脇元華、首位との差が開くも土俵際に留まる2位タイフィニッシュ

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【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)第3日

 単独首位の岩井千怜が2、4、6、8番でバーディーを奪い、4打差でスタートした脇元華が1、4、7番でバーディーを奪う。少しでも岩井との差を詰めようとした脇元にしてみれば、なかなか縮まらない展開にイライラしているのかと思いきや、意外な答えが返ってきた。

 「面白かったです。本当に、バーディー合戦だったので、獲ったら獲られたみたいな感じであまり差が埋まらず、我慢が続きましたね」と前半を振り返っていたが、確かにラウンド中も時折笑顔を見せるなど、楽しんでいるシーンも見られた。しかし、実際は苦しむ場面も少なくなかった。

 例えば、5番・パー4だ。3打目をグリーン奥のカラーからパターで転がし、2メートルほどショート。下りの難しいラインをしっかりと沈めてパーセーブした。さらに8番・パー4でも2打目をグリーン右手前のバンカーに入れるも、ピンそば1メートルに乗せた後、1パットで決める。岩井がボギーを打つ雰囲気が無かっただけに、必死でパーセーブする脇元だったが、9番・パー4でついに力尽く。1メートルもないパーパットを外してボギーを叩くと、岩井がこのホールをバーディーとし、その差は7打にまで開いてしまったのだ。

 それでも後半のハーフで脇元が2打伸ばした分、その差は5打に縮めることができた。最後まであきらめず、ファイティングポーズを取り続けていたからこそ、最終日に望みをつなげたといえる。「みんな、上手いので、今日のような差を詰められない状況が、明日も続くかもしれませんが、耐えるところを耐えて、スコアを伸ばしていきたいです」と前を向く。
 そのための課題として、「攻めのパッティングを行いたい」という。カップを大きくオーバーしてもいいから、とにかくショートしないようにストロークする意味だが、「早打ちにならないように、ストロークのリズムだけに気をつける」とのこと。最終日は天候がよくないと予報されているだけに、逃げの姿勢を取らなければ思わぬチャンスが転がり込んでくる可能性は十分あるだろう。

 ラウンド後、練習場でスイングの確認を吉田直樹コーチと行っていた脇元。特にバックスイングが大きくならないように、コンパクトなトップを意識しながら何球も打っていた。あとはボールを打つ前に顔を上げずに打つことだけだが、この日の脇元を見る限り、顔が上がるクセはほぼ見られなかっただけに心配はないだろう。勝負は時の運といわれるが。最終日も最後まであきらめないゴルフを自らに課すだけだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
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