「オリンピックコンサート2023 in 長野」開催
【「オリンピックコンサート2023 in 長野」を開催(写真:アフロスポーツ)】
「オリンピックコンサート」は、オリンピック映像とオーケストラ演奏を融合させ、スポーツファンのみならず、普段スポーツやオリンピックに親しみのない方にもオリンピックの価値や素晴らしさを実感してもらうことを目的に、JOCが1997年より毎年開催しています。
【今年25周年を迎えた長野1998冬季大会の映像を振り返る(写真:アフロスポーツ)】
【第1部】
2曲目は、チェコの国民的作曲家ベドルジハ・スメタナの代表作である連作交響詩「我が祖国」より『モルダウ』。スメタナの故郷ボヘミアを流れる川のうねりや煌めき、雄大さがドラマティックに表現され、スクリーンではアテネ1896大会から東京2020大会までの夏季オリンピックの軌跡が映し出されました。
3曲目は現代イギリスを代表する作曲家のひとりウィリアム・ウォルトン作の『スピットファイア 前奏曲とフーガ』が演奏されました。気品にあふれ、美しく壮大な曲に乗せ、スクリーンでは、シャモニー・モンブラン1924冬季大会から、昨年の北京2022冬季大会までの冬季オリンピックの歴史が紹介されました。
第1部のラストである4曲目は、スメタナの『歌劇「売られた花嫁」序曲』。華やかで疾走感あふれる曲に合わせ、北京2022冬季大会でのTEAM JAPANの勇姿が映し出されました。
【第2部】
次に行われたオリンピアントークコーナーでは、長野1998冬季オリンピックにも出場した荻原健司長野市長(スキー/ノルディック複合)がホストとして登壇し、ゲストオリンピアンを迎えました。
小学1年生から長野県白馬村で育った上村さんは、18歳で初出場した長野1998冬季大会を振り返り、「当時はまだ世界ランキングが30位台ほどでしたが、出場が決まったときは非常に嬉しかったことを覚えています。まだまだ課題があるようなレベルでしたが、目の前で里谷多英選手が金メダルを獲得した姿を見て、自分もそうしたアスリートになることができるよう努力することを強く決意したからこそ、その後の4大会でもチャレンジすることができたと思っています」と語りました。
【写真:アフロスポーツ】
続けて原田さんは「日本で開催された大会に出場できたことは奇跡だと思っています。その奇跡の舞台で『原田さんよかったね』と今でも皆さんに言っていただける結果を出せたことは非常に嬉しいです」と語りました。
【写真:アフロスポーツ】
一方、長野1998冬季大会の際にはまだ小学生だった菊池さんは「冬の遊びがスケートしかなかった環境だったので、当時はまだ遊びの一環でスケートをやっていましたが、世界で活躍されるアスリートたちの輝いている姿を見て、私もあのようになりたいと思ったことを、映像を振り返りながら思い出しました」と当時の思い出を振り返り、また「引退後、アスリートの育成やサポートを行う立場となり、オリンピックの見方が変わりました。アスリートが努力して、その結果が報われた瞬間に一緒にいることができることは、非常に幸せです。3年後のミラノ・コルティナ2026冬季大会に向けて、アスリートは日々トレーニングを行っています。本当に頑張ってもらいたいと思います」と、今後のオリンピック出場を目指すアスリートたちに向けてエールを送りました。
【写真:アフロスポーツ】
また、荻原次晴さんは「元々はオリンピックに興味はなかったのですが、兄(荻原健司長野市長)が先に国際大会で活躍してヒーローになったので、どこに行っても兄に間違えられるようになってしまいました。それが嫌で我々は双子だと証明するためにも、長野1998冬季大会出場を目指しました」と当時の思いを語りました。
続けて荻原健司長野市長が「引退後、私は指導者となっていましたが、その頃弟は頻繁にテレビ出演しており、よく弟と間違えられ、声をかけられたり、サインを求められたりしました。がっかりさせてはいけないと『荻原次晴』と書いたサインを渡したことも数回ありました」と思い出を語ると、荻原次晴さんも「今では私が長野市内を歩いていると『市長』と声をかけられることがあります。」と、双子ならではのエピソードを披露しました。
【写真:アフロスポーツ】
8曲目は、スメタナと並ぶチェコのもう一人の国民楽派、アントニン・ドヴォルザーク作曲『交響曲第9番「新世界より」第4楽章』が奏でられ、来年に迫ったパリ2024大会、そしてその先の未来を見つめ、挑戦を続けるアスリートたちが映し出されました。
最後の9曲目は、オリンピックの精神と理念を高らかに歌ったスピロ・サマラ作曲『オリンピック讃歌』。東京2020大会の開会式、閉会式でも歌われたこの曲を、日本のオペラ界第一線で活躍を続ける『二期会』所属の7名の実力派シンガーと、『長野市芸術館ジュニア合唱団』に所属する小学3年生から高校3年生までの39名が歌い上げ、華やかにフィナーレを迎えました。
鳴り止まない拍手の中、アンコールで演奏されたのは『栄光の架橋』ボーカルバージョン。再び『二期会』の7名のシンガーと『長野市芸術館ジュニア合唱団』所属の39名が美しいアンサンブルを聴かせてくれました。そして、最後に会場からは今回参加したアスリートたちに盛大な拍手が送られ、約2時間に渡るコンサートは盛況のうちに幕を閉じました。
【フィナーレでは『オリンピック讃歌』を合唱(写真:アフロスポーツ)】
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ