ヴィクトリアマイルは4角位置と東京実績に注目
【2022/5/15 東京 11R ヴィクトリアマイル(G1) 1着 5番 ソダシ (Photo by Kazuhiro Kuramoto)】
ヴィクトリアマイルの脚質別成績(過去10年)
■表1 【ヴィクトリアマイルの脚質別成績(過去10年)】
回収率では、2014年ヴィルシーナ(11番人気1着)、15年ミナレット(18番人気3着)の激走があり、逃げが最も高い。惜しくも好走には至らなかったが、20年はトロワゼトワルが12番人気4着、22年はローザノワールが18番人気4着と善戦しており、伏兵の逃げ粘りを常に警戒したい一戦だ。
一方、先行や後方の成績は目立たない。先行の勝率は中団よりも高く、連対率や複勝率もそれほど低いわけではないが、回収率は平凡。後方は好走率がかなり低く、厳しい数字が出ている。こうした結果からヴィクトリアマイルは逃げ馬と中団からの差し馬が狙い目と言える。ただ、次のデータからは、少し違った印象が見えてくる。
ヴィクトリアマイルの4角位置成績(過去10年)
■表2 【ヴィクトリアマイルの4角位置成績(過去10年)】
一方、1/2頭外の成績は【2.6.2.72】で2着馬は6頭いたものの、勝率・連対率・複勝率すべてにおいて1/2頭以内に負けている。回収率も平凡だ。表1は「中団」が優秀というデータを示していたが、真ん中よりも後ろ寄りになってしまうと勝ちづらいと言えるだろう。馬群の真ん中あたりから末脚を伸ばすのが良さそうだと感じる。
ヴィクトリアマイル 4角1/2頭以内で好走した馬(過去10年)
■表3 【ヴィクトリアマイル 4角1/2頭以内で好走した馬(過去10年)】
決め手をはかる目安としては、東京芝の重賞実績を調べるのがいいだろう。過去のヴィクトリアマイルで好走実績がある馬が最も良く、勝ち馬だけでなく負けていても僅差であれば評価したい。15年2着ケイアイエレガントは、前年のヴィクトリアマイルで6着ながら勝ち馬と0.3秒差だった。あとは天皇賞(秋)やNHKマイルCなど、他のG1実績は高評価になる。アルテミスS、クイーンCといった2歳・3歳牝馬限定の重賞実績でもプラス材料だ。
過去に東京の重賞で好走実績がなかった5頭の内、ミナレットを除く4頭、アドマイヤリード、ジュールポレール(17年)、レッドアヴァンセ、サウンドキアラは前走阪神牝馬Sで3着以内に入っていた。
ヴィクトリアマイル 4角1/2頭外で好走した馬(過去10年)
■表4 【ヴィクトリアマイル 4角1/2頭外で好走した馬(過去10年)】
【結論】
今年のヴィクトリアマイル出走予定馬
■表5 【今年のヴィクトリアマイル出走予定馬】
なかでも注目はソダシ。昨年のヴィクトリアマイルでは4角4番手から抜け出して勝利しており、今回は連覇がかかる一戦。本競走はリピーターが強く、過去10年ではヴィルシーナとストレイトガールが連覇を飾り、ノームコアとジュールポレールが2回好走を果たしている。連覇濃厚とまでは言わないが、今年も3着以内に入る確率は高いのではないだろうか。
1番人気が予想されるスターズオンアースは位置取りが鍵。前走大阪杯は4角9番手から凄い脚を繰り出して2着と好走したが、秋華賞に続いてスタートがあまり良くなかった。今回も中団より後ろのポジションになると、さらに凄い末脚を要求されてしまうので、できるだけ前目で競馬をしたいところ。
スタニングローズは前走中山記念が4角3番手で5着。久々のマイル戦がどうかだが、基本的には前目で競馬をしたいタイプ。強敵は多いが本馬も地力があるし、配当妙味も考慮して注目してみたい。
あとは昨年の安田記念を制したソングライン、今年の東京新聞杯2着のナミュールが有力。イズジョーノキセキとメイケイエールは昨年東京芝のG2を勝っているが、前者は前走阪神牝馬Sが負けすぎ、後者は今回の距離だと折り合いが課題だ。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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