ダウン症クラスを新設! 330人がエントリーした日本知的障害者選手権新春水泳競技大会
【photo by X-1】
選手宣誓した東京パラリンピック代表の福井香澄。この日も400m自由形で日本新を記録して好調ぶりを見せつけた 【photo by X-1】
33人のダウン症スイマーがエントリー
実際に、50mバタフライと100mバタフライに出場した張信豪(チョウ・シンハオ)は、大会直前に母親からダウン症クラスについて知らされ、「いつもより気合いが入った」と話す。
張は男子50mバタフライ(3位)を泳ぎ終えたあと、自身のタイムを見てガッツポーズ。「ちょっとだけ悔しさもあるが、(100mバタフライも含めて)最後まで一生懸命泳いだ」と充実感をにじませた。
やせ型のため「毎日筋トレをしている」という23歳の張。「(得意の)バタフライは楽しくはないけれど、好きです」 【photo by X-1】
「ダウン症クラスができてうれしい」
「この大会は初めてなので緊張したが、とにかく自己ベストを出せるようにがんばった」
得意の100m平泳ぎは、同組の選手の中で一着だった。最終種目の200m平泳ぎでは、知的障がいの日本記録保持者である芹澤美希香と同組だ。スタートから出遅れ、上位から1分以上離されたものの、この種目のダウン症で唯一の出場であり、フィニュシュした瞬間、堂々の2冠を決めた。
ライバルは福井香澄らパラリンピアンだという。2022年はダウン症の世界大会を中心に活動したが、今後は日本知的障害者選手権水泳競技大会などに出場予定だ。
「パラリンピックを目指し、タイムを意識してがんばりたい」
瞳の奥を輝かせて小林は語った。
水泳歴3年だという21歳の小林。身長152cmと小柄ながら世界への挑戦も積極的だ 【photo by X-1】
「やっとダウン症クラスができた。とっても嬉しい」と小林。
インタビューに答える小林 【photo by X-1】
「世界的にダウン症を別のクラスで実施し、メダルもあげようという流れになっている。2019年のINAS(国際知的障がい者スポーツ連盟、現在の名称=Virtus)グローバルゲームで盛り上がった後、日本連盟としても『やろう、やろう』と思っていて、ようやく実現できるようになった。まだまだダウン症の参加人数は少ないが、人数が増えていけば海外派遣もしていきたい」
50m背泳ぎ、100m背泳ぎのダウン症クラスで優勝した村井海人 【photo by X-1】
谷口監督は続ける。
「ダウン症の選手を海外派遣するためには、合宿の回数を増やし、競技だけではなく、約束や時間を守るなどの指導を行わなければと考えている。ただ、(従来の)知的障がいのトップ選手とは行動パターンが異なるため、別々に合宿を行うなどいろいろ考えなければならない。工夫が必要になってくる」
東京パラリンピック後も、記録を伸ばしている平泳ぎの芹澤美希香 【photo by X-1】
高校生の齋藤正樹が200m背泳ぎでアジア新記録! 【photo by X-1】
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※本記事はパラサポWEBに2023年1月に公開されたものです。
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