【マッチレビュー】Bリーグ 22-23 B1第31節 GAME1 茨城vs群馬

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたbonafide-baller(ボナファイド・ボーラー)さんによる記事です。】

スターター

・ホーム:茨城ロボッツ
・アウェイ:群馬クレインサンダーズ

試合展開とポイント

1Q

茨城は中村がオープニングゴールを決めると、序盤は3連続得点でリズムを作る。

群馬はチェンバースとのツーメンから、ターズースキーが豪快なスラムダンクで初得点を決める。その後はチェンバースとジョーンズのそれぞれのタッチダウンパスからパーカーがゴール下シュートを決めるなど、セットオフェンスではなく速攻を中心に攻撃。すぐさま試合を同点に引き戻すことに。

群馬は試合開始からハーフコートディフェンスの強度が高く、ピックアンドロールに対してもマークマンのスイッチはせずに対応。それに対し茨城は、中村の3ポイントシュートを中心にオフェンスをアウトサイドから展開。

一方の茨城も固いディフェンスを披露。ミスマッチを作らないことを優先する群馬とは少し異なり、茨城はヘルプとローテーションの速さを意識したチームディフェンスを見せ、両チームとも守備からゲームを繋いでいく。

厳しいディフェンスの代償としてファールがかさみ、チームファールが5となった群馬に対し、茨城はフリースローから加点。群馬は八村のコーナースリーなどで反撃。

両チームとも厳しいディフェンスから入った1Qは19-16でホームの茨城がリードする。

2Q

ジョーンズのペネトレイトで群馬が先制。茨城はケネディが1Qに引き続き、3ポイントシュートのモーションからファールを得ると、フリースローを決める。

群馬はエクストラパスとサイドチェンジパスを駆使し、落ち着いてフリーの選手を作り出す。フリーの状態から八村が3ポイントシュートを決め、茨城に大きなリードは許さない。

茨城は平尾、タプスコットが連続で3ポイントシュートを決めるなどアウトサイドシュートに重心は起きつつも、ピックアンドロールを起点に、複数選手がコートを広く使いバランスよく攻めていく。

群馬はディフェンスにおいて少しファールがかさんだものの、ターズースキーが連続ブロックショットで堅守を見せると、オフェンスにおいては徹底的にジョーンズの1on1を起点に展開。自ら3ポイントシュートを決めながら、山崎の3ポイントシュートを演出するなど得点、アシスト両面でオフェンスを牽引し、群馬が逆転に成功。さらに要所ではパーカー、五十嵐も2点、3点を決め、ベテランが試合を締める働きを見せる。

茨城としては我慢の時間が続くが、タプスコットを中心にスクリーンにで群馬ディフェンスのズレを生み出すことでインサイドから加点し、追いすがることに。

2Qは攻守両面でリズムを掴んだ群馬が主導権を握り、41-44と3点リードで試合を折り返す。

3Q

茨城は中村の3ポイントシュートで開始早々に同点に追いつき、後半がスタートする。

メンバーをスタメンに戻した群馬はパーカー、ジョーンズ、ターズースキーとキーマンが次々と得点を決めリードをキープする展開に。

茨城はタプスコットの1on1などで序盤から群馬のファールを積み上げる。積極的なインサイドアタックを仕掛けつつも、アウトサイドでは絶好調の中村の3ポイントシュートが決まり、突き放したい群馬に対して食らいついていく。

2Qに引き続きジョーンズ起点のオフェンスを徹底した群馬は、ピックアンドロールからターズースキーも積極的に得点を重ねていくことに。インサイドでスラムダンクを見せるなど、破壊力を見せつけるプレーが炸裂。

だが茨城はここからさらに調子を上げていく。この日3ポイントシュートがあたりにあたっていた中村が、アテンプト5で100%となる5本目の3ポイントシュートを決め、57-54と逆転に成功。

オフェンスからリズムを作った茨城はディフェンスの圧力も強めていく。群馬の連続ターンオーバーからイージーバスケットを決めると、タプスコットのインサイドプレーも決まり66-56。3Q残り2分を切ったところで、一気に10点差までリードを広げる。

これ以上離されるとセーフティリードとなってしまいかねない群馬は、ここでジョーンズをコートに戻す。ジョーンズが1on1から連続得点を決めオフェンスから流れを作ると、エースの活躍に引っ張られてディフェンスでも徐々にタイトさを取り戻すことに。

さらにジョーンズを起点とたオフェンスからキーナン、菅原が次々とリングにアタック。得たフリースローから着実に加点した群馬は、点差を少しずつつめていく。

終盤は茨城もフリースローから加点。3Qで主導権を掌握した茨城が、70-64で6点差のリードを奪い返し4Qへ。

4Q

群馬はキーナン、野本、八村、ジョーンズ、並里をコートに投入。並里以外の4人はいずれも身長2メートル前後のビッグマンを揃えることで、ディフェンスにおけるサイズの懸念をなくすことに。

サイズを生かしたディフェンスで茨城のターオーバーを誘った群馬は、早速ファストブレークを決めると、ハーフコートオフェンスにおいてもジョーンズがペネトレイトから得点し2点差へ迫る。さらに野本が見事なターンアラウンドからパワーシュート気味のバンクシュートを決めると、ペネトレイトからも連続得点を決め、70-72と群馬が逆転に成功することになる。

茨城も中村がこの試合6本目となる3ポイントシュートを決めて応戦。群馬もエクストラパスから菅原が3ポイントシュートを決めて73-75と再逆転し、ここから試合はシーソーゲームの様相を呈することに。

73-75の場面で迎えた茨城のオフェンス。4Qの連続得点で気を吐いていたキャプテンの野本が、まさかのアンスポーツマンライクファールを喫してしまう。パプスコットがフリースローを決めて茨城が75-75の同点とする。

流れがホームの茨城に傾くかに思われたが、群馬のオフェンスで野本がピックアンドロールからのステップインで三度目の得点。75-77として自ら流れを引き戻す。

茨城は田嶋がミドルシュート、タプスコットがバスケットカウントを決めると、群馬もターズースキーとパーカーがハイローで応戦し79-79と譲らず。中村がフリースローを2本を決めれば、群馬も八村が3ポイントシュートを決め返す。

残り3分の場面では、茨城は中村が7本目となる3ポイントを決めるも、直後にはスクリーンプレーからハイポストアタックを仕掛けた群馬。ターズースキーが豪快なスラムダンクを決め、残り3分を切って84-84の同点。両チーム一進一退の緊迫した展開が続くことになる。

残り2分を切った場面。ジェイコブセンに対しジョーンズが痛恨のファールを喫し、フリースローが与えられる。直前のフリースローと合わせて87-84と、終盤へ来て茨城がリードを広げる展開に。

だが群馬は引き下がらない。エースのジョーンズがターズースキーとのスクリーンプレーから3ポイントシュートを決めると、直後のディフェンスで気迫を見せ茨城の攻撃をシャット。残り30秒を切ったところで、並里とのピックアンドロールからターズースキーがハイポスト付近からの見事なミドルシュートを決め、87-89で群馬がリードする。

オープンハウスアリーナのこけら落としを控えて、連敗をなんとしても脱出したい群馬は気迫溢れるタイトなディフェンスからファストブレークを繰り出す。エースのジョーンズがペネトレイトから得点し、残り5秒で87-92とリード。勝利を大きく手繰り寄せる。

最後まで諦めない茨城は残り2秒。なんとこの試合8本目となる中村のタフな3ポイントシュートが決まり、90-92と最後まで食らいついていくも、群馬はジョーンズにボールを持たせてファールゲームを確実にクロージング。白熱した一戦は、90-94でアウェイの群馬に軍配が上がることとなった。

雑感等

連敗を5で止めることになった群馬。4Qの逆転劇は鬼気迫るものがあったが、ターニングポイントとしては以下の3つ

・3Q終盤から4Q入りのゲームコントロール
・ベンチプレーヤーの活躍
・エースが牽引したラストプレー

を挙げたいと思う。

3Q終盤から4Q入りのゲームコントロール

まずは3Q残り2分を切った時間帯。10点差で茨城がリードし、ともすればセーフティリードに成りかねなかった場面であったが、ここで群馬はエースのジョーンズを投入。彼を中心としたオフェンスが機能し、6点差で粘りながら3Qを終えたことは、4Qでの反撃の土台を作ったと言えるのではないだろうか。

また4Qの入りにおいては、前述の通り並里以外を身長2メートル前後のサイズのある4選手で固めることで、ディフェンスのプレッシャーを一段と上げることに。これを起点として反撃開始のとっかかりとしたゲームコントロールは見事だった。

ベンチプレーヤーの活躍

4Qではキャプテンの野本が気迫溢れるプレーで3度ゴールを決め、逆転劇を演出。チームを勢いに乗せた要因となった。

また、野本以外にも、八村、菅原、五十嵐といったベンチスタートの選手たちが随所でキーとなる得点やアシストを記録。スタメンのみならず、ベンチからスタートした選手たちのパフォーマンスが、連敗脱出において多大な貢献を果たしている。

エースが牽引したラストプレー

言うまでもないが、終盤のジョーンズの3ポイントシュート、さらにはファストブレークからの得点は試合を決定づけるものであった。

エースがエースたるプレーを見せることで、試合を確実にクロージングすることに貢献した試合と言えるのではないだろうか。

総評

群馬にとっては薄氷の上を歩くような戦いながらも、大きな大きな勝利となった。上記に挙げた勝因の他にも、インサイドで攻守に渡り好プレーを見せたターズースキーの活躍など、他にもポジティブな収穫は多かった試合だと感じた。

敗れはしたものの、この試合で8本の3ポイントシュートを決めた中村を中心に、最後の最後までエナジーを見せた茨城の気迫は素晴らしかった。茨城を相手にアウェイで掴み取ったこの一勝の重みは、計り知れないものがある。

次節はいよいよオープンハウスアリーナでのこけら落とし。個人的な話にはなるが、2日目には筆者もいよいよ現地観戦予定である。シーズン終盤のチームを見守りつつ、チームに貢献できるよう死ぬ気でブーストしていきたいと思う。

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