【ラグビー/NTTリーグワン】地元に凱旋する山田章仁。 “九州のラスボス”がドラマをおこす<九州電力キューデンヴォルテクス>

九州電力キューデンヴォルテクス 山田章仁選手 【©JRLO】

NTT ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3の戦いはいよいよ、第3クールへ突入。首位奪還を目指す九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)はクリタウォーターガッシュ昭島とのホストゲームに挑む。舞台はミクニワールドスタジアム北九州。3月18日15時キックオフだ。

今季初の北九州開催。となれば、この男に触れないわけにはいかない。北九州市出身、山田章仁だ。北九州が輩出した日本ラグビー界のスターが地元に凱旋する。

「世界を経験してそこで培ってきたプレーを見せたいし、地元のちびっ子たちには世界に目を向けてもらいたい。僕自身もきっかけがあって世界を意識するようになって、人生がすごく広がった。ラグビー選手として、そんなふうにみんなのきっかけになれたらうれしい。それが日本代表や海外チームを経験して地元に帰ってくる醍醐味だと思っているんですよ」

福岡県をホストエリアとするチームに所属して迎える、故郷での一戦。経験を重ねたこのタイミングだからこそ、自らが伝えられる価値をそう語る。

今季は主に後半から出場し、“ゲームチェンジャー”の役割を担う山田章仁だが、「楽しい」と話す。途中交代で山田章仁の名前がコールされるとスタジアムの雰囲気が変わる。そのスター性に地元のファンは強い期待を寄せているからだ。沸き上がる歓声と拍手は劣勢のときにはチームに勢いを生み、リードしている場面ではその勢いをさらに加速させる。山田章仁も「その雰囲気って相手チームにも伝わっていると思うんですよ。それはみなさんが作り上げてくれて、九州KVとしてそういう雰囲気を作れている。『山田章仁が投入されると勢いが出る』とか『九州KVは後半に強い』、『インパクトメンバーがすごい』。そういうふうに相手のマインドに入り込みたい」。チームメート、ファンとともに作り上げてきた雰囲気は九州KVの武器となっている。だからこそ、そこに楽しさも覚えているようだ。

また、その楽しさをより深いものにしてくれる存在がいる。それが「仲のいい“ラスボス”こと堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)」だ。「インパクトメンバーとしてのスキルもあるし、直接、話を聞いて学ばせてもらっている」とやり取りを明かしてくれた。さらに堀江から暖簾分けされたものもあるという。「九州のラスボスという異名(笑)。これはもう堀江にOKをもらっています。九州のラスボスこと山田章仁です(笑)」と“本家ラスボス”から使用認定を受けたそうだ。

ジャパンラグビー トップリーグからの通算100トライまであと3つで迎える凱旋試合。山田章仁は「狙って取れるものじゃないから狙わない」と話したが、ミクニワールドスタジアム北九州での初トライは山田章仁だ(2017年開催のサンウルブズ対トップリーグ選抜)。地元で力を発揮する北九州のヒーローには“ドラマ”を期待せずにはいられない。“九州のラスボス”がピッチに姿を見せたとき、大いに沸くファンの姿は山田章仁に奇跡を起こさせる大きな力を与えるはずだ。

(杉山文宣)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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