【SNOW JAPAN】スキー&スノーボードのFISワールドカップが開幕! 男子スキージャンプ&ノルディック複合編

チーム・協会

【写真:アフロ】

10月末から世界各地で行われるスキー&スノーボード競技のFIS(国際スキー連盟)ワールドカップ。続々と始まる各競技の開幕序盤戦をSNOW JAPANの選手たちの戦いを中心にレポートします。

※SNOW JAPAN=全日本スキー連盟(SAJ)が統括するスキー・スノーボード競技の選手たちの総称

【男子スキージャンプ】金メダリスト小林陵侑に続け! 新勢力が続々と台頭

 男子スキージャンプは11月5日〜6日のヴィスワ(ポーランド)大会の個人2連戦で幕開け。まだ十分な雪も降らないため、ハイシーズンと同様のアイストラック(氷を使用した滑走路)を使用しながら、ランディングバーンは人工芝というシーズン本番とは異なるフォーマットでの開幕戦となりました。その後、3週間のブランクがあり、先週末の11月26日〜27日にルカ(フィンランド)で本格的な雪景色のなかでの2戦目を迎えました。シーズン突入と同時に毎週末の転戦に入ることが多い男子スキージャンプですが、例年とは異なり大きなブランクが生じた今季の序盤戦、選手たちにとってはややコンディショニングや調整がむずかしい形となりました。

 さて、そんな序盤戦ですが、北京五輪の金メダリストであり、昨季自身2度目のワールドカップ総合王者に輝いた小林陵侑選手(土屋ホームスキー部)は開幕戦を7位でスタート。まずまずのスタートと思われましたが、2戦目はジャンプスーツの規定違反で失格となってしまいました。その後、ルカでのシリーズは1戦目は41位に沈みFinal Roundに進めず、2戦目は23位と振るわず。まだまだ完全にアジャストとはいかないようですが、2度の総合優勝を通じて多くの経験値を積み重ねてきた小林選手だけに、早いタイミングでの復調に期待したいところです。

自身初のワールドカップ表彰台に上った中村直幹 【写真:アフロ】

 そんななかで日本チーム今季初の表彰台に上ったのは中村直幹選手(Flying Laboratory SC)でした。ヴィスワでの2戦目で11位に入るとルカでの2戦目(個人戦第4戦)では自身初の表彰台となる3位に入りました。まだまだ順位の浮沈は大きいところはありますが、小林陵侑選手に続く、もしくは彼に並ぶ2番手としての躍進が大きく期待されます。また、この夏のシーズンに圧倒的な成績を残しワールドカップチームへの昇格を果たした二階堂蓮選手(日本ビールスキー部)も、まだまだ国内の大会で見せたようなポテンシャルを発揮することはできていませんが、ところどころでその片鱗は見せています。今季は二階堂選手の成長にも期待していただきたいと思います。

 男子スキージャンプは今週末は女子と一緒にティティぜー・ノイシュタット(ドイツ)で大会を控えており、男女混合の団体戦も行われるのでぜひご注目ください。

【ノルディック複合】山本涼太がエースに名乗りを上げるか。渡部暁斗の発奮にも期待

今季ワールドカップ開幕戦で自身最高位を更新した山本涼太選手 【写真:アフロ】

 ノルディック複合は例年と同じく、11月25日〜27日のルカでの開幕戦でシーズンをスタートしました。北京オリンピックでは渡部暁斗選手(北野建設SC)が個人ラージヒルで3大会連続のメダル獲得となる銅メダルを獲得、渡部暁斗・善斗(北野建設SC)・永井秀昭(岐阜日野自動車SC)・山本涼太(長野日野自動車SC)の4選手で臨んだ団体ラージヒルでも7大会ぶりのメダル(銅メダル)を獲得しました。その大きな原動力となったのが、山本涼太選手の成長です。

 山本選手は昨季までに2回個人戦の表彰台に上る(ともに3位)など、ここ2シーズンで着実に世界のトップを争える力をつけてきました。そして、北京オリンピックで先輩たちの力を借りながらも団体のメダル獲得に貢献。今季はいよいよノルディック複合日本を背負って立つエースへの成長が期待されています。そんな山本選手は今季個人戦初戦でいきなり2位表彰台に上がり、自己最高位を更新。さらに2日目は表彰台は逃したものの4位をキープすると、3日目は3位でふたたび表彰台に上がりました。今季このままの勢いで日本チームの新エースとして、ワールドカップのトップ争いを繰り広げてもらいたいところです。

開幕シリーズは低空飛行に終わった渡部暁斗だが、ベテランなりの巻き返しを期待したい 【写真:Newspix24/アフロ】

 一方、渡部暁斗選手はこの3連戦で22位が最高と本領発揮とはならず。今年で34歳になるだけに、とくにフィジカルが重要になるクロスカントリーの衰えが心配されますが、この3連戦はジャンプも不調だっただけに、本来の調子にアジャストすることができれば、復調の兆しを見せてくれるはずです。今季も豊富な経験を活かした戦いを見せてもらいたいと思います。

 ノルディック複合は今週末もリレハンメル(ノルウェー)で男子個人2連戦、女子個人2連戦が行われます。オリンピック種目採用をめざす女子ノルディック複合にも、日本チームは中村安寿選手(株式会社ショウワ)や葛西優奈・春香姉妹(ともに早稲田大学)など表彰台を争うことができる選手がそろっています。ぜひご注目ください。
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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