【神戸スティーラーズ特別連載番外編/RWC2023フランス大会〜神戸から夢の舞台へ】 W杯前の国内5連戦全試合に出場のPR具 智元「自分たちのスクラムを組めば負けない」
【コベルコ神戸スティーラーズ】
全5試合に出場し、スクラムは自信を持てた。「もっと強気に組めるよう頑張ります!」
序盤にレッドカードが出てFWを1人欠く中で、日本代表はスクラムで劣勢を強いられる。
後半0分、フロントローを総入れ替えし、具はヴァル アサエリ愛(埼玉WK)に代わってグラウンドへ。
常日頃から心がけているよう「強気で行こう」と、のっけから気持ちを全面に押し出す。
後半開始2分、自陣22mライン付近でのマイボールスクラム。
気迫溢れる表情の具。
7人で組んだスクラムはピタリと止まり、齋藤 直人(東京SG)から代わったSH流 大(東京SG)がすぐさまパスアウト。
その後のスクラムではプレッシャーを受ける場面もあったが、
具は
「FW が7人ということで苦しい状況だったので、いつも以上に強気で組もうと思っていました。7人でしたが、いいスクラムを組めた場面もあって。ただ、重さを感じて、うまく組めない時もあったので、1つ1つのスクラムを大事に組んで、勝っていけるようにしないといけないと改めて思いました」と振り返った。
スクラムは、自身に課せられた最大のミッションだ。
ALL BLACKS VX(オールブラックス・フィフティーン)との2試合では、スクラムに手応えを感じたが、続くサモア代表戦では、ファーストスクラムから押し込まれた。
前半30分以降は修正し、見せ場は後半13分にやってきた。
自陣10m付近でのサモア代表ボールのスクラム。
サモア代表は、ニュージーランド代表50キャップを誇るPRチャーリー・ファウムイナを投入する。
そこで日本代表はスクラムを猛プッシュし、コラプシングの反則を得ると、具が吠えた。
「サモア戦ではスクラムで苦戦しました。もっと早くに修正しないといけなかったのですが、時間がかかってしまって。あのスクラムはしっかり押せて良かったです」
とはいえ、サモア戦はスクラムでプレッシャーを受けたことが悔しくて、その日の夜は眠れなかったと話す。
翌週に行われたトンガ代表戦はリザーブでの出場となり、後半13分、ピッチへ。
「サモア戦からスクラムをしっかり修正することができ、全体的に安定していたと思います」
7月8日から始まった日本代表の国内5連戦。
1勝4敗の結果となってしまったが、全5試合に出場した具は、スクラムに関しては自信を持ってこう言い切る。
「自分たちのスクラムを組めば負けないと感じることができました」
また、個人的には、初戦となった7月8日(土)のALL BLACKS VXとの第1戦では、久しぶりの実戦ということもあり、後半足が止まってしまいゲームフィットネスに不安を感じたというが、試合を重ねるごとに走れるようになってきた。
具といえば、スクラムだけでなく、フィールドプレーでもハードワークする。
「トンガ戦はキャリーもできて、フィールドプレーでも良いパフォーマンスを発揮することができました。今後はもっとワークレートを上げてチームに貢献できるようにしていきます」
8月3日(木)、フィジー戦の試合登録メンバー発表時のオンライン記者会見で、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはW杯メンバー33人について
「専門性の高いポジションについては、自分の中ではメンバーが決まっている。フロントローは3人ずつフランスに連れていく」と話していた。
スクラムの屋台骨を担う具は選出される可能性がかなり高いといえる。
出場すれば自身にとって2度目のワールドカップとなる。
「出たいですし、そのために頑張ってきました。ワールドカップでは、これまで以上に強気でプレーできるようにしたいです!」
W杯日本代表メンバー発表は、8月15日(火)。
具は、その日を心待ちにする。
取材・文/山本 暁子(チームライター)
今後の日本代表スケジュール
●8月15日W杯メンバー発表
●8月26日vsイタリア代表戦(イタリア・トレビーゾ)
ラグビーワールドカップ2023フランス大会
●9月8日vsチリ代表(フランス・トゥルーズ)
●9月17日vsイングランド代表(フランス・ニース)
●9月28日vsサモア代表(フランス・トゥルーズ)
●10月8日vsアルゼンチン代表(フランス・ナント)
「スクラム以外のところでも、ワークレートをもっと上げてチームに貢献したい」と具 【コベルコ神戸スティーラーズ】
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