求められる結果。今季2勝目を掴むのはどちらか。平岡大陽が京都戦を見据える

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【(C)SHONAN BELLMARE】

均衡を破る得点は64分に記された。前節の川崎フロンターレ戦、平岡大陽は右サイドから永木亮太が送ったクロスを足元に収めると、落ち着いて右足を一閃、シュートはゴール前の混戦の間隙を縫ってネットを射抜いた。
プロ3年目を迎える20歳は、サガン鳥栖との開幕戦に続き、3試合で早くも2得点をマークした。ノーゴールに終わった昨季との違いは自身の内面に辿れるようだ。

「得点を取るんだという意識だと思います。去年0点だったこともあるし、(山口)智さんには『逆サイドに入って行け』とキャンプから強く言われているので、そこは意識してやるようになりました」

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加えて目を引くのが球際の強さだ。くだんのゴールは、平岡がルーズボールを粘り強くキープしたことに端を発していた。ほかの場面でも、たとえば日本代表の山根視来と堂々渡り合うなど進化を感じさせた。


球際の力強さが増しているのはシーズンオフの取り組みに理由があるらしい。チームのトレーナーにメニューを作成してもらい、約2カ月かけて筋肉を大きくしたという。開幕に合わせて瞬発力も高め、持ち前のアグレッシブなプレスも変わらず発揮している。

ただ、目に見える結果を残し、順調に映る滑り出しにも、「全然よくない」と平岡は語る。自身にはまだ、たしかな手応えはない。

「点を取ったことはポジティブやけど、あの瞬間から自分が上手くなったわけではない。試合の入りを間違えず、地に足つけて自分にできることをやって、その結果ゴールに繋がるプレーができたらいい。そう自分に言い聞かせています」

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ルヴァンカップ浦和レッズ戦から中3日、今節は京都サンガF.C.をレモンガススタジアム平塚に迎える。
鹿島アントラーズと名古屋グランパスに敗れ、開幕2連敗とスタートに躓いた彼らは、しかしかつて湘南ベルマーレを率いた曺貴裁監督のもとで育む高い強度を背景に、前節は球際や切り替えなど局面の攻防でFC東京を上回り、今季初勝利を手にした。今節立て続けに2勝目を手繰り寄せれば、チームの士気はさらに高まろう。

「アグレッシブなイメージがある」平岡はそう京都の印象に触れつつ、前々節の横浜FC戦、前節の川崎F戦と、一時はリードしながら引き分けに終わったここ2試合の展開を踏まえ、自分たちに矢印を向ける。

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「去年とは違い、点を取れているし、先制したり、追いついて逆転したりできているのは明確にポジティブなところ。でも2試合連続で追いつかれ、勝点3という結果を掴めていない。点を決めたあとに、もう1点取ったり、しっかり守備をして、勝ちたいですね」

結果を求めるうえで、見つめるのは自分自身にほかならない。「自分に与えられた場所でしっかりやることが結果に繋がればいい」。自らのプレーに集中し、特長を開放することが、チームの勝利に繋がると信じている。

取材・文 隈元大吾

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著者プロフィール

1968年、藤和不動産サッカー部として創部。1993年にベルマーレ平塚となりJリーグ開幕より1年遅れてJリーグ昇格。 1999年、親会社撤退からクラブ存続危機となるが、地域やサポーターの支えのもと2000年に湘南ベルマーレとして再出発。 以降幾度も昇格、降格を繰り返しながら2022年はJ1で5年目のシーズンを戦っている。 ◆MISSION「夢づくり人づくり」 ◆VISION「人生と地域を豊かにする、スポーツ文化が根ざしている世の中」 ◆SLOGAN「たのしめてるか。」

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