絶対わかる「勝ち投手と負け投手」
責任投手
決勝点とは
事例①
A 0 0 0 0 0 0 0 0 0 =0
B 0 0 0 0 0 0 1 0 x =1
この場合、7回にBが取った1得点が決勝点です。もしこのイニングにBが2得点して2対0で勝利を収めていた場合は、2得点のうち最初の1点目が決勝点です。3点以上入っていた場合も同じです。
では次の事例です。
事例②
A 0 0 1 0 0 0 0 0 0 =1
B 0 0 2 0 0 1 0 0 x =3
事例②の場合は、Bは1点を取られた後に逆転勝利を収めています。この場合、3回に取った2点目が決勝点です。1点目はまだ同点に追いついただけですからね。ちなみに、Bは6回に効果的なダメ押し点を取っていますが、これについては、確かに試合の流れ上は勝ちに大きく近づける1点ではあるものの、あくまで記録上勝ち越し打ではないので、決勝点ではありません。
次に進みましょう。少しずつ難易度が上がりますが、ついてきてください!
事例③
A 1 0 0 2 0 0 0 0 0 =3
B 0 0 0 2 0 0 0 0 0 =2
この場合の決勝点はどれかわかるでしょうか。答えは、Aの初回の得点です。スコアを見ると4回に得点を取り合っていますが、Aは3対0の4回裏に2点を取られ3対2になっただけで、そのまま追いつかれることなく勝ちきっています。そう、決勝点は先制して一度も同点、逆転を許さなければ、先制点とイコールになるのです。
それを踏まえて最後の事例④を見てみましょう。
事例④
A 4 0 2 1 0 0 1 2 0 =10
B 3 0 2 0 0 1 0 0 3 =9
パッと見すごくもつれた試合です。9回裏はさぞ盛り上がったことでしょう。さて、この試合の決勝点はというと、これもAの初回の4得点のうちの1点目、つまり先制点です。なぜなら、Aは一度もBに追いつかれていないから。「ほんまか?」と思った方は1回表、裏、2回表……というように順に最後までスコアを追ってみてください。
ということで、今回の記事の本題に入るまでに長々と説明してきた「決勝点」についてですが、まとめるとこうなります。
・逃げ切り勝利の場合は、先制点=決勝点
・そうでなければ、最後の勝ち越し点もしくは逆転の得点が決勝点
となります。なぜここまで「決勝点」の説明に時間をかけたかと言うと、これが記録された時の投手が責任投手になるのが基本であるからです。ということで、ようやく本題に入ります!
負け投手の条件
その例外とは、投手がイニング途中で交代した場合です。
事例⑤
同点の6回、先発Aがランナーをためた時点で救援Bに交代。しかしBが打たれてそのランナーを帰し、それが決勝点となってチームは敗れた
この事例⑤の場合、決勝打を浴びたのはBですが、そもそもランナーを出したのはAであるため、Aの失点となり、負け投手もAになります。Aがランナーを出した要因が失策など自責点とならないものであっても、負け投手はAです。自責点0の負け投手が稀に発生するのはこういう理由です。
事例⑥
2点リードの8回、救援Cを投入。しかし予想外の乱調でランナーを2人溜めてしまい、左打者を迎えたためワンポイントとして救援Dにスイッチ。しかしこのDも四球を与えてしまい満塁に。ここでベンチは救援Eに代えるも、満塁の走者一掃の一打を浴び、そのまま逆転負けを喫した。
これは難易度がやや高いですね。この場合、負け投手はDとなります。最初にピンチを招いたのはCですが、出した2人のランナーが帰っても2点リードだったので同点です。勝ち越し点となったのは、Dが出した3点目のランナーです。なので、ピンチを招いたCでも打たれたEでもなく、Dが負け投手になるというわけです。
以上、負け投手のパターンはこれくらいです。ほとんど「決勝点」が直結してますね。では次、勝ち投手の条件に行きましょう。
勝ち投手の条件
しかし、最も有名な勝ち投手の権利を得るパターンは、「先発投手がリードを保ったまま5イニングを投げること」でしょう。ここからは、先発投手に関係する勝ち投手の権利を見ていきます。
事例⑦阪神の先発・青柳は、初回に2点の援護を貰うと、6回無失点の好投を披露。その後もリリーフ陣が無失点に抑え、阪神が勝利した。
この場合、先発の青柳投手は先発の責任投球回である5イニングを投げきっているため、勝ち投手となります。最も一般的な例ですね。
事例⑧
阪神の先発・西は8回まで無失点の好投。しかし味方の援護なく、9回に1点を失っての完投。すると、直後の9回裏に阪神が2点を取って逆転サヨナラ勝ちを収めた。
この場合も、先発の西投手が勝ち投手となります。先に点を奪われて降板しましたが、直後に味方が逆転しチームが勝ったためです。このとき、逆転を決めた攻撃中に投手に代打や代走が出ていても、直近で投げていたことに変わりはないので、勝ち投手の決定に影響はありません。
ちなみに、先発の責任投球回が5イニングとならない例外パターンも2つあります。
・雨天コールド等により5回で試合が終了した場合
→この場合、責任投球回は通常よりも1イニング短い4回となります。ちなみに、6回以降にコールドとなった場合は、通常通り5回が責任投球回です。
・一軍、二軍の「公式戦」でない場合
→オープン戦やオールスターゲーム、国際試合等は責任投球回の決まりはありません。
さて、ここからは「先発が5イニング以上投げていれば勝ち投手だったのに、5イニング未満で降板した場合」の勝ち投手の決め方についてです。すごく面倒ですが、これが最後なので頑張りましょう!
①救援投手の中に「他の救援投手よりも1イニング以上多く投げた投手がいた」場合
事例⑨
ちなみに、他の投手が無失点の中で森木投手だけが追いつかれない程度に失点していたとしても、よりアウトを多く奪っているため、勝ち投手は森木投手で変わりありません。また、仮にこのとき救援投手が1人しかいなかった場合、その投手が自動的に勝ち投手となります。
②救援投手の中に「他の救援投手よりも1イニング以上多く投げた投手がいなかった」場合
事例⑩
まとめ
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