ソサイチ日本代表が初代アジア王者に輝く!

チーム・協会

ASIA7S初代王者に輝いたソサイチ日本代表の選手たち 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

4月21日から23日の3日間、フィリピン・マニラのマッキンリー・ヒル・スタジアムで「ASIA7S=アジアセブンス(ソサイチアジア大会)」が行われました。アジアでのソサイチ普及を目指し創設された「ASIA7S」は今回が初開催。2017年以来、6年ぶりの活動となった日本代表は、初代王者を目指し、出場国であるフィリピン、インド、ブルネイと対戦しました。

予選リーグ3戦全勝! ブルネイとの準決勝では「ビューティフルゴール」も生まれる

中川選手のビューティフルゴールが生まれた瞬間 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

35℃を超える高温多湿な気候の中、日本は初戦で開催国のフィリピン代表と対戦。大会当日に前半はサッカーボール、後半はソサイチボールを使用するなどのレギュレーション変更がありましたが、コスタ・ケラー監督は「どういったボールを使っても、僕たちは全力で戦います」と力強く意気込みを語り試合に臨みました。

ソサイチの国内リーグを有し、ホームの優位性を持つフィリピンに対し、序盤に先制を許した日本でしたが、その後はペースを取り戻し、8-1で逆転勝利。同日のブルネイ代表との第2戦では縣翔平選手の先制点を皮切りにゴールを量産し、9-0で大勝を収めました。

翌日の予選最終戦では、インド代表と対戦。インドの選手たちは体格に恵まれ、サッカーポルトガル代表で活躍したルイス・フィーゴ氏らの創設で話題となった「インド・プレミア・フットサル」などの出場経験から高い足元の技術を有します。移動や連戦の疲れが見える日本でしたが、ソサイチ関東リーグ初代得点王の大熊竜生選手がこぼれ球を押し込み先制点を挙げるなど全員がハードワークを見せ、5-1で勝利を収めました。

総当たりの予選リーグを全勝で終えた日本代表は、2日目の準決勝でブルネイと対戦。ペナルティーエリアに侵入した中川貴晴選手が相手GKに背を向けながらパスを受け、左足でコースを変えて得点すると、現地実況も思わず「ビューティフルゴール!」と声を上げます。縣選手のハットトリックの活躍もあり5-1で勝利を収めた日本代表は、最終日の決勝へと駒を進めました。

ASIA7S 準決勝「ソサイチ日本代表 vs. ソサイチブルネイ代表」ハイライト

取っては取られるシーソーゲーム。インド代表との一戦は決勝にふさわしい熱戦に

決勝キックオフ前の円陣 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

初優勝を懸けて臨む決勝戦には、現地在住の日本人や、惜しくも優勝を逃したフィリピンのサポーターも来場し、「ニッポン」コールが起こるなど素晴らしい雰囲気に。緊張感の漂うロッカールームには、日本の有志から贈られた日の丸も掲げられ、チームを後押しします。

決勝のスターティングメンバーは、GK成田力哉、FP縣翔平、大熊竜生、中川貴晴、佐藤玲央、山田樹(C)、船木良太の7人。国内での活動でも何度もトレーニングを積んだ2-3-1の基本の布陣でキックオフを迎えました。ラインを高く設定し、前からプレスをかける日本のスタイルで序盤から相手を押し込みますが、激しい球際の攻防がつづき、なかなか得点が生まれません。前半も終盤に差し掛かると、インドはGKへのバックパスも巧みに使いながらボールを回します。ピッチを大きく使うパス回しから突如左サイドを突破する緩急をつけた攻撃を受け、ピンチを招いた日本でしたが、ここはGK成田選手が素早い反応を見せゴールを守りました。その直後、ゴールクリアランスを起点に攻撃を組み立てた日本は、大熊選手のアシストから中川選手が左足で鋭いシュートを突き刺し先制に成功。このリードを守り、1-0で前半を終えました。

迎えた後半、追加点がほしい日本に対し、インドが攻勢を見せます。左サイドからシュートを打たれ、ディフェンスに当たってこぼれたボールをバックヒールで流し込まれて試合は振り出しに。後半序盤に追いつかれた日本でしたが、その後、左サイドからの突破を試みた大熊選手が倒されフリーキックを獲得。このチャンスを逃さず、中川選手のショートパスを受けた関根友弥選手が相手の動きを見ながら絶妙なコースにシュートを決め、勝ち越しに成功しました。さらなる追加点を狙い、カウンターからチャンスを作る日本でしたが、決勝戦らしいインドの粘りに苦戦を強いられます。相手陣内でのフリーキックから徐々に前進され、中央から放たれたシュートを後半から出場したGK置田竣也選手がはじきますが、こぼれ球を押し込まれ2-2の同点に。しかし、初優勝を懸けチーム一丸となって戦う日本は、残り5分を切ってもなお相手を押し込む粘り強さを見せると、左サイドを突破した大熊選手が中央に切り込み縣選手にパス。縣選手からのマイナスのパスに後方から中川選手が飛び込み、シュートを突き刺します。このゴールが決勝点となり、3-2で日本が勝利。2度も追いつかれる接戦を制し、見事ASIA7S初代王者の座をつかみ取りました。

大会MVPには縣翔平選手が選ばれ、得点王には大会8得点で大熊竜生選手、中川貴晴選手、リブレ選手(フィリピン)が輝きました。

ASIA7S 決勝戦「ソサイチ日本代表 vs. ソサイチインド代表」ハイライト

山田樹主将「国内のソサイチを盛り上げていけるいい機会に」

チームをけん引した山田樹主将とコスタ・ケラー監督 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

試合後にはそれぞれの思いを胸に涙を浮かべた監督、選手、スタッフたち。今回の代表チームでの始動から幾度となく「心」や「気持ち」といった、日本を代表する選手としてのメンタリティに触れてきたケラー監督は、最後の円陣で胸に手を当てながら選手たちに感謝の言葉を伝えました。

見事優勝を遂げた選手たちの試合後のコメントです。

中川貴晴選手
「まずは最後まで応援、視聴をありがとうございました。本当にたくさんの方に応援をしていただいていたので、その応援に応えられるように優勝できて、本当にうれしいです」

関根友弥選手
「選手、スタッフ、みんなで最後に優勝できてよかったな、と思います。見ていただいている方にもこういった競技があると知ってもらい、次につながればと思います。ありがとうございました」

置田竣也選手
「応援してくれているたくさんのコメントにはすべて目を通していて、それが励みになりました。(失点シーンでは)「やってしまったな」と思いましたが、味方を信じて最後まで声を出し、同点でPKにいったとしても最後は勝たせるという気持ちでいたので、いいプレーをしてくれたフィールドの選手たちに感謝しています。優勝できてよかったです」

山田樹選手
「同点に追いつかれたときは、本当にどうなることかと思いましたし、僕自身も失点に絡んでしまって本当に悔しい思いでした。最後はピッチの外から見守る状況でしたが、チームメートがやってくれると信じていたので、劇的なゴールで、劇的な勝利で、優勝することができて本当にうれしいです。本当にありがとうございました。ここからソサイチ界も新たな歴史を刻み、今はアジアの大会ですが、もしかしたら世界大会につながってくるかもしれません。今、国内でソサイチをプレーしている人たちも、さらに盛り上げていけるようないい機会になったと思います。これからもソサイチ、そして選手たちの活躍に期待してください」

大会最少失点で優勝に貢献したGKの置田選手(左)と成田選手 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

大会MVPに輝いた縣翔平選手(右)と青森山田高校の後輩、佐藤玲央選手 【©️photographer / Shoko Tsujimoto】

日本代表が優勝を収め、注目を集める日本のソサイチ界。5月3日~5日には、東京・J-SOCIETY FOOTBALL PARK 多摩で、各地域の予選を勝ち抜いたチームが日本一を目指す全国大会「F7SL CHAMPIONS CUP 2022」が行われます。アジアチャンピオンに輝いた選手たちの中には、この全国大会に出場する選手も。ぜひ、ソサイチ日本一を目指すチーム、選手たちが繰り広げる熱戦にご注目ください。

ライブ配信は下記からご覧いただけます。
記事構成=しょうこ
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著者プロフィール

南米ブラジル発祥のフットボール、7人制サッカー=ソサイチの普及を進める一般社団法人 日本ソサイチ連盟です。全国各地でソサイチ公式リーグを開催中。ソサイチリーグに関する情報(日程、結果、順位表、試合の速報)はもちろん、ソサイチ日本代表や各種インタビュー記事、各地でのソサイチイベントなど、ソサイチにまつわる様々な情報・コンテンツを発信、掲載していきます。

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