山内日菜子、大好きな地元宮崎でツアー初優勝!
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
今季のQTランキングは181位。今大会は地元でしかも、主催者推薦出場のチャンスを得て第1日から奮闘し、98年カトキチクイーンズの上田珠代以来、史上4人目(外国人選手、アマチュアを除く)の快挙を達成した。1打差の通算9アンダー、2位は比嘉真美子。首位スタートの川﨑春花は通算8アンダー、3位タイに終わった。
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《グリーン=スティンプ:10 1/4フィート コンパクション:24mm》
最終18番パー5、30センチのウイニングパットをしっかりと沈めた瞬間、両手を高く掲げて満面の笑みを浮かべた山内日菜子。しかし、その視界に両親や知人、お世話になった人の顔が入った瞬間、熱いものが両目からあふれてきた。
「最後のパッティングを決めるまで優勝とは思いませんでした」と語ったが、現実的には2位の比嘉真美子がバーディーパットを外した時点で山内の勝利はほぼ決定していた。にもかかわらず、気を緩めなかったのは、それだけ苦しい試合展開だったからだ。
序盤、いきなり2番パー3、3番パー4で連続ボギーを叩いた山内。V戦線から脱落したかに見えたが、少しもひるむことはなかった。「まだまだバーディーを奪えるホールは残っているし、逆にやるしかない状況になりました」。開催コースのUMKカントリークラブは小学3年の頃から数えきれないほど回っている。どこでバーディーを奪えるのか青写真を描けていたことで、あせる必要はなかったのだ。
地元開催のメリットは他にもあった。最終日には大応援団が駆け付け、ロープの外から大きな声援を送る。6番パー4では2打目でグリーンを外しながら、起死回生のチップインバーディーを奪ったが、沸き起こった大歓声は間違いなく山内の背中を押し、流れを変えた。そしてついに16番パー3で5メートルを沈め、この日4つ目のバーディーを奪うと単独トップに躍り出る。
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
終盤の緊張する場面では、テレビ観戦していたWBCが参考になった。「選手がガムをかんでいたので、きっと口を動かすのはいいんだろうと思い、おにぎりを口に入れたままプレーしたのが良かったと思います」と振り返る。
今回の優勝で賞金1,800万円を手にしたが、それ以上にシーズン終了まで全ての試合に出場できることが最高だという。「特に最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに出場できるのは嬉しいです。開催コースの宮崎カントリークラブも小学生の頃からずっとラウンドしているコースなので」と山内。40人しか出場できないエリート大会だけに、喜ぶのも無理はない。出るだけで満足かもしれないが、それではもったいない。優勝を目指してひと回りも二回りも大きく成長した姿を見せてくれることを期待したい。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】
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