障害者週間に考えたい、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」に必要なこと
【※写真はイメージです(PIXTA)】
障害者週間の目的はなにか?
私たち国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることです。
笹川スポーツ財団(以下、SSF)では、長年、障害者スポーツ環境の実態把握、そして、障害者の運動・スポーツ参加「障害児・者の運動・スポーツの日常化」に必要なことを考えてきました。是非この機会に紹介したいと思います。
障害者スポーツ環境の今
一方、国内には、約940万人の障害者がいます。障害者専用・優先スポーツ施設の数は増加はしているものの、150です。
地域差はあるにせよ、障害児・者がスポーツをする際、十分に対応できる体制やマンパワーが整備されているとは言い難い状況にあるのが現状です。
障害者専用・優先スポーツ施設数の推移 【笹川スポーツ財団「障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2021」】
障害者スポーツセンターの存在
笹川スポーツ財団の調査では、この障害者スポーツセンターにおいては、コロナ禍でも障害者の施設利用が多いこと、移動支援や同行援護の福祉サービスなどの活動も積極的に実施していることが分かっています。専門知識を有する指導者も多く存在しています。
笹川スポーツ財団では、この障害者スポーツセンターの存在は、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」に向けて大変重要な施設と捉え、「ハブ施設」と定義しました。前述の通り、地域の障害者の日常活動の一つとしてハブ施設が組み込まれていることが推察できます。
ハブ施設を中心とした地域施設のネットワーク化
また、巡回スポーツ教室(出張教室)では、公民館、福祉施設、特別支援学校、一般校などを活用していることが調査でわかりました。これらの、ハブ施設、サテライト施設以外で、すでにスポーツ以外の目的で使用されている施設を「既存の社会資源」としました。
ハブ施設 ・サテライト施設・既存の社会資源 【笹川スポーツ財団「障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2021」】
そして、この大きな波を、地域の障害者スポーツ環境にどう反映させるのか?
まだまだ課題は山積していますが、各地域において、ハブ施設、サテライト施設、地域の既存の社会資源を効果的に活用してネットワーク化を進めていくことが、「障害児・者の運動・スポーツの日常化」の実現に重要になってきます。
「障害児・者の運動・スポーツの日常化」に向けたネットワーク化 【笹川スポーツ財団「障害者専用・優先スポーツ施設に関する研究2021」】
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