れ。

流れ次第②高校生捕手

捕手は中村(33)内山(22)古賀(25)体制が長く続くだろうし
松本直樹(30)も他球団なら一軍クラスの選手だから
一見盤石に見えるポジションだが

前述の画像の通り捕手は育成に長い年月が必要。
→そろそろ1人高校生捕手の英才教育枠が欲しい。

1人の人材をじっくり育てたいので、
素材はかなり選ばなければならない。

しかし、優先度としてはそんなに高くない。
→5位以下でお眼鏡にかなう捕手が残っていれば指名
そうでなければパスでも良いカテゴリ。

【戦力分析 投手編】

先発は現有戦力底上げの時期

①小川泰弘(33) ②サイスニード(31) ③ピーターズ(31)
④高橋奎二(26) ⑤小澤怜史(26) ➅E.ロドリゲス(26)
⑦吉村貢司郎(26) ⑧山野 太一(25) ⑨石川雅規(44)


④~⑧の投手たちは現在も一定の戦力として計算できつつ
更なる成長が求められる20台中盤の年齢。

今回はエルビン・ロドリゲスを6番目に位置付けたが
来年、再来年エースクラスになっていてもおかしくない逸材。

2年後ヤクルトにいないなら、そもそも今年来てないでしょ…
と思いたいので、去就については肯定的に見ている。

吉村も今年の登板数を見て7番目に位置づけはしたが、

怪我前も一定の完成度があったのと
怪我明けはフォークの精度も上がりかなり良くなっている

と見ているので、来年は7-8勝が十分射程圏内と考えている。


石川はローテの穴埋めとして200勝目指して頑張ってほしい。
(小学生並みの感想)

⑩奥川 恭伸(22) ⑪山下 輝(24)
ここを計算できないのが本当に悩みどころ。
奥川は動けば間違いなくローテなのは既に証明済み。

山下輝もかなり順調なプロスペクトだっただけに…。

ただこの2人を⑩-⑪に位置づけられるのは
ポジティブにも考えられるのではないだろうか。

⑫高梨裕稔 ⑬原樹理 ⑭吉田大喜
来年は捲土重来を期してほしい2人と
最近ファームで無難な結果を先発として残している吉田

原樹理はおそらくキャンプ頃から怪我していて
その影響が大きいのかな・・・

誰かしらが6先発はしてほしいところ。

ここまでの14人に加えて
高卒1-2年目の坂本拓己、竹山日向も含め
なんとか現有戦力の底上げを図ってほしいと考えている。

ドラフトで先発候補を優先的に補強しようとするよりも、だ。


というのも、

先発の相対的"弱さ" 改善って必要?

というのが、まず1点。

【早坂 レイ】

先ほども挙げた画像を繰り返すようで恐縮ですが。

先発が弱くたって、優勝を目指すうえで
足を引っ張りすぎない程度に戦力を確保できていれば
そんなに問題ではないと思っている。

近年で言っても、2015年も21-22年も
圧倒的打力と鉄壁中継ぎで勝ち切るスタイル。先発が相対的に弱くても優勝できた。

最近考えているのは、

ヤクルトが先発を揃えるって不可能なんじゃないか?

正確に言うと、

「攻撃力(野手)を犠牲にせずに」先発を揃えるのって不可能なんじゃないか?

ということ。

先ほど「ヤクルトは"打ってナンボ"のチーム」と書いたが、

育成が苦手な先発を頑張って揃えようとして
良い選手を!良い選手を!と先発ばかり投資していると

野手の素材が疎かになってしまい、
「先発はそこそこ揃ったけど、打撃が弱くて勝てない」
ということになりかねない。

更に、これに神宮球場補正がかかると思ってほしい。

・良い投手はいるけど神宮で良さが活かしきれない
・野手のスケールが小さく神宮ですら長打が出ない

→中途半端なチームになってしまい、結果勝ちきれない

これは、現状の編成から更に先発の投資を続け、
野手の投資を行ったヤクルトスワローズに
起こりうる未来だと思っている。

2010年台後半と比べて先発は明らかに揃いつつある。
それは近年のドラフト,外国人で先発に特化して投資した成果。

現有戦力は先ほど提示した通りで
具体的成績は各々でチェックしてもらいたいところだが、

これ以上先発を相対的弱みから脱却しようと
新規投資を続ける必要ってあるんだろうか?

今は投資対象をすくすくと育てて
連覇した21-22年の先発レベルを基準に改善に努め
新しい投資先は別のカテゴリに充てる

そんな時期なのではないだろうか。

外国人先発3人構想は合理的

サイスニ,ピーターズ,ロドリゲス

この3人を先発ローテに組み込めるというのは、
日本人先発投手の育成が苦手なヤクルトにとって非常にありがたい。

ヤクルトの日本人投手育成能力を考えると
中継ぎ>>>>先発なのは明らか。

だったら、今後も外国人枠を先発に多く割き得意な野手、比較的得意な中継ぎへとドラフト投資を注力してもいいんじゃないか?

とも考えられる。

【早坂 レイ】

中継ぎの人材不足の方が深刻

・来年も外国人先発3人構想を継続
・3人のうち誰か退団→外国人勝ちパ探し

どちらにせよ、中継ぎの人材不足の方が深刻である。

先発が相対的に弱くて良いというのは、
比較的得意分野である中継ぎの層が厚いことが前提。

連覇時の比べたとき、
23年は中継ぎの質も量も大きく下がったと言えるだろう。

外国人先発3人構想を続けるなら、
外国人投手に勝ちパターン等を頼ることは難しいので
なおさら馬力のある日本人投手が急務である。

詳細については先ほど提示した画像に
簡潔にまとまっているので、こちらをチェックしていただきたい。

次回これらを踏まえドラフト戦略を考察

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