【JMCシリーズ第2戦】第53回防府読売マラソン大会 展望〜JMCシリーズトップを懸けて川内優輝が参戦!橋本、小山らも上位進出の可能性〜

日本陸上競技連盟
チーム・協会

【アフロスポーツ】

第53回防府読売マラソンが12月4日、山口県防府市の防府読売マラソンコースで行われる。

この大会は、ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ2の男子第2戦目で、もっともグレードの高い「グレード1(G1)」レース。シリーズ2は第1期が21年11から22年3月、第2期が22年4月から23年3月となっており、そのシリーズチャンピオン(第106回日本選手権者)になると、今夏のブダペスト世界選手権の日本代表に内定する。

また、2024年パリ五輪マラソン代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権獲得も懸かっており、22時間10分以内で日本人1位〜3位・もしくは2時間9分以内で日本人4〜6位となるか、順位にかかわらず2時間8分以内でフィニッシュするか、対象レース2本の平均タイムが2時間10分以内のワイルドカードの条件をクリアし、その権利を獲得すべく、日本人選手のかけ引きにも注目が集まる。

福岡の結果次第で川内がシリーズトップ浮上の可能性

今大会の出場選手のうち、シリーズ2で高ポイントを獲得し、ランキング上位へ浮上しそうな選手を紹介する。

まずは、すでにMGC出場権を獲得している川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が挙げられる。JMCシリーズ2で4戦を走り、4レースのうち最高獲得ポイントは1218ポイント。現在、シリーズ2ランキングでトップは2419ポイントであることから、今大会で1202ポイント以上を獲得すれば首位浮上のチャンス。完走すれば、最低でも2406ポイントとなるため、ランキング3位以内には入ってくるだろう。
※ただし同日に行われる福岡国際マラソンの結果によって、ランキングは変動する

公務員からプロに転向して4年目の川内は、21年びわ湖毎日マラソンで2時間7分27秒の自己ベストを出し、同年12月の福岡国際マラソンで2時間11分33秒、その2週間後の防府読売マラソンで2時間10分11秒とレースを重ねながらハイパフォーマンスを示してきた。
今年2月の大阪・びわ湖毎日マラソンは2時間8分49で9位となり、これにより対象2レースの平均タイムで2時間10分以内というワイルドカードの条件をクリアして、MGC出場権獲得者(ファイナリスト)となった。
今大会に12年連続出場という経験値を生かして、自己ベストに迫る、あるいは自己ベストを更新する走りを見せるか。そうなるとブダペスト世界選手権の派遣設定記録(2時間7分39秒)突破が見えてくる。

さらに、第1期で2296ポイントを獲得している橋本崚(GMOインターネットグループ)も、今大会で完走すればシリーズ2の累計が認められるため、現時点でランキング5位以内に浮上してきそう。
橋本は19年の別府大分毎日マラソンで自己ベストとなる2時間9分29秒を出し、JMCシリーズ2では22年の別府大分で2時間11分21秒、今夏の北海道マラソンで2時間14分8秒とポイントを獲得している。

また、2061ポイントを獲得している小山裕太(トーエネック)もトップ10入りの可能性がある。自己ベストは21年びわ湖毎日マラソンで出した2時間8分46秒。シリーズ2期間内では今年の別府大分で2時間12分28秒、北海道マラソンで2時間23分45秒を出している。
この2人は、MGC出場権獲得を視野に入れて、2時間10分以内で川内を除く日本人3位以内を狙いたいところだろう。

パリ五輪の道を拓く、MGCファイナリストへ

JMCシリーズは対象大会のうち3大会で記録を残すことが条件となるため、シリーズ2の期間内で1レースしか記録を残していない選手は、今大会を終えても、まだランキングには反映されない。
とは言え、来年3月までにさらに1本のレースを完走すれば、まだまだ上位にランクインする可能性は十分に残されている。

出場選手の中で、川内に次いで2番目の自己ベストを持つのが、21年びわ湖毎日マラソンで2時間7分41秒を出した市山翼(小森コーポレーション)だ。20年びわ湖で初マラソンを経験し、翌年の同大会で2時間7分台と力をつけてきた。

JMCシリーズ2期間内のポイントは、今年8月の北海道マラソン(2時間17分03秒)で獲得した1046ポイントのみ。MGCファイナリストとなるために、2時間10分以内で日本人3位以内、もしくは2時間8分以内でワイルドカードを狙ってくるだろう。

昨年2月のびわ湖毎日マラソンで2時間8分35秒を出した坪内淳一(黒崎播磨)も、一発でMGC出場権を狙える実力を持つ。その後、秋に右大腿骨を疲労骨折した影響でレースから遠ざかったが、今年9月に復帰。地元・山口のレースでパリ五輪への道を拓けるか。

女子は川内理江が、JMCランキングトップに立つか

JMCシリーズ2のG3大会となる女子は、期間内で3レース目となる川内理江(大塚製薬)がランキングトップに躍り出る可能性を持つ。
今年1月の大阪国際女子マラソンで、自己ベストの2時間25分35秒を出して7位入賞し、1197ポイントを獲得。3月の名古屋ウィメンズマラソンは2時間27分52秒で1154ポイントを加算しており、今大会で完走すれば現時点でランキングトップに立つ。すでにMGC出場権を得ており、条件が整えば、ブダペスト世界選手権の派遣設定記録(2時間23分18秒)が視野に入るか。

また、今大会は第23回日本視覚障がい女子マラソン選手権大会も兼ねており、IPC(国際パラリンピック委員会)登録選手では21年東京パラリンピックの金メダリストとなった道下美里(三井住友海上)もエントリーしている。

第53回防府読売マラソンは、12月4日10時40分にキリンレモンスタジアムソルトアリーナ防府前県道で号砲が鳴る。


〜オンエア情報〜
【KRYテレビ】
関西以西 日本テレビ系列14局ネット 12月4日(日)10時25分〜13時00分
※ 動画配信サービス「hulu」でライブ&アーカイブ配信

【KRYラジオ】
12月4日(日) 第一部 10時20分〜13時00分  第二部 13時30分〜13時55分
※ IPラジオサービス「radiko」でライブ&アーカイブ配信

【YouTube KRY山口放送公式チャンネル】

1 招待選手記者会見 12月2日(金)11時〜
2 優勝選手インタビュー/表彰式 12月4日(日)13時〜
3 全ランナーフィニッシュシーン 12月4日(日)13時〜
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