原点回帰で復活 河本結が上昇急
瞳が輝いていた。河本結、パー4の2番。残り80ヤードの第2打から放たれたボールは、ピン奥2メートルへ。しかし、バックスピンがかかり、見事なイーグル奪取にギャラリーがわいた。
「気持ちひとつで変わるんですね。久々のベストショット。心からうれしいと感じた」という。加えて、今季のベストスコア66をマーク。ついに、ついに上昇へ転じた。きっかけをつかんだのは、前週のステップ・アップ・ツアー、あおもりレディスオープンゴルフトーナメントだった。結果は12位タイ。ところが、忘れていた感覚が全身によみがえる。
「オープンウィークでしたけど、ステップの試合がある。久々に出てみよう」と思い立った。振り返ればルーキーイヤーの18年、ステップ4勝でランキング1位。上昇の足がかりになった。黄金世代の中心選手のひとりに加わり、米ツアー挑戦まで順風満帆の人生。しかし、さらなる高みを目指し20年4月から大幅なスイング改造を決断した。
「すべてを変えようと思った。でも、変化ばかりを求めすぎて元々、もっていた良い面まで失くして・・・。改造にとりつかれすぎ、すべてのことがわからなくなった」。苦笑しながら漏らしている。それはそうだろう。23年は18試合出場で予選落ちが13回で、棄権が2回。成績を残したのは、わずか3試合-かつて経験したことがない不振が続いた。
今大会は推薦出場。リランキング70位だけに、現在の状況ではJLPGAツアー出場を続けるのは困難だ。というわけで、最大8試合の推薦出場カードを第2回リランキングまでに集中させる。正念場を迎え、通算8アンダーで決勝ラウンドへ。
復活、と書いていいですか、と水を向けると、「もちろん」と即答した。スイングは理論ではない。なぜなら、ゴルフは感性のスポーツだから-。イーグル奪取は効果絶大だった。(青木 政司)
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