J2 第11節 岡山vs山口 レビュー 【ちょい辛特盛】
【J2 第11節 岡山vs山口 レビュー 【ちょい辛特盛】】
この試合を迎えるにあたってプレビューを書いたんですが、どうもレノファサポーターにもたくさん届いたみたいですごくうれしい!ゲームはみんなのものだ。みんなで楽しもう。
そういうわけで今回はホーム山口戦のレビューです。
レビューのほうも岡山サイドだけじゃなく山口サイドから読んでも楽しんでもらえるように書こうと思うので、ぜひお付き合いいただけたら幸いです。今年のレノファ山口とのホーム&アウェーの2試合は、年1全力でプレビュー・レビューする試合に決めているので、レビューも出し惜しみせず話せる話はつめこんでいこうと思います。
たぶんクッソ長いので3回くらいに分けて読んでね!
4/22 14:00K.O. @シティライトスタジアム
ファジアーノ岡山 1-1 レノファ山口
11分チアゴ・アウベス
17分オウンゴール
スタメンを読む(岡山側)
連戦明けの試合ということでリフレッシュしてメンバー選考を行える試合になりました。まずは、岡山のスタメンと選手起用を考えてみましょう。
【Zerofagi】
というのも、この2人は強烈なアタッカーですからどこと対戦しても期待できます。しかし、守備力はあまり期待できない。とくに、前からプレスをかけるところ、守備に戻ってくるところでは大きな弱点となりうる。実際にそこが、このゲームに大きく影響を及ぼすことになります。
簡単に言えば、
守備力には目をつぶって、スコアリング能力重視!
「やったろうやないかい!」という意気込みを感じる強気のチョイス。
また、柳とバイスの立ち位置を変更した点はビルドアップを改善したいということでしょう。バイスはもともとボランチの選手でボールの受け方、展開がうまいですからね。この試合でも効果は感じられました。
まあ、先に結論を言ってしまうとこういう人選にこのチームの閉塞感も感じるんですよ。とにかく点を取りたい。点を取ってゲームを動かしたい。決定機ならちゃんと作れている。でも決まらない!だから、勝てない。なんでやねん!!
今の岡山はそういうチームです。
スタメンを読む(山口側)
【Zerofagi】
ソロモンに対抗するのはヘナン以外は難しいと思っていたので、ここにきてスタメン復帰してきたのは手ごわかった。あと、前な。ほんとによくやってると思う。172㎝だからね。ヘナン・前とボールさばきの上手い選手を2枚そろえられたことが山口のサッカーをやるうえで大きなアドバンテージになっていました。ただ・・・やっぱ高さ・強度でどうか?という問題は残る。
それに加えて驚きだったのが、1トップに河野孝を起用したことでしょう。ここは皆川を予想していましたが、河野のトップ起用はこの試合の大きな目玉になっていました。このあたりはこちらのCBの特徴を考えながら、河野なら計算が立つという名塚監督の狙いを感じます。実際うまくいっていたし。
簡単に言えば、
守備の強度不足には目をつむる。そして、ロングボールに逃げる道はない。「つないでつないで攻め込んでやろうじゃないか!」という攻め攻めの姿勢を打ち出す挑戦的なキャスティング。
結論としては、ボールは動かせるし、マークもはがせる。しかし、シュートやクロスなど、決定機自体が少なすぎて点が取れない。上手なのに、勝てない!なんでやねん!!
このゲームから見えたレノファ山口はそういう印象でした。
フォーメーションのかみ合わせを読む
それでは、岡山と山口のフォーメーションのかみ合わせを見てみましょう。
442vs433 【Zerofagi】
山口は中盤が3枚いるのに対し、岡山はダブルボランチなので一人足りません。しかも、アンカーはボランチとCBの間くらいに位置する中間的なポジションなので、岡山のボランチが見るのか?FWが対応するのか?処理が難しい。
もし矢島を常にチェックするひとを置きたい場合は岡山はトップ下を置く必要があります。こんなふうに。
【Zerofagi】
もしかしたら、岡山サイドとしては山口は4231で来る予想だったのかもしれないなあ。連戦は4231でやっていたし。4231だとどうなるか?をやってみるとどうなるか?
442vs4231 【Zerofagi】
いちおう便宜的に池上をトップ下にしましたが、4231だと、池上をどうする?捕まえにくいよ?という問題が岡山サイドに起こることになります。でも、多分岡山はそっちのほうがよかったと思う。トップ下周りの問題は、岡山のCBやボランチの課題になるからです。
こちらの2トップは守備力が低い。なのでアンカーを置かれた方が、こちらのFWの周りで解決しないといけない問題が起きやすくなるでしょう。できれば厄介ごとをこちらの2トップの周辺に持ち込んでほしくないんですよ。この辺のミスマッチも味わい深いポイントでした。
一方で、岡山がボールを持ったときはどうなるのだろう?実はここにも岡山が苦戦する原因はありました。
池上を押し出して442 【Zerofagi】
このように433から442へと変化されると、この試合岡山は442のフラット型で臨んでいますからミラーゲームになってしまいます。つまり、どの選手も山口の選手にばっちりマークされやすくなって、「浮く」選手ができにくくなってしまう。
「岡山はどこに出してもマークにつかれておもろーないなぁ」という感想を持った人もいるでしょう。実際かなり窮屈でしたからね。実はそれは両者の立ち位置によって引き起こされたものでもあったと考えていいと思います。あとまあ、山口が前からプレスに来るのであんまり繋ぐつもりはなさそうだったのも理由としてあったと思います。
山口の組み立てを読む(ヘナンー河野ホットライン)
さて、この試合の山口の組み立てはみていて楽しいサッカーでした。ちょっと上野監督の時代を思い起こさせるようなエッセンスもあり、「こういうキレイなビルドアップやりたいね」と他人事のように思ってしまった。もう、なんか、「ウチには無理かもなこういうの」とおもうけど、うーん・・・。
それを実現していたキーマンはヘナンとワントップ河野でした。では、山口はどのようにしてボールを前に運んでいたのかチェックしてみましょう。
【Zerofagi】
【Zerofagi】
【Zerofagi】
ちなみに、狙いはこれだけではありません。後半には落ちてくる河野や五十嵐を警戒しようとするこちらのCBの動きを逆手にとります。
【Zerofagi】
そう、ボールを出す矢島・ヘナン・前はフリーになりやすい。それはなぜなのか?答えは山口のボトムチェンジにあります。
【Zerofagi】
したがって、矢島か、ヘナンか、前か。いずれかの選手が前を向いてタテパスを蹴る状況が生まれやすい。しかも、全員キックが上手い。このあたりは、前とヘナンを起用したうまみがよく出ていると思います。
矢島ワンダーランドはなぜ成立したのか?
岡山サポには頭の痛いネタが続きますが、この試合ありえないくらい矢島慎也がフリーになり、矢島慎也からのパスに悩まされたと思わんかった?それにはちゃんと理由があるんですよ。
前述のとおり、岡山の2トップは守備にあまり力を発揮しません。矢島をどっちかが見ておこうね!という約束事も守ったり、守らなかったり。矢島監視体制自体がポツポツと途切れるんですね。ムークがいたら、多分トップ下に置いて矢島を見させたんじゃないかと思いますが、この試合はチアゴとソロモンで殴るんだ!が基本線。矢島は制限を受けにくい。受けにくいエリアが試合中ずっとある。
じゃあ、そこはどこなのか?というと・・・
矢島ワンダーランドの成立 【Zerofagi】
矢島慎也は狭いエリアでボールを受けて前を向くのがあまり得意ではなかったので、トップ下やSHからボランチにポジションを下げてきた選手です。しかし、フリーにさせてしまってはあのえげつないキック精度がモロに出る。この日の風の強さすら計算に入れて、ピタリのボールを配るとかワンダー!としか言いようがない。
次のハイライトで矢島ワンダーランドが成立するさまをピックアップしてみたので観察してみてね。
https://youtu.be/bx2KFPNlZyA?t=15
まあ、こうやって話すとと岡山なにしょんなら!となるかもしれない。けど、岡山は矢島がフリーになるのはもう目をつぶってるんですよね。しかし、その反面メリットはあるんです。守備はきつくなりますが、FWを前に残しておくとどうなるか?
32分58秒あたりのシーン(図はだいたいのイメージ) 【Zerofagi】
難しいよね。守備と攻撃のバランスって。
岡山の先制点とミスマッチ問題
そんな山口のCB陣をFWの火力でなぎ倒したのが岡山の先制点シーン。
【Zerofagi】
【Zerofagi】
しかも、ここのソロモンのファーストタッチが完璧なんですよね。前を押さえつけながら、右足を振れる空間を作ってる。
そして、最終的にゴールを決めたチアゴの左足も意味不明。こういうゴールあんまりみたことないもん。というか、ふつう打たないでしょ。あんな下がりながら。コースも完璧だし。まあ、さすがに去年のゴール量産で見慣れましたが、「とってもチアゴ・アウベスです」というゴラッソでした。
ということで、守備でどんだけマイナスを抱え込んでも結果で黙らせればそれでええねん!と言わんばかりの強烈な個の力を見せつけたゴールでした。これが岡山の狙いだと思います。
なお、64分にも岡山のスローインのシーンがあります。ここもミスマッチ
が生じているんですが、矢島が注意深くカバーして事なきを得ています。この失点は、矢島としては「しまった」というところだったことでしょう。
山口は上手いけどそこまで怖くない問題
この試合で山口が見せたプレーは非常に興味深かったです。ボールを出せる最終ライン(矢島・ヘナン・前)をそろえ、レシーバーとしてワントップ河野を起用した点もおもしろい。実際に河野をちゃんと観たのは初めてですが、パス・トラップ・ドリブルの正確性も高いし、さすがにU-20の代表候補合宿に呼ばれるだけありますな。
しかし、一方で、山口の弱点は怖さが足りない点にあるとも思うんですね。河野なんかは象徴的ですが、いかに繋ぎで貢献できても結局点に結び付けられないと勝てないので、フィニッシャーとしてどんだけ嫌な存在になれるのか?という視点は大事だろうと。そういう意味では岡山のFWの人選とは好対照と言っていいでしょう。
名塚監督「(タスクは)FWなのでもちろんを点を取ることですが、そこに至るまでの仕事もありますので、ビルドアップの逃げ道、起点になってくれていたと思います。ただ、もっとやれるはずです」
レノファ山口公式
後半は風上に立ったのでだいぶ改善されましたが、ボックス内に送り込める人数が多くないので、ほんとにピンポイントで合わせるような形じゃないと岡山から点を取るのは難しい。
また、こちらのバイス・柳・鈴木喜丈といった守備陣は守らせたらかなり強固に守れます。そこを打ち破るにはそれなりのアイデアか個の力が求められるだろうなとも。木山監督はかなりそこを信頼しているんだろうとも思います。そうじゃないと前の守備力のなさをカバーしきれないですし。まあ、岡山の守備陣はアジリティとスピードがないのが弱点なので、もうちょい両WGがそのへんツッコんでいけたらまた違ったかもしれない。いずれにせよ、「これはやられた!」と思う決定機の数では岡山の方がかなり多かったと思います。まあ、それで1点しか取れてないのが問題なんだけど・・・
うまいけど点が取れなくて勝てない。
うまいチームにありがちな罠にはまらずに、いかに得点を増やしていくか?は山口の今後の課題になっていくんだろうなぁと思いました。
後半57分まで攻守ともにガッカリな岡山
後半は運動量の低下と交代策の勝負になっていきます。岡山は後半向かい風になるのでなんとか前半のうちにリードを奪いたかった。後半どうなるかな?と思っていたんですが、すべりだしは「もう、ちょっと見てらんないな」って感じでした。
まず守備の方ですが、前からのプレッシングがマジで効果なし。むしろ味方を苦しめるスーサイドプレスになってしまうんですよ。たとえば、こんな感じ。
【Zerofagi】
【Zerofagi】
【Zerofagi】
【Zerofagi】
【Zerofagi】
おまけに、攻撃の方はさっきフォーメーションのところで言ったようにミラーゲームでハメられるからショートパスは繋げない。向かい風でもあるし。ボール取ってもすぐ失う。そして守備はグダグダ、いやー・・・しんどかった。よくここで失点しなかったなと思う。
こんな窮状を一番救っていたのは河井陽介なんですよ。ソロモンのスーサイドプレス、それに連動して出ていった佐野航大。河井はボランチとしてSBとIHとの2枚も防がないといけない。そんな苦しい場面も、頭を使って1人で相手2人を防いで事なきを得たりね。圧巻なのは、57分のシーン。バイスからのパスをターン一発で矢島をはがして前進した場面。このプレーのあと右サイドで河野諒祐のクロスをおぜん立て。ほとんど攻撃らしい攻撃ができていなかった後半、このプレーでやっと岡山がまともに攻撃できたんですよ。しかも、ここから流れが変わっていくっていう。スコアにはあらわれないかもだけど、ほんと河井陽介うますぎる。マジでかっこいいですこの人。
60分過ぎからロングボール主体に切り替える岡山
60分過ぎから終了までは、双方勝ち越し点を取るべく一進一退の展開となりますが、どちらかといえば岡山が優勢に進めました。
その原因としては、山口の前線の選手の運動量が落ち余裕を持って運べるようになったこと。そして、ショートパスに見切りをつけFWの質的な優位を生かすロングボール主体の攻撃にシフトしたからじゃないかなと思います。
これにより、岡山はある程度アバウトなボールを裏やFWにぶつけて、セカンドボール争いに参加していくことになります。そもそも、ミラーゲームでマークをはがせないですし、向かい風で細かいパス交換がさらに難しいこともあったでしょう。やることがシンプルではっきりした分、岡山は勢いが出る。これはここまでの試合でも見られたことです。そして、もうひとつ加えるとすると、山口も前からプレスに来るのでシンプルに裏へロングボールを蹴ることが山口のプレスのけん制になるということもあります。
まあ、でも、それでいいのか?という疑問は残りますが・・・
交代カードとパワープレーをめぐる攻防
後半60分以降は体力的な消耗と交代カード、パワープレーをめぐる攻防が大きな見どころでした。それぞれの交代策をこの文脈で読み取ってみましょう。
まず、動いたのは山口。65分には梅木、松橋を投入し、小林・吉岡の両WGを交代させます。小林、吉岡は後半かなりスプリントして攻撃を牽引していました。そのぶん、消耗も大きく岡山がボールを運びやすい要因にもなっていました。なので、まず両翼の運動量を回復させて、攻守に出せる出力をキープしたい。そんな思惑を感じます。あと、梅木選手は184cmなんですよね。長身FWなんですよ。あまり守備陣に上背のない山口にとっては、長身選手は貴重なカードです。
梅木はFWでの起用が続いていたので河野と位置を入れ替えるのか?とも思いましたが、ヘナン-河野のホットラインは効果の高いルートなので、河野の仕事を継続させるために右に梅木としたのかもしれない。河野は若く勤勉で実によく攻守をこなすので、後半もかなりチームの力になっていました。これから先もっといい選手になるだろな。
そして、岡山は67分。満を持して木村太哉を投入。彼は絶好調のジョーカーです。田中雄大との交代でしたが、太哉を左に置き、右に佐野航大を持っていきます。これは、おそらく山口のSB石川選手の守備力を考えてのことなんじゃないか?と推察します。というのも、この前のシーンで佐野航大との1vs1で抜かれてチャンスメイクされてるんですよね。あまり守備対応は得意じゃないのかもしれません。したがって、太哉でそこをグイグイついていこうということでしょう。石川と1vs1のシーンで、右WGに入った梅木がわざわざ長い距離を戻って石川・梅木vs木村太哉の形を作るシーンがありました。だから、多分そういうことだろうね。
71分には河井に代えて仙波を、鈴木喜丈に代えて高木友也を投入します。
高木友也が入ったことで佐野航大を左に戻し、右に木村太哉とします。高木友也の突破力、クロス精度を活かすにはボールをキープでき、インサイドでも働ける佐野航大のほうが相性がいい。中と外で違う仕事を2人でできますからね。右は河野が疲れているし、フレッシュな太哉にガンガン行かせた方がいい。理にかなっていると思います。あと、河野を交代した場合のクロッサーの確保という読み方もあるよな。なんか詰将棋みたいでおもしろくない?こんな風に考えてみると。
一方の山口。76分には足を攣った池上に代えて神垣を。これにより矢島を一列上げて、神垣をアンカーに。河野に代えて皆川を投入し、高さ・強さを補充。梅木184㎝、皆川186㎝と高さが揃ってきました。岡山のベンチにはルカオがいますし、バイスや柳を上げてくることは十分に想定されていたんじゃないかなと。岡山のパワープレーシフトに対応すべく、高さのギャップを失くしていきます。
そして、80分。いよいよ大詰め。
岡山は河野に代えて本山を、ソロモンに代えてルカオを投入。この交代はよりパワープレーに比重を置いた交代と言えそうです。この時間あたりから柳やバイスもあげてゴリゴリに押しまくり、何度か決定機も作っていました。
本山遥を投入して、最終ラインの番人に据えます。前がかりになっており、背後のスペースが広大になる分、走力があって広くカバーできる本山遥を置くことで、バイスや柳をあげやすくしていく狙いでしょう。
双方に決定機を迎えた最終盤。
山口のこの日最大の決定機もありました。もしこのシーンで逆転されていたらはたしてどんな空気になっていたか。最後の最後で交代で出た野寄のミドルシュートというビッグチャンスも、堀田のファインセーブがなければ入っていた。
ほんとに双方死力を尽くしていたし交代カードもピッチで躍動していた。そういう意味では最後までどっちに転ぶかわからない好ゲームだったと言えるかもしれませんな。
この試合で見えてきたレノファ山口の印象
2連敗を喫して迎えたこのゲームでしたが、守りに入らず攻めの選手起用で渡り合った山口は連敗をストップ。
とはいえ、まだまだ決定機を作られる回数は多く、6試合も勝てていない攻撃不振のチームでなければ2点3点とられてもおかしくなかった。この点はシビアに受け止めておいた方がいいゲームだったかなあと思います。
攻撃面では収穫のある内容でしたし、
レノファ山口公式
監督のコメントにもあるようにここをベースにどれだけのものを積み上げられるか?というところでしょう。やはりボックス内での出力を個の力、グループの力で解決しないと得点力がなかなか伸びないように思います。点が取れないとなかなか順位が上がらないと思うので、そのあたりがどうなるか。10月の再戦が楽しみです。
プレビューでふれた3つの弱点については、CBの強度はギリギリで保てたし、セットプレーから1失点したものの大崩れはしなかった。そしてビルドアップの安定から自陣内での不用意なボールロストはありませんでした。
指摘したポイントはほとんどクリアということで、いやーーやられたなぁ。お見事でした。ヘナンと前、ほんとめちゃくちゃがんばってたもんな。
ファジアーノ岡山はどうなるんだろう?
岡山は「またか」という気持ちが正直なところでしょう。優勝を目指して滑り出したのにどんどん後退して、勝ちが遠のくばかり。この日もスタジアムに参戦した観客の数は6176人。
第4節 8129人
第5節 7422人
第7節 6577人
第9節 5258人(ミッドウィーク)
ちなみに岡山のJ2での観客動員数の平均は7606人だそうです。ということで、勝ちから遠ざかるのに合わせてどんどん観客数が減っているというこの現状。
もどかしい思いをしているのはサポーターだけじゃなく、フラストレーションはピッチ内外に蓄積されてきています。ピッチ内も正直まとまってるように見えないんですよ。選手のジェスチャーとかを見ているとね。これはこれでいい、って現状を肯定できるようになるにはやっぱ結果しかない。今の感じだとちょっと嫌な雰囲気を感じるので、ほんと勝ちが欲しいよ・・・
試合後の会見ではすこし感情を荒げたように見受けられる木山監督ですが、けっこう本音を言ってくれるんじゃないか?と自分は思っています。ここからはほんと個人的な妄想なんですが、たぶん木山さんは去年と同じく今いるメンバーでベストな組み合わせ、戦い方をまだ模索してるんだろうなと。
この日もこれまで見せてなかったフラットの442でしたし、その前まではダイアモンドの442だったですからね。「これでいこう!」と足場が固まった感じはない。ボールポゼッションにしても、この試合は途中で諦めてロングボールに切り替えています。方針に統一性がないのは、やはりベストなバランスを見つけられていないからではないか?と。
開幕直後の主力の大量離脱、U-20代表に参加したスタメン選手の離脱、などなど手持ちの戦力のラインナップが目まぐるしく入れ替わる中やりくりに苦心しているのではないか?と。
去年の3位が証明しているように、木山さんが既存の戦力をベースにベストなバランスを見つけて勝たせる力は十分にあるはずです。しかし、チームがうまく回りはじめないのは結果がついてこないからではないか?
これだけ決定機を作れるのに仕留めきれない、あるいはイージーなミスで失点してしまう。だからこそ、ゴールが欲しい。チアゴを引っ張って起用したこの試合をみていると、そんな気もしてくるんですよね。
ほんとうに苦しい。けれど、チームも勝ちたがってるのは間違いない。現時点で自動昇格を望めるような内実はありません。ふつうに下位のチームだと思います。我慢するのはしんどいかもしれない。しかし、まだなんも終わってないですからね。
最悪6位にはいりゃいいんです。まだまだ時間はあります。3位なんて2度といらないでしょう?たいしたアドバンテージにもなりゃしないんだから。
ファジアーノ岡山の戦力は、町田や、仙台や、清水や、磐田の上を行くわけじゃありません。あくまで上位グループというだけで、全然トップというわけじゃない。だから、若手をはじめ選手の成長分が欠かせない。そのためにも、選手が活躍して結果がついてくる→自信を深めて成長する→さらに活躍する。こういうよいサイクルを回せるように・・・・・
次の試合も見守るとしましょう。ちょっと肩の力ぬいて、さ。
こんな長いレビューを最後まで読んでくれてありがとうございました。楽しんでいただけましたでしょうか?次回アウェー山口戦は現地参戦するつもりです。当然、プレビュー・レビューもこのくらいがっつりやりますので10月をお楽しみに。それじゃあ、またね。
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