【神戸スティーラーズ特別連載番外編/RWC2023フランス大会〜神戸から夢の舞台へ】 W杯前の国内5連戦全試合に出場のPR具 智元「自分たちのスクラムを組めば負けない」

チーム・協会

【コベルコ神戸スティーラーズ】

「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」を見据えた国内テストマッチ最終戦となるフィジー代表戦が、8月5日(土)東京・秩父宮ラグビー場で行われた。試合は前半7分、今年テストマッチ初出場のFLピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ)が一発退場となり、14人の日本代表は苦しいゲームを強いられる。後半、巻き返しを図り、2トライを返したが、最終スコア12–35で敗れ、日本代表は国内5連戦を1勝4敗で終えた。後半から出場したPR具 智元は、「トンガ戦で勝利し、今日は連勝したかったのですが…」と顔を曇らせるも、「本番はワールドカップです。チームとしても、個人としても、大会までによりレベルアップできるよう頑張ります!」と前を向く。(取材日:2023年8月5日)

全5試合に出場し、スクラムは自信を持てた。「もっと強気に組めるよう頑張ります!」

8月5日(土)満員の秩父宮ラグビー場で行われた「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」第3戦フィジー代表戦。
序盤にレッドカードが出てFWを1人欠く中で、日本代表はスクラムで劣勢を強いられる。
後半0分、フロントローを総入れ替えし、具はヴァル アサエリ愛(埼玉WK)に代わってグラウンドへ。
常日頃から心がけているよう「強気で行こう」と、のっけから気持ちを全面に押し出す。
後半開始2分、自陣22mライン付近でのマイボールスクラム。
気迫溢れる表情の具。
7人で組んだスクラムはピタリと止まり、齋藤 直人(東京SG)から代わったSH流 大(東京SG)がすぐさまパスアウト。
その後のスクラムではプレッシャーを受ける場面もあったが、
具は
「FW が7人ということで苦しい状況だったので、いつも以上に強気で組もうと思っていました。7人でしたが、いいスクラムを組めた場面もあって。ただ、重さを感じて、うまく組めない時もあったので、1つ1つのスクラムを大事に組んで、勝っていけるようにしないといけないと改めて思いました」と振り返った。
スクラムは、自身に課せられた最大のミッションだ。
ALL BLACKS VX(オールブラックス・フィフティーン)との2試合では、スクラムに手応えを感じたが、続くサモア代表戦では、ファーストスクラムから押し込まれた。
前半30分以降は修正し、見せ場は後半13分にやってきた。
自陣10m付近でのサモア代表ボールのスクラム。
サモア代表は、ニュージーランド代表50キャップを誇るPRチャーリー・ファウムイナを投入する。
そこで日本代表はスクラムを猛プッシュし、コラプシングの反則を得ると、具が吠えた。
「サモア戦ではスクラムで苦戦しました。もっと早くに修正しないといけなかったのですが、時間がかかってしまって。あのスクラムはしっかり押せて良かったです」
とはいえ、サモア戦はスクラムでプレッシャーを受けたことが悔しくて、その日の夜は眠れなかったと話す。
翌週に行われたトンガ代表戦はリザーブでの出場となり、後半13分、ピッチへ。
「サモア戦からスクラムをしっかり修正することができ、全体的に安定していたと思います」
7月8日から始まった日本代表の国内5連戦。
1勝4敗の結果となってしまったが、全5試合に出場した具は、スクラムに関しては自信を持ってこう言い切る。
「自分たちのスクラムを組めば負けないと感じることができました」
また、個人的には、初戦となった7月8日(土)のALL BLACKS VXとの第1戦では、久しぶりの実戦ということもあり、後半足が止まってしまいゲームフィットネスに不安を感じたというが、試合を重ねるごとに走れるようになってきた。
具といえば、スクラムだけでなく、フィールドプレーでもハードワークする。
「トンガ戦はキャリーもできて、フィールドプレーでも良いパフォーマンスを発揮することができました。今後はもっとワークレートを上げてチームに貢献できるようにしていきます」
8月3日(木)、フィジー戦の試合登録メンバー発表時のオンライン記者会見で、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはW杯メンバー33人について
「専門性の高いポジションについては、自分の中ではメンバーが決まっている。フロントローは3人ずつフランスに連れていく」と話していた。
スクラムの屋台骨を担う具は選出される可能性がかなり高いといえる。
出場すれば自身にとって2度目のワールドカップとなる。
「出たいですし、そのために頑張ってきました。ワールドカップでは、これまで以上に強気でプレーできるようにしたいです!」
W杯日本代表メンバー発表は、8月15日(火)。
具は、その日を心待ちにする。

取材・文/山本 暁子(チームライター)

今後の日本代表スケジュール
●8月15日W杯メンバー発表
●8月26日vsイタリア代表戦(イタリア・トレビーゾ)
ラグビーワールドカップ2023フランス大会 
●9月8日vsチリ代表(フランス・トゥルーズ)
●9月17日vsイングランド代表(フランス・ニース)
●9月28日vsサモア代表(フランス・トゥルーズ)
●10月8日vsアルゼンチン代表(フランス・ナント)

「スクラム以外のところでも、ワークレートをもっと上げてチームに貢献したい」と具 【コベルコ神戸スティーラーズ】

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著者プロフィール

兵庫県と神戸市をホストエリアとして、日本最高峰リーグ「NTTジャパンラグビー リーグワン」に参戦しているラグビーチーム「コベルコ神戸スティーラーズ」。チームビジョンは『SMILE TOGETHER 笑顔あふれる未来をともに』、チームミッションは『クリエイティブラグビーで、心に炎を。』。 ホストエリア・神戸市とは2021年より事業連携協定を締結。地元に根差した活動で、神戸から日本そして世界へ、笑顔の輪を広げていくべく、スポーツ教室、学校訪問事業、医療従事者への支援など、地域活性化へ向けた様々な取り組みを実施。また、ピッチの上では、どんな逆境にも不屈の精神で挑み続け、強くしなやかで自由なクリエイティブラグビーでファンを魅了することを志し、スタジアムから神戸市全体へ波及する、大きな感動を創りだす。 1928年創部。全国社会人大会 優勝9回、日本選手権 優勝10回、トップリーグ 優勝2回を誇る日本ラグビー界を代表するチーム。

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