【ラグビー/NTTリーグワン】体感の最前線に立つ男が迎える100試合出場の節目。みなぎる自信は仲間との日常から生まれる<コベルコ神戸スティーラーズ>

コベルコ神戸スティーラーズ 山本幸輝選手 【©JRLO】

コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の今節は、東大阪市花園ラグビー場を舞台とした花園近鉄ライナーズとの“関西ダービー”。リーグ戦も残すところ2試合となる中、チームとして育んできた一体感を思う存分、ぶつけたい一戦だ。

トップリーグとリーグワン通算100試合出場に王手をかけている山本幸輝が、強い気持ちを口にしている。

「スクラムでしっかり相手をドミネート(圧倒などの意)するところもそうだし、この100試合をとおして、フィールドのところや、タックル、アタックも成長した姿を見てもらえるように頑張りたい」

今季初となる先発メンバー入り。ここまで控えから7試合に出場してきた今節の1番だが、前々節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦のパフォーマンスは爽快だった。リードを許す中でチームは後半26分、スタジアムに一体感をもたらす反撃のトライを挙げた。その起点となったのが、相手を圧倒した山本らを最前線に据えたスクラムだった。

「自分の一番の持ち味はスクラムです。スクラムでチームにエナジーを与えることが自分のできることだと思っています。『自分の仕事が来た』というのがありましたし、『行ける』っていう自信もありました」

山本の自信はどこから来たのか。それは神戸 Sで「バックボーン」と呼ばれる出場できていない選手を含めた日常の準備にあった。

「みんなで強度の高いスクラム練習をやっていたことも自信になっていました。試合に出ることができていない選手も『何かやってやろう』と頑張って練習に取り組んでいます。控えメンバーは一番、バックボーンに近い存在で、僕も『何か絶対に残したい』という気持ちがありました。それを見たスターターは絶対に、その場から降りたくないし、頑張ります。チームは良い競争で、良い雰囲気でできています」

多くの難しい時間を過ごしてきた今季の神戸S。それでも、チームは一丸となって練習と試合のサイクルに集中し、誰もが自らと向き合い、チャレンジすることから逃げなかった。育んできたのは紛れもない団結心だ。

「本当に家族のようなチームになれたなって思います」

そう話す32歳のプロップは、100試合出場の節目もいつもと変わらない。選手、コーチ、スタッフ、そして、ファン。すべての想いを背中で受け止め、一体感の最前線に立つ。



(小野慶太)

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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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