「試合中にコーチが全く指示しない」アルバルク東京ユースの活動を紹介!アメリカに留学する選手も輩出(1)

アルバルク東京
チーム・協会

【アルバルク東京】

B1リーグ戦はバイウィークを終えて先週末から再開し熱戦が繰り広げられていますが、今回2回にわたってお届けするのは、クラブのアカデミー活動についてです。アルバルク東京では“アカデミーは、クラブ独自のジュニア期のバスケットボールプログラムを開発し、実践する組織”と位置付けて活動しており、他クラブには見られないような活動をしています。

そのような活動を続けてきた中で、アルバルク東京アカデミーの一期生としてクラブに加入し、アルバルク東京ユース(U18)から、アメリカへの留学を7月に決断した選手がいます。NBA選手を目指して渡米する選手が生まれたエピソードとともに、アルバルク東京ユースの取り組みを紹介します。

アメリカ留学を決断したその選手は松崎花道選手といい、現在高校2年生で中学1年生からアルバルク東京ユースに所属していました。「他の選手と同じようにトライアウトを受験して、中学1年生で入って来た時から今も変わらず真面目なタイプの選手で、真っすぐすぎるくらいの性格の持ち主です。」と話をするのはユースの中村領介コーチです。

そんな彼がアルバルク東京ユースでプレーを続ける中で、アメリカへの留学を意識しだしたのは中学2年生の時にNBAを生で観戦したことがきっかけでした。松崎選手は「映像でしか見たことがなかったのが、選手の体の大きさ、試合中のファンの熱狂度などを目の当たりにした時に、自分もいつかここでプレーをしてみたいと初めて思い、ぼんやりとしていた目標がすごく現実的に思うようになりました。そこからNBAでプレーする彼らみたいに人の気持ちを感動させたり、影響を与えたられる選手になりたいと思い、早くから本場のバスケを経験するために留学を決意しました。」と、留学を決断した時の思いを話します。

ホームゲームではユースの活動としてトップチームのモッパーを務めた 【アルバルク東京】

ユースでこの5年間指導に携わった中村コーチは「アルバルク東京U15に入ってきた当初の彼は周りと比べて競技力が特別高かった訳ではありませんでしたが、その当時からNBAを目指すという意志を強く持っていました。入団当初からこれまで、ストイックに追い求めるところは一切変わっていません。彼の印象的なエピソードとして、彼は中学1年生の頃から毎日のように私に『1v1をしてほしい』と挑んで来ていました。もちろん中学1年生の彼と大人の私では体格差があり、彼の思い通りの結果にならないことが多かったと思いますが、彼は何度負けても諦めずに挑んで来たことが強く印象に残っています。今思い返すと彼はその頃から目の前の結果だけで自分の力や可能性を判断することなく『昨日の自分と今日の自分を比べてどれほど成長しているか、ひと月前の自分よりどれだけ前進しているのか』といった視点も持ってバスケットに向き合っていたように思います。彼の目標設定をする力と、その目標に向かってやるべきことを継続する力、またその意志の強さには、感服の思いでいっぱいです。」と、在籍時のエピソードを明かしてくれました。

松崎選手のアルバルク東京ユースでの活動は7月29日(金)と30日(土)に開催されたREGIONAL LEAGUEの試合が最後となりました。

松崎選手は7月31日(日)には日本を発ち、早速アメリカでの生活に入っています。松崎選手は「将来の目標はNBA選手になって、自分がインスパイアされたように、色んな人に感動を与えられて、応援されるような選手になりたいです。それと、誰よりもバスケを楽しみたいと思っています。やはり、プレーに夢中になり楽しむことが出来る選手は、観ている人にもその気持ちが伝わると思いますし、それは何よりも自分たちの練習に対する動機、やる気にも大きく繋がると思います。これからもたくさんバスケを楽しみたいです。」と今後の目標と自身のプレーで大事にしている部分を話しました。

中村 領介コーチ 【アルバルク東京】

アルバルク東京U18での最後の試合を見た伊藤大司トップチームゼネラルマネージャー(GM)は「私がユースチームの練習を初めて見学に行った際にも練習前に即1対1を申し込まれ、それが凄く印象に残っています。元プロの選手にいきなり1対1を挑むというのはなかなか出来ることではないと思いますが、いきなり本気でして欲しいという申し出があって、彼からは何か違うという雰囲気を感じました。」と初対面時を振り返りました。

そしてその時から松崎選手はアメリカでのプレー経験のある伊藤GMに「アメリカに行きたい」という話をすぐにして、アドバイスを求めたそうです。伊藤GMは当時「アメリカでは自分たちで考えるという要素が理念なので「アメリカはこういうところを見てるよ」というアドバイスを送ったそうですが、松崎選手は次会った時までに自分なりの答えをもって伊藤GMに言葉でもプレーでも表現することを続けていく行動を取るようになりました。その繰り返しで伊藤GMが「バスケットだったらコートの中ではどうするのか?」と問いかけると、必ず答えを持ってきてそれをコート上で必ず発揮するというのを実践してきたのが、アメリカに行くまでの過程での松崎選手の行動であったということです。

伊藤 大司トップチームGM 【アルバルク東京】

そして伊藤GMは松崎選手へのエールを込めて「(松崎選手が)アドバイスを求めていて、ある程度の手助けはしていましたが、彼自身が考えて答えを持ってきて、自分自身で練習や試合で実践して答えを見つけるというのが彼のやり方でしたし、それがアルバルク東京ユースで実践してきたことでした。実際にアメリカでは、いかに自分でどれだけ成長できるか、周りはレベルの高い凄い選手ばかりの中でどうやってサバイブするかということに直面しますが、アルバルク東京ユースで彼はその見つけ方を学んだと思います。そういった意味でも彼が身に付けたものはアメリカでも役立つと思います。実際に試合で毎回会うたびにトライ&エラーを繰り返しながら成長しているのが、彼のスタイルだったので本当に楽しみです。私自身もアメリカに行って同じように、何度もそういったことを繰り返して、何とか高校と大学を卒業してプロになることにもつながりました。彼にはNBAを本当に目指して頑張って欲しいと思います。」と話します。松崎選手の今後の活躍に期待しつつ、今回のアメリカ留学については選手の今後の可能性を追い求めることが出来た1つの成果として、アルバルク東京ユースでの選手育成について大事にしていることを強調しました。

次回(後編)は、NBAを目指して留学するような選手が出てきたアルバルク東京ユースの活動方針をお届けします。
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プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUE所属のアルバルク東京の公式サイトです。 チームの最新ニュースやイベント、チケット、オフィシャルグッズなど様々な情報をお届けします。

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